HLAの多様性が免疫チェックポイント抗体の効果に影響?

Nature Medicine誌に「Evolutionary divergence of HLA class I genotype impacts efficacy of cancer immunotherapy」というタイトルの論文が発表されている。端的に言うと、HLAクラスIの多様性とがん免疫療法(免疫チェックポイント抗体療法)の効果に関連…

刺青にメスを入れないで

岩下志麻さんが出演していたこともあり、