救いようのない日本のがん医療:グリオブラストーマに対するペプチドワクチン療法臨床試験

1月10日号のNature誌に「Actively personalized vaccination trial for newly diagnosed glioblastoma」と「Neoantigen vaccine generates intratumoral T cell responses in phase Ib glioblastoma trial」というネオアンチゲン療法に関する論文が掲載さ…

マグロ1匹と臓器移植の価値

テレビのニュースで、豊洲でのマグロの初セリが3億3360万円と報道されていた。セリ落としたすしチェーン店では通常価格でマグロが販売されているので、採算が合うはずがないが、これだけニュースで取り上げられれば宣伝効果は絶大だろう。このマグロを…

慟哭の詩2018:もし、私が天涯孤独だったら

私に血縁が全くいなければ、20歳で大腸がんと闘っている若者に、自らの手でネオアンチゲンを注射し、MDアンダーソンがんセンターで治験中のMELK阻害剤を投与してあげたい。 進行がんだから、諦めるしかないとは絶対に言わない。 彼に希望を与え、笑顔を取り…

ピンボケ日本のがんゲノム医療:米国治験データベースでのネオアンチゲン療法

米国に「ClinicalTrials.gov」に検索可能な臨床試験データベースがある。「Cancer」で検索すると64,464項目がヒットする。この中には「completed」(終了)したものも「Active, not recruiting 」(試験中であるが、患者さんのリクルートは終わっている)も…

すい臓がん術後補助療法;FOLFIRINOX療法がゲムシタビンより優位

「New England Journal of Medicine」誌に「FOLFIRINOX or Gemcitabine as Adjuvant Therapy for Pancreatic Cancer」というタイトルの論文が掲載された。簡単に言うと「すい臓がんの術後化学療法として、FOLFIRINOX療法とゲムシタビン療法のどちらがいいの…

前立腺がんや大腸がんの手術の意義?

先週、ようやく年金の手続きを終えた。私の年代の医師は、医局の指示もあり、転々と職場を変えた。その影響もあり、私の場合、10カ所の年金記録があった。また、合計11年以上の米国暮らしもあり、書類の準備が大変だった。先週の金曜日に、「これで書類はす…

がん医療革命に向けて:診療情報や生体組織を患者さんの手に

日本に戻って以降、知人や友人からがんの治療に関する相談を受ける機会が多くなった。投薬や注射薬の情報を含め、自分の治療経過を詳細に記録している患者さんや家族がいる一方で、自分のがんの情報をほとんど知らない患者さんもいる。「がんの大きさはどれ…

責任ある立場に就くには、覚悟が必要だ!

今、ソウルの金浦空港にいる。午前中の講演が終わったあと、ソウル大学内の韓国レストランで友人と食事をした。2日間、西洋式の料理が続いていたので、豆腐チゲを食べた。彼と二人で食事をするのは2回目だが、彼がポツリポツリと自分の生い立ちを話し始めた…

AI(人工知能)が症状から病気を診断する?!

今から韓国に出張に行くが、体の節々が痛んでいる。日曜日、運動している時に転んで、見事に一回転した。右手のひら、右ひじ、右ひざに見事な擦過傷を負った。頭頂部から真っ逆さまになり、全体重が頭頂部にかかっていた記憶がある。その後、衝撃をうまく受…

六義園+ニッサン+大阪万博

今日、紅葉を楽しむために、久しぶりに六義園に行ってきた。江戸幕府第5代将軍・徳川綱吉の側近だった柳沢吉保の庭園だったところだ。紅葉は美しかったが、あまりにも人が多くて興醒めだった。石橋を渡る際には警備員がマイクで交通整理していて、一方通行で…

日本はもっと国際的な貢献を!

今週の前半に、シカゴの病院で銃の乱射事件があり、3人+犯人が死亡したと報道された。事件が起こった病院の所在地を調べると、シカゴのチャイナタウンの少し東側にあり、いつも通っていた高速道路に隣接する病院だった。南北でいうと、シカゴのダウンタウン…

膀胱がんに対する抗がん剤治療;温故知新

日露関係が一歩進みそうだ。相手の大統領は曲者なので、油断はできないが、ベストより、ベターでいいのでは?四島一括返還が大前提と言うが、大半の日本人は「そんな事が叶うはずがない」と思っている。現状を理解していれば当然だ。言霊主義にも限度がある…

標準化=マニュアル化、機械化、無味乾燥化?日本のがん医療

一昨日、福岡がん総合クリニック主催の講演会が、福岡で開催され、1時間の講演をさせていただいた。会場には500人前後の方が参加され、熱気を帯びていた。講演に参加された講師陣とも話をしたが、多くの進行がんケースでは、標準療法の先には暗黒の断崖絶壁…

免疫チェックポイント抗体治療はいつまで続ければいいのか?

Lancet Oncology誌の11月号に「Nivolumab plus ipilimumab or nivolumab alone versus ipilimumab alone in advanced melanoma (CheckMate 067): 4-year outcomes of a multicentre, randomised, phase 3 trial」というタイトルの論文が発表されている。 英…

抗免疫チェックポイント抗体療法は膀胱がん患者の膀胱温存につながるか?

