がん患者さん・家族・団体への恩返しのために

今年の日本の勤労感謝の日と米国のThanksgiving Dayは同じ日となった。勤労感謝のも日が11月23日に固定されているのに対し、米国のThanksgiving Dayは11月の第4木曜日となっているので、5-6年に一度しか同じ日にちにはならない。この頃から、正月明けまで、…

リキッドバイプシーで免疫治療の効果予測?

10月号の「Clinical Cancer Research」誌に「Hypermutated Circulating Tumor DNA: Correlation with Response to Checkpoint Inhibitor–Based Immunotherapy」(免疫チェックポイント抗体治療法の効果が、血漿中DNAに遺伝子異常が高頻度に検出されることと関…

相撲界のAlternative fact

シカゴは一気に冬に突入だ。今日は、久しぶりに晴れ上がったが、外の気温は午前11時にマイナス1度とすっかり冷え込んでいる。強い風も吹いていて、縮み上がるような感じだ。 そして、日本の相撲の世界がドロドロとしている。モンゴル人力士の飲み会で、横綱…

切除不能第3期非小細胞肺がん患者・化学放射線療法後の抗PD-L1療法

今日の「New England Journal of Medicine」誌に「Durvalumab after Chemoradiotherapy in Stage III Non–Small-Cell Lung Cancer」という論文が掲載されていた。Durvalumabは抗PD-L1抗体であり、対象となったのは、第3期の局所進行・切除不能肺非小細胞がん…

がん細胞はHLA遺伝子を欠落させて免疫系から逃げる!

11月30日号の「Cell」誌に「Allele-Specific HLA Loss and Immune Escape in Lung Cancer Evolution」という論文が掲載されていた。非小細胞肺がんを詳細に調べた結果、早期のがんの40%でHLA遺伝子の存在する部位が、細胞から欠け落ちていたそうだ。遺伝子が…

5年間のホルモン療法後の長期間乳がん再発率;厳しい現実を前にして

先週号の「New England Journal of Medicine」誌に「20-Year Risks of Breast-Cancer Recurrence after Stopping Endocrine Therapy at 5 Years」(5年間でホルモン療法を止めた後の、20年間にわたる乳がん再発リスク)というタイトルの論文が報告されていた…

基礎も臨床も「木を見て森を見ずに」ならないように

今、羽田空港にいる。高松宮妃がんシンポジウムに3日間参加したが、3日間座り続けるのは結構きつかった。しかし、腫瘍微細環境について、かなり色々なことを勉強できた。私は腫瘍環境の中におけるT細胞やB細胞の話に絞って話題を提供したので、他人のことは…

第13回がん患者大集会(11月26日)

今、オヘア空港にいて、東京に向かうところである。9月の終わりから、日本癌学会、日本癌治療学会と続いたが、今回は高松宮妃癌シンポジウムに参加するためだ。シンポジウム終了後すぐにシカゴに戻るが、今月末には、再度「がん患者大集会」(11月26日午後1…

プレジョン医療導入の壁

一昨日に続き、昨夜も近辺で路上強盗があった。しかも、午後8時から10時30分の間に4件もだ。犯行グループは二つのようだが、二件は私の通勤路のすぐそばで起こった。シカゴに来て6年目だが、年間5件程度であったものが、2日間で6件も起こったので、なんとな…

腸内細菌と免疫システム

シカゴもようやく平年並みの気温になり、朝の出勤には真冬のコートが必要となってきた。明日の最低気温予想は0度であり、氷点下になる可能性もある。寒さは苦手だが、6度目の冬を迎えるので、体の備えも、心も準備もできている。しかし、懸念されるのは治安…

オピオイドの社会問題化と米国路線、保安検査の厳格化

疲労困憊で羽田から飛行機に乗り込み、機内で熟睡したためか、全く時差ぼけがない。風邪薬の影響もあるのだろうが、食事後に一気に眠りに落ち、目覚めた時には到着まで2時間を切っていた。約束していた論文の見直しが機内ではできなかったが、時差ぼけがない…

嵐の前の静けさ

前回の日本癌学会の際には、直前のベトナム訪問の食中毒を引きずり、今回の日本癌治療学会時には風邪で咳と熱に苦しみ、散々な日本出張が続いている。今、羽田空港で、これからシカゴに戻るところだが、階段を上がると息切れがする。少し回復はしてきたが、…

  胃がんに対する抗PD-1抗体治療;効果はPD-L1に関係ない???

日韓台のアジアグループによる、PD-1抗体を利用した胃がんの臨床試験の結果がLancet誌に公表された。一流の臨床系雑誌にアジアのデータが報告されるのは誇らしいことだ。少し残念だったのは、責任著者が国立がんセンター中央病院の医師であったにもかかわら…

がん治療を変革する「ネオアンチゲン」と「リキッドバイプシー」

Google Scholarで「ネオアンチゲン」「リキッドバイオプシー」を検索すると、前者は2013-2015年間で約1670件ヒットしたのに対し、2016年1390件、2017年は今日の時点で1430件であった。「リッキドバイプシー」は2013-2015年で1200件のヒットが、2016年13,800…

ゲノム研究を過小評価した罪は大きい!

今週号のNature誌に、まれな遺伝子多型(非常に少数の人で見られる遺伝暗号の違い)が、遺伝子の発現レベルに影響しているという論文”The impact of rare variation on gene expression across tissues”が報告された。Genotype-Tissue Expression (GTEx)(遺…

進むも地獄、退くも地獄だが??!!

