できると思うから挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい

マリナーズのイチロー選手が引退した。その記者会見で「できると思うから挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい」との発言を残した。最近の若い人たちは「できそうにないので、難しそうなので、挑戦しない」という人が多いように感じている…

膵臓がん治療に光明か!?

Nature Medicine誌に「Protective autophagy elicited by RAF-MEK-ERK inhibition suggests a treatment strategy for RAS-driven cancers」というタイトルの論文が報告されている。RASというのは代表的ながん遺伝子であり、人のがんでこの遺伝子の異常が見…

ゲノム医療入門―5:リキッドバイオプシー

内閣府の「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」プロジェクトの中で、リキッドバイオプシーの実装化に取り組んでもらっている。日本は、海外で実用化された技術に周回遅れで取り組んでも、それが世界の最先端と大ぼらを吹ける人たちが国をリードして…

人工知能の可能性

病院に人工知能を導入する必要があると言うと、多くの人が無機質で冷たい診療現場になることを危惧する。しかし、私は医療現場に人間らしさを維持するためには、人工知能の補助が不可欠だと考えている。 患者さんの観点で医療現場を見た場合、ストレスと感ず…

もうすぐ、あの日から8年

あと4日で大震災から8年になる。数日前のニュースで、被災地で独居老人の孤独死が続いているとの報道があった。こんな状況は予測されたことだ。家族を失い、家を失ったご老人には大きなストレスがあったはずだ。震災後、津波被害者の健康管理に重点を置くこ…

ゲノム医療入門―4

米朝関係は、メディアの予想がほぼ総外れになる結果となった。予測不能のトランプ大統領の面目躍如とも言えるが、これでまた先の見えない国際情勢となった。「トランプはやはりトランプだ」という評価で傷は浅いように思うが(ロシア疑惑は別だが)、北朝鮮…

日本人の民意

「辺野古移設を反対する人が過半数を超えた」と現政権に反対する人たちが大喜びしている。では、普天間基地はどうするのか?この基地移転問題は、危険度の高い普天間基地を他に移すことから始まったものだ。一旦落ち着いていた状況を一変させ、このような混…

ゲノム医療入門―3

今日は病気のゲノム・遺伝子診断に移りたい。といっても、これにも多様な種類が含まれているので、大きな分類をするだけでも大変であ ゲノム・遺伝子を利用した病気に関わる医学研究・医療を大きく分類すると、遺伝的な病気や病気のリスクの診断(遺伝性疾患…

ゲノム医療入門―2

前回は法医学的な分野の紹介をしたが、今回は、感染症関係を簡単に触れたい。炭そ菌を郵送するバイオテロ事件が仮想のものではないことを覚えておられると思う。最近は、麻疹(はしか)が流行して騒ぎとなっているが、はしかやおたふくかぜの流行は、行政の…

ゲノム医療入門―1

「遺伝」と「遺伝子」、「ゲノム医療」と「臨床遺伝診断」は同じ言葉のように聞こえるが、その内容はかなり異なる。日本では、親から子へと受け継がれる概念であるHeredity「遺伝」と科学的な概念であるGene「遺伝子」に同じ「遺伝」という言葉が用いられて…

再生医療に対するNature誌での批判

1月31日号のNature誌に「Stem-cell therapy raises concerns」というコメントが掲載されていた。「脊髄損傷に対して患者さん自身の間葉性幹細胞を培養して増やし、それを静脈注射で患者さんの身体に戻す」治療法を、日本では有償で実施することが認められた…

化学療法で臨床的に消えた直腸がんはどう治療する?

JAMA Oncologyに「Assessment of a Watch-and-Wait Strategy for Rectal Cancer in Patients With a Complete Response After Neoadjuvant Therapy」というタイトルの論文が発表されていた。直腸がんの化学療法によってがんが消失した患者さんに対して、手術…

腰椎穿刺液を用いた脳腫瘍のリキッドバイオプシー

日曜日に気晴らしにボーリングに言った。第5フレームを終わった所で93点と絶好調だった。しかし、次の瞬間、悪魔に襲われた。人間、欲をかくとダメなことを理解しているはずだが、本能が冷静さを失わせた。力を込めて次のボールを投げ終わった途端に左の大腿…

医療現場で失われているHumanity

昼過ぎから風もでて、寒くなってきた。ちなみにシカゴはどうなのかと思って、天気予報を見た。調べた時点での気温マイナス19度に体がすくみそうになったが、30日の予想はなんと最低気温マイナス30度、最高気温がマイナス24度だった。こんな所で、6回も冬を過…

日韓レーザー照射問題;日本人の誇りと矜持を賭けて断固戦え!