「Journal of Clinical Oncology」誌のオンライン版に「Pembrolizumab as Neoadjuvant Therapy Before Radical Cystectomy in Patients With Muscle-Invasive Urothelial Bladder Carcinoma (PURE-01): An Open-Label, Single-Arm, Phase II Study」というタ…

BSフジ「プライムニュース」に出演して

テレビ出演が終わった。周りから「生放送ですよ!」「言った言葉は消せませから!」「中村先生、お願いしますよ」と何回も脅かされていたので、最初はかなり緊張していた。私の普段の言動は、余程、過激らしい。しかし、キャスターの方もしっかりと予習をし…

運動量をウエアラブルな装置でモニター

台中での学会で、運動量(歩数)をスマートウオッチで計測した結果に関する発表があった。数十万人分ものデータで、まず、女性の方が男性よりも歩数が少ないこと、20-30歳代をピークに加齢とともに運動量が落ちること、ニューヨークなどの公共交通機関が発達…

PARP阻害剤のBRCA1/BRCA2異常を持つ卵巣がんの顕著な増悪抑制効果

台湾の新幹線に初めて乗車して、台中にやってきた。迎えの車がどこにいるのかわからず、台中駅からタクシーでホテルにやってきたが約20分で1000円とお手頃だった。明日の朝10時から特別講演をする。羽田から台北の松山空港までは約3時間30分と沖縄に行くのと…

久しぶりの米国、久しぶりの弟子との出会い

6月にシカゴを離れてから、初めて米国にやってきた。といっても、日曜日の夜遅くに羽田発でロサンゼルスにきて、水曜日の朝5時に羽田に戻る強行軍だ。大事な案件は、顔を合わせて話をすべきであると考え、短い合間をぬって会議に参加したものだ。ビデオ会議…

調和と融合の日本癌治療学会

日本癌治療学会で特別講演をした。このような機会を与えていただいた会長の野々村祝夫先生に感謝である。講演の冒頭に、「この大会のテーマが『調和と融合』なので、私が適任かどうか、躊躇した」とジョークのつもりで言ったが、全く受けなかった。講演後に…

仙谷由人元官房長官逝く

仙谷元官房長官が肺がんで亡くなられたと報道されていた。55歳を過ぎた後の私が波乱万丈の人生を歩むことになったのは仙谷氏の影響が大きい。2010年に、国立がんセンターの研究所長に就任したが、このきっかけが仙谷先生との出会いだった。しかし、人間関係…

がん撲滅サミット

第4回がん撲滅サミットが11月18日に東京ビッグサイトで開催される(午後1時スタート)。https://cancer-zero.com/ 内閣官房・厚生労働省・国立がん研究センター代表が「がん撲滅への戦略」を語り、その後、私を含めた3名が「がん撲滅への戦術」を語ることに…

チャレンジしない・できない日本

9月27日、JAMA Oncology誌のオンライン版で「Combining Immune Checkpoint Blockade and Tumor-Specific Vaccine for Patients With Incurable Human Papillomavirus 16–Related Cancer: A Phase 2 Clinical Trial」というタイトルの論文が公表された。パピ…

「がんを治す」気概があるのか?

日本癌学会は今日で3日間の日程を終えた。1日目の午前-正午にかけての内閣府での会議に参加しなければならず、結局2日間の出席となった。わずか、5分のプレゼンであったが、1日間を費やしてしまった。この機会にいろいろな人と会う約束があったのが、3日間の…

がん治療革命

私は「がん治療革命」を起こしたいと考え、日本に帰国した。「革新」でも「改革」でもないことに重要な意味を持っている。フランス革命、ロシア革命に代表されるような革命では、短期間で社会体制がひっくり返った。それ以前の王朝が木っ端みじんに粉砕され…

国内で失われた希望を海外に求めるがん医療でいいのか?

K1の山本KID選手が胃がんによって、天に召された。私はある事情から、山本選手がグアム島で療養を受けていることを知っていた。死後、ネットに書かれた心ない言葉が議論になっていたが、彼は最後までK1選手としての復活を願っていた。そして、家族、特に幼い…

膵臓がん3年生存率15%

国立がん研究センターが「がんの3年生存率」を公表した。すい臓がんは依然として低く、15%という数字だ。これは現在の標準療法の限界を示す数字である。 国立がん研究センターのウエブページには ---------------------------------------------------------…

手術で摘出したがん組織は病院の所有物?

最近、ネオアンチゲン療法関係で多くの質問を受ける。フライデーの連載はインパクトは大きいようだが、裸の写真に挟まれていることで、多くの医療関係者の受けはよくないというか、悪い。しかし、草の根運動的に、がん医療の動きを伝えることは必要だ。フラ…

免疫チェックポイント抗体の効果予測をリキッドバイオプシーでする!?

「Nature Medicine」誌に「Blood-based tumor mutational burden as a predictor of clinical benefit in non-small-cell lung cancer patients treated with atezolizumab」というタイトルの論文が掲載されていた。Atezolizumabは免疫チェックポイント抗体…

がん患者や家族の声を聴く

フライデー効果のためか、以前より患者さんの声がたくさん届く。再発への不安もあるが、最も多いのは、標準療法が終わると同時に、医師から見捨てられたと感ずる理不尽さとそれに対する怒りだ。繰り返し述べているが、標準化は必要なことだったが、その先が…