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ネオアンチゲンT細胞療法の歴史を学ぶ

今日、シカゴ大学で私たちが共同研究している、Hans Schreiber教授のセミナーがあった。彼は1995年にがんで起こっているミスセンス変異(遺伝子変異によってたんぱく質を構成しているアミノ酸が別のアミノ酸に変わる異常)が、リンパ球ががん細胞を攻撃する…

重度の肥満+糖尿病に外科手術!?

昨日は、過去最高気温を更新して19度まで気温が上がった。今日は2時現在、20度で、まるで米国の株価のように連日の記録更新だ。あと1週間程度非常に暖かい気候が続き出そうで、この間さらに2-3日は記録を更新する暖かさになりそうだ。この時期には珍しい晴…

肝胆膵がんの治癒率向上のための戦略

全国がん(成人病)センター協議会ががんの臓器部位別10年生存率を公表した。がんは高齢になるほど多く、別の病気で亡くなる場合もあるので、この数字はがんで亡くなった患者さんを元に補正されたものだ。がん全体の10年生存率は58.5%であり、がんを治癒で…

メディア報道は公正か?

小保方事件に関するNHKスペシャル(2014年7月放送)について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が、「名誉毀損(きそん)の人権侵害が認められる」などとして、再発防止に努めるようNHKに勧告した」との産経ニュースを目にした。「配…

Fact とAlternative Fact

トランプ大統領誕生から20日ほどが経ち、米国では「Alternative Fact(別の事実)=多くの場合には嘘」あるいは「Fake News(嘘のニュース)」という話題が盛んに取り上げられている。前者は、トランプ大統領の就任式への参加人数について、報道官が「史上最大の…

2016年度に米国FDAによって承認された新規薬剤

2106年度に承認を受けた新規薬剤のリストを下記にまとめた。ニボルマブ(抗PD-1抗体)などの適応拡大(2017年2月2日には膀胱がんに対して承認された)は進んでいるが、これらの適応拡大されたものはこのリストには含まれていない。全く新規の薬剤としては、2…

多様性と国家安全保障の狭間で

トランプ大統領の大統領令と連邦地裁・控訴裁の違憲判断で、米国の入国管理体制は混迷を極めている。私の米国入国に際しては全く問題なかったが、しばらく混乱は続くだろう。しかし、大統領の権限が、ここまで強いとは知らなかった。まさに、大統領令で、何…

プレシジョン医療・人工知能の可能性とそれに挑む覚悟

今、羽田空港にいる。2日間で10を超える会議・会食に参加して、少々くたびれた。多くの人と話をしたり、昨日のがん研究会とフロンテオヘルスケアとのプレス発表に参加して、「プレシジョン医療」という一言だが、人によってその意味するところは、かなり差…

胸に刺さったナイフ

今、オヘア空港にいる。3泊5日で日本に戻るためだ。プレシジョン医療実現のための活動の一環だ。日本が世界から取り残されないように、前進あるのみだ。 患者さんとの連携を呼び掛けてから、患者さんや家族からの問い合わせが増えた。多くは、もう何もないと…

オバマケア法案廃止?+医薬品貿易赤字2兆円超

今日の「New England Journal of Medicine」誌に「Repealing the ACA without a Replacement — The Risks to American Health Care」(オンラインでは1月6日公開)というタイトルの論文が掲載されていた。ACAとは“Affordable Care Act“、通称、オバマケア法…

若い乳がん患者パートナーの心理状態?

シカゴは1日だけ晴天で異常に暖かい日があったが、翌日から、また、どんよりとした気持ちが落ち込むような天気が続いている。プレシジョン医療を推進するために、日々、仕事に追われて疲れているので、せめて天気くらいはすっきりして欲しいと思うが、今週一…

がん医療を患者さん主導で動かす時だ!

昨日は、突然、晴れ上がって気持ちがよかったが、今朝は乳濁色の霧に包まれている。窓の外の景色からは完全に遮断されている。昨日は、最高気温が16度まで上昇した。もちろん、華氏ではなく、摂氏でだ。平均最高気温がマイナス2度、過去最高気温が5度の状況…

日中の若者の意識差

シカゴは、まるで日本の梅雨のような鬱陶しい天気が続いている。しばらく、輝くような太陽を見ていないし、今後一週間は期待できないようだ。寒さに弱い私には、最近の気温はウエルカムだが、まるで、橋幸夫さんのシトシトピッチャン「子連れ狼」の世界だ。 …

医療の変革につながるネットワーク構築

前回のブログを受けて、複数の患者団体の方から連絡をいただいた。3月・6月の帰国にあわせて会合に参加するなど、積極的に前に進めて行きたい。小さなグループからでも地道に活動を開始したい。背負う荷がますます重くなるかもしれないが、ここは踏ん張って…

がんを治癒させるために一緒に行動を!

先週の寒波はどこかに消え去り、雪ではなく、雨が続いている。来週後半の予想気温は、東京と全く差がない。昨晩は雪がほんの少し降ったが、明日には消えるだろう。今週末から、来週にかけて重要な会議が続くので、今週は資料作りで忙しい。人生最後の勝負に…

1回の注射で6ヶ月コレステロールをコントロール!?

今年も一週間が経過した。時間の流れがさらに速く感じられる。シカゴは、最高気温がマイナス二桁の日が続いて、冷凍庫の中にいるようだ。それでも、3日前には、運動不足を避けるために、歩いて通勤したが、正面から風を受け、鼻水タラタラで、翌日はさらに冷…

急がれるがん医療体制の刷新!

シカゴは雪のない新年を迎えた。元旦の夕方に動物園でのライトアップを見学に行ったが、少し寒さを甘く見すぎた。真冬の服装をしていったつもりだったが、体の芯まで冷え切って、頭がくらくらしてきた。その影響か、昨日は体が重くて重くて、血糖も高かった…

2017年への決意

今年の締めくくりも、また、新たな免疫療法だ。今日発刊の「New England Journal of Medicine」に「Regression of Glioblastoma after Chimeric Antigen Receptor T-Cell Therapy(キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法によるグリオブラストーマの縮小効果)」…

安倍総理・真珠湾訪問;戦後の節目

今朝、アパートを出る時に、ドアマンから「おはよう」に続いて「Shinzo Abe visited Pearl Harbor yesterday」と話しかけられた。彼はアフリカンアメリカンだが、片言の日本語で毎朝声をかけてくれる。しかし、日本の総理大臣が真珠湾を訪問したことを持ち出…

国際的になった白衣を着た詐欺師;国の恥だ!

今、羽田空港にいる。ようやくシカゴに戻ることができる。今回は、がんプレシジョン医療を実現化するために、多くの人たちに会って、協力をお願いした。しかし、具体化してきた場合には、シカゴから指示を出すだけでは済まない。この5年間、物理的に離れてい…

がん研究所忘年会

一昨日午後は、がん研究所の研究発表会と忘年会に参加してきた。プレシジョン医療研究センターの特任顧問としての参加だ。1989-1994年の5年間生化学部長として在任していたので懐かしい。私の知っている人たちはかなりの年齢となっているが、顔を見ると当時…

プレシジョン医療始動

日本に帰国して4日間、晴天が続いている。何気なく、日本でテレビを見ていると、つくづく平和な国だと思う。お笑い芸人が交通事故を起こして逃げたり、「相棒」に出演していた俳優の引退騒動など、どうでもいいことにテレビ・新聞・雑誌は多くの時間を費やし…

どうしようもない日本!?

今、オヘア空港で羽田に向かう飛行機の出発を待っている。10月下旬からシカゴ‐羽田便が運行されているが、これに初めて搭乗する。午後3時の時点での気温はマイナス7度、明朝の予想気温はマイナス18度、月曜日の朝はマイナス26度となっている。今冬一番の厳し…

KRAS遺伝子異常(G12D)+ HLA-C*08:02を持つ患者へのT細胞療法

誕生日の日の昼食にリンゴを齧っていたところ、口の中でガリッと音がした。不吉な予感がして舌で歯を探ってみたところ、上の前歯にぽっかりと穴が開いている。波乱の1年の幕開けだ。リンゴはしばらく食べていなかったが、イタリアンマーケットで買ったリンゴ…

真珠湾攻撃から75年+意味不明の禁煙関連記事

真珠湾攻撃から75年を迎え、私は、また一つ、齢を重ねる。安倍総理とオバマ大統領が、月末に真珠湾を訪れるとのニュースは衝撃的だった。オバマ大統領の広島訪問の返礼として、安倍総理がハワイを訪問するとの噂はあったが、トランプ氏と会談したことで、も…

「プレシジョンメディシン」の誤解・幻想

先週までの暖かな気候が終わりを告げ、今朝は眼下に銀世界が広がっていた。一部の木々に残っていた黄色い葉も、重い雪と風でほとんど散ってしまった。来週の半ばにはマイナス20度近くまで下がるとの予報が出ている。いよいよ本格的な冬の始まりだ。 今日は改…

卵巣がん増悪予防にPARP阻害剤!?

現在、外気温は1度。明日の朝は、今秋(季節的には、もう冬だが)初めて氷点下になりそうだ。気温が冷え込む中、心も凍てつきそうな事件が起こった。我が家から直線距離で150メートルほどの公園で、射殺事件がおきた。頻繁に通っている日本料理店からは、50…

“21st Century Cares Act”;医療イノベーションの加速か、患者の危険増大か?

オバマ政権からトランプ政権へと、政権交代の狭間にあるにもかかわらず、医療に関連する重要法案の採否が検討されつつある。法案の名は「21st Century Cares Act」(21世紀ケア法案)で、名称からは内容がわかりにくい。米国臨床腫瘍学会や大学関係者から、…

公共の利益と個人の不利益、科学と情緒のバランス

米国臨床腫瘍学会は子宮頸がん予防ワクチンの啓蒙活動として、ビデオを作製し、Youtubeで公開している(https://www.youtube.com/watch?v=O_OQK030tUw)。HPV(ヒトパピローマウイルス)が子宮頸がんと関連することが明確であり、ウイルス感染の予防が、子宮…

おにぎりで窒息にAED(除細動器)???

今日は、休日でない金曜日だが、研究室には私以外に誰もいない。他の研究室にも人影が少ないというより、ほとんど人がおらず、まさに、ブラックフライデーだ。11月の第4木曜日はサンクスギビングデーで祭日だ。祭日は公式には1日だけだが、前日の水曜日の…

若者を元気づける評価制度が必要

週末は一転して平年並みの気候に戻り、出勤時は氷点下3度まで冷え込んだ。マイナス10度までは歩いて通勤するようにしているが、今日は朝7時30分過ぎから会議があったので、バスを利用した。この程度まで冷え込むと、体も心もピリッとすると言いたいと…

新たなる高額がん治療薬

今年のシカゴの気候はおかしい。昨日は最高気温が23度まで上昇し、これまでの記録を5度も更新した。2年前の同日の最低気温はマイナス12度だったので(これは過去最低気温)、1日の過去最低気温記録と過去最高気温記録の差が35度になる。東京や大阪…

免疫チェックポイント抗体医薬品の大流行;日本はどうするのか!

今週号の「New England Journal of Medicine」誌に免疫チェックポイント抗体薬を利用した臨床試験の論文が3編も掲載されていた。利用されている抗体も対象となるがん種も異なる。その組み合わせは、頭頸部がんXニボルマブ、非小細胞肺がんXペンブロリズマブ…

メキシコ滞在;国に対する誇り

メキシコから戻ってきた。空港に午後1時に着き、自宅に戻ったのは午後9時過ぎ(時差はなし)だから、結構、体には厳しいものがある(と言いながらも、この文章を書いているが)。午後3時の便だったので、午前中、メキシコのど真ん中にある古代アステカの遺…

メキシコ滞在中;驚きのトランプ氏勝利

先週の金曜日に、私を招待してくれた財団から、この人が迎えに行くから、名前と顔を確認して一緒にホテルに行くようにと、写真付きのメールが送られてきた。写真まで送られてくると、逆に危険なのかと不安になる。 空港に到着すると、入国審査場にはまったく…

お腹の脂肪と荷物検査

今、またまた、オヘア空港にいる。メキシコシティーに向かう予定である。35年ほど前に休暇で行ったことがあるが、今回は講演会だ。このメキシコ訪問の端緒は、2009年に東京で、日本―メキシコ友好400周年記念のシンポジウムを開催したことに遡る。1609年には…

心の中でうれし泣き

昨夜は遅くまでワールドシリーズを観戦していたので、今日は少し眠い。しかし、昨日は、いい日だった。シカゴ・カブスが108年ぶりに優勝した。地元のチームが優勝するのは気分がいいものだ。しかし、喜び合う選手の中に、日本人選手がいないのは、ちょっぴり…

ヒポクラテスの誓い

シカゴの秋は異常な気候が続いている。今日も、過去最高気温を更新し、26度まで上昇した。これまでの4年間なら、11月ともなれば、ズボン下を履かないと縮みあがるところだが、帰宅時にはコートを着ていなくとも、汗をかくような感じだった。しかし、気温が急…

血液中のDNAでがんがどこまでわかるのか?

今日、シカゴ・オヘア空港で航空機の火災があった。ニュースで見るとかなり激しい火災で、離陸後に発生していたらと考えると寒気がする。水・木曜日に一泊2日でサンフランシスコに出張し、昨夜戻ってきたが、火災機と同じ会社のフライトだった。事故後、オヘ…

失望した「Moonshot」最終案

先週の土曜日、大学のすぐ近くで発砲事件があったと連絡があった。被害者はお尻と両足を撃たれたようだが、事件の起こった時間が夕方の6時、その2時間前には、現場から50メートルくらいの所にいたので驚きだ。被害者がどうなったのかはわからない。週末ごと…

骨粗しょう症に抗体医薬!?その時、医療費は?

シカゴの気温はようやく平年並みに冷え込んできたが、日曜日は20度を超える暖かさになる予想だ。紅葉‣黄葉も過去4年よりも遅く、多くの木が緑の葉を茂らせている。 今日の話題は、骨粗しょう症にも「抗体医薬」登場という、またしても、医療費の高騰につなが…

医師と患者の関係

今年のシカゴは一旦冷え込んだものの、その後は平年より高い気温が続いている。一昨日は28度と過去の記録を3度も更新する夏のような気候だった。木の葉も、この暖かい気温に戸惑っているようで、一部は色づき、散り始めているのに、一部は緑色のままだ。木に…

膀胱がんに対する遺伝子治療????白衣を着た詐欺師に騙されるな!

今朝、ネットニュースを見ていたら、有名なアナウンサーが膀胱がんに罹患して、膀胱全摘手術を勧められたが、手術を拒否して遺伝子治療を受けているとあった。膀胱がんに遺伝子治療????これまでに米国で承認された例などないので驚いた。そこで「膀胱が…

マンモグラフィーは過剰診断につながるのか??????

日本癌学会が終わってシカゴに帰る頃には紅葉が進んでいると思っていたが、例年よりかなり気温の高い気候のためか、10月8日に戻った時には、9月末にシカゴを離れた頃とあまり変わっていなかった。しかし、一昨日から急に気温が低下し、出勤時の気温が6-7度ま…

的外れの高額がん治療薬問題ー2

前回に続き、高額がん治療薬の問題を取り上げる。下記に3ヶ月間治療を受けた場合の薬剤費を示したが、確かに、抗PD-1抗体(ニボルマブ)や抗CTLA-4抗体(イピリムマブ)はとんでもなく高額だが、桁外れに高額というわけでもないし、高額抗がん剤の問題も最近…

日本癌学会「高額医療費問題」パネルディスカッション

今、成田空港にいる。10日間にわたる日本出張を終え、ようやく、シカゴに戻ることができる。この10日間、目が回るように忙しかった。岡山での日本胸部学会、日本癌学会に参加し、その間を縫って、人工知能企業やリキッドバイオプシー・シークエンスに関連す…

人工知能・ゲノムががん医療現場を変える

月曜日の読売新聞の夕刊に、私がフロンティアという企業と一緒に、人工知能を利用して最適の治療薬を選択するシステムを作ると報道された。「選択」は医師と患者さんが話し合った上でされるべきなので、正しい表現は「考えうる選択肢を提示する」である。分…

愚の骨頂

岡山から東京に、新幹線で戻ってきた。20年ほど前は、毎週1回東京―大阪を往復していたが、3時間以上も乗っているのは体に堪える。岡山空港は不便だし、便数も少ないので、新幹線しか選択肢はなかったが、やはり、さすがに腰は痛い。昨夜は胸部外科学会の会長…

朝早く起きること。一生懸命に努力すること。

今日の昼食時に、St. Jude Children’s Research HospitalのプレジデントであるJames R. Downing博士の講演があった。St. Jude小児病院は全米屈指のというより、世界をリードする小児病院と言っても過言ではない。小児腫瘍のゲノム解析を世界の先頭を切って開…

治療困難な病気を治療可能にするための挑戦

9月19日米国FDAはデュシャンヌ型筋ジストロフィーの治療薬EXONDYS 51を承認した。全く治療法がなかった遺伝性疾患に対する初の治療薬だ(現実的には治療薬候補に等しいが)。この病気は、X染色体にあるジストロフィンという遺伝子の異常によって起こる。ジス…