毎日新聞に「防衛省は21日、韓国海軍駆逐艦の火器管制レーダー照射問題を巡り、韓国側との協議を打ち切ると発表した。」との記事が出ていた。レーザーが照射されたのかどうか、真実は一つしかないはずだ。常識的に、日本政府と韓国政府のいずれかが嘘をつい…

人工知能システムによる麻薬オーバードーズや危険な不整脈の診断

1月9日号のScience Translational Medicine誌に「Opioid overdose detection using smartphones」、そしてNature Medicine誌に「Cardiologist-level arrhythmia detection and classification in ambulatory electrocardiograms using a deep neural network…

救いようのない日本のがん医療:グリオブラストーマに対するペプチドワクチン療法臨床試験

1月10日号のNature誌に「Actively personalized vaccination trial for newly diagnosed glioblastoma」と「Neoantigen vaccine generates intratumoral T cell responses in phase Ib glioblastoma trial」というネオアンチゲン療法に関する論文が掲載さ…

マグロ1匹と臓器移植の価値

テレビのニュースで、豊洲でのマグロの初セリが3億3360万円と報道されていた。セリ落としたすしチェーン店では通常価格でマグロが販売されているので、採算が合うはずがないが、これだけニュースで取り上げられれば宣伝効果は絶大だろう。このマグロを…

慟哭の詩2018:もし、私が天涯孤独だったら

私に血縁が全くいなければ、20歳で大腸がんと闘っている若者に、自らの手でネオアンチゲンを注射し、MDアンダーソンがんセンターで治験中のMELK阻害剤を投与してあげたい。 進行がんだから、諦めるしかないとは絶対に言わない。 彼に希望を与え、笑顔を取り…

ピンボケ日本のがんゲノム医療:米国治験データベースでのネオアンチゲン療法

米国に「ClinicalTrials.gov」に検索可能な臨床試験データベースがある。「Cancer」で検索すると64,464項目がヒットする。この中には「completed」(終了)したものも「Active, not recruiting 」(試験中であるが、患者さんのリクルートは終わっている)も…

すい臓がん術後補助療法;FOLFIRINOX療法がゲムシタビンより優位

「New England Journal of Medicine」誌に「FOLFIRINOX or Gemcitabine as Adjuvant Therapy for Pancreatic Cancer」というタイトルの論文が掲載された。簡単に言うと「すい臓がんの術後化学療法として、FOLFIRINOX療法とゲムシタビン療法のどちらがいいの…

前立腺がんや大腸がんの手術の意義?

先週、ようやく年金の手続きを終えた。私の年代の医師は、医局の指示もあり、転々と職場を変えた。その影響もあり、私の場合、10カ所の年金記録があった。また、合計11年以上の米国暮らしもあり、書類の準備が大変だった。先週の金曜日に、「これで書類はす…

がん医療革命に向けて:診療情報や生体組織を患者さんの手に

日本に戻って以降、知人や友人からがんの治療に関する相談を受ける機会が多くなった。投薬や注射薬の情報を含め、自分の治療経過を詳細に記録している患者さんや家族がいる一方で、自分のがんの情報をほとんど知らない患者さんもいる。「がんの大きさはどれ…

責任ある立場に就くには、覚悟が必要だ!

今、ソウルの金浦空港にいる。午前中の講演が終わったあと、ソウル大学内の韓国レストランで友人と食事をした。2日間、西洋式の料理が続いていたので、豆腐チゲを食べた。彼と二人で食事をするのは2回目だが、彼がポツリポツリと自分の生い立ちを話し始めた…

AI(人工知能)が症状から病気を診断する?!

今から韓国に出張に行くが、体の節々が痛んでいる。日曜日、運動している時に転んで、見事に一回転した。右手のひら、右ひじ、右ひざに見事な擦過傷を負った。頭頂部から真っ逆さまになり、全体重が頭頂部にかかっていた記憶がある。その後、衝撃をうまく受…

六義園+ニッサン+大阪万博

今日、紅葉を楽しむために、久しぶりに六義園に行ってきた。江戸幕府第5代将軍・徳川綱吉の側近だった柳沢吉保の庭園だったところだ。紅葉は美しかったが、あまりにも人が多くて興醒めだった。石橋を渡る際には警備員がマイクで交通整理していて、一方通行で…

日本はもっと国際的な貢献を!

今週の前半に、シカゴの病院で銃の乱射事件があり、3人+犯人が死亡したと報道された。事件が起こった病院の所在地を調べると、シカゴのチャイナタウンの少し東側にあり、いつも通っていた高速道路に隣接する病院だった。南北でいうと、シカゴのダウンタウン…

膀胱がんに対する抗がん剤治療;温故知新

日露関係が一歩進みそうだ。相手の大統領は曲者なので、油断はできないが、ベストより、ベターでいいのでは?四島一括返還が大前提と言うが、大半の日本人は「そんな事が叶うはずがない」と思っている。現状を理解していれば当然だ。言霊主義にも限度がある…

標準化=マニュアル化、機械化、無味乾燥化?日本のがん医療

一昨日、福岡がん総合クリニック主催の講演会が、福岡で開催され、1時間の講演をさせていただいた。会場には500人前後の方が参加され、熱気を帯びていた。講演に参加された講師陣とも話をしたが、多くの進行がんケースでは、標準療法の先には暗黒の断崖絶壁…

免疫チェックポイント抗体治療はいつまで続ければいいのか?

Lancet Oncology誌の11月号に「Nivolumab plus ipilimumab or nivolumab alone versus ipilimumab alone in advanced melanoma (CheckMate 067): 4-year outcomes of a multicentre, randomised, phase 3 trial」というタイトルの論文が発表されている。 英…