日本ではいよいよ総選挙がスタートした。希望の党の小池百合子氏が都知事を辞めて立候補するかどうか、日本中の注視が集まっていたが、どうも立候補しないようだ。確かに、都知事を辞職すれば大きな批難が巻き起こっていただろうが、ここまで来て立候補しな…

免疫療法報道の愚;リテラシーなきメディア

またまた、馬鹿メディアがやらかした。NHKが「厚生労働省が地域のがん治療の中核に指定している拠点病院のうち全国の少なくとも12の病院が、がん治療の効果が国よって確認されておらず保険診療が適用されていない免疫療法をおととし実施していたことが、N…

ワシントン大学で9臓器のがんにネオアンチゲン療法

今日、午後4時からワシントン大学(セントルイス)のSchreiber教授のセミナーがあった。タイトルがPersonalized Immunotherapyだったので、時差ボケと闘いながら講演を聞きに行った。2-3年前にもシカゴ大学で講演したことがあったが、魅力的なタイトルに惹か…

シカゴに戻る;民間でがん治療を動かそう

ハノイ・東京(正確には横浜)11日間の出張を終えて、ようやくシカゴに戻ってきた。帰国日も朝から会合、そして、1時間の講演会をこなし、夕方の成田―シカゴ便で午後3時頃にオヘア空港に戻ってきた。 土曜日の夜に、友人であるJun Wang氏(前Beijing Genome …

「味噌も糞も一緒」党になるのか?

明日、ようやくシカゴに戻る。やっぱり疲れた。今年は、あと4回日本に戻る予定だが、考えるだけで、気が重くなる。シカゴは、異常気象で来週も気温30度を超えそうだ。しかし、今が踏ん張りどころだ。人に任せると、後始末が大変な状況が生ずるので、自分で頑…

肝臓がんと胃がんに免疫チェックポイント抗体が承認

初めてのベトナムだが、運転マナーの悪さには驚くばかりだ。多くのバイクが道路を左へ右へと走り、右折左折時には、いつ衝突するのかとビクビクするような状況だ。また、大気汚染は中国ほどでもないがかなりひどい。しかし、ベトナムの若者たちは元気だし、…

初めてのベトナム訪問

シカゴは、紅葉・黄葉がかなり進んでいるにもかかわらず、明日から1週間ほど30度を超えるとの予想で、歴史的な暑さとなりそうだ。温暖化というよりも、明らかな異常気象である。そして、私は、今、また、また、また、また、オヘア空港にいる。羽田経由で、ベ…

CD4細胞を利用したTCR導入T細胞療法

1ヶ月ほど前のJournal of Clinical Oncology(米国臨床腫瘍学会の雑誌)に「Treatment of Patients With Metastatic Cancer Using a Major Histocompatibility Complex Class II–Restricted T-Cell Receptor Targeting the Cancer Germline Antigen MAGE-A3…

医療事故を起こす医師は謙虚でないのか?

ネットニュースを見ていると「下手過ぎる医師の恐怖、病室の惨劇はこうして起きた」というタイトルの記事があった。群馬大学付属病院で起きた医療事故に関して、首藤淳哉さんという著者がコメントをしていた(JB Press)。最後のほうに、「医療事故によって…

膵がんのリキッドバイオプシーは難しい?

テキサスを襲った台風の傷が癒える間もなく、強烈な台風がフロリダ半島に迫っている。この台風は、カリブ海の国々に大きな傷跡を残し、米国に迫っている。日本からは遠く離れているが、是非、復旧の支援をして欲しいと願っている。そして、フロリダでは、ト…

アニーは銃を取らなかった;「男女関係はない」が「離党する」はおかしくないか?!

民進党議員が、週刊誌の不倫報道を受けて、民進党を離党することになった。記者会見で「男女関係はない」と主張していたが、それならば、何故に離党しなければならないのか、合点がいかない。何もないなら、どうして冤罪だと堂々と主張しないのだろうかと思…

世界大学ランキングに見る沈み行く日本

シカゴはすでに日本の晩秋のような気候で、昨朝の最低気温は10度まで下がった。1泊2日のサンディエゴ出張でクタクタになった重い体で、急に冷え込んだ中を歩くのは結構つらいものがある。しかし、少し、色づき始めた木々のなかを歩くのは爽やかなもので、歩…

CAR-T細胞療法475,000ドル(約5000万円)!天文学的になるがん治療費

今、サンディエゴにいる。シカゴの家を出てから、片道7時間。アメリカは広いと実感するには十分だ。某バイオベンチャーと共同研究の可能性を探るためだ。しかし、1泊2日で、往復14時間以上は高齢者には厳しいものがある。今日は夕食、明日の朝は、会社で会…

北朝鮮6回目の核実験;面子を潰された米中首脳

ついにと言うか、やっぱりと言うか、北朝鮮は核実験を行った。水素爆弾の可能性が高い。10日ほど前、トランプ大統領は「われわれは金正恩をレスペクトしているし、彼らもわれわれをリスペクトしている」とスピーチで述べた。ホンマかいなと思ったが、やっぱ…

米国FDAがペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)と他剤との併用で注意喚起

8月31日付けで、米国FDAはペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)とデキサメサゾン(ステロイド)+免疫調節薬(レナリドマミド 、ポマリドミド)との併用に対する注意喚起を行った。ペムブロリズマブとこれらの他の薬剤を利用した、多発性骨髄腫に対する2つの臨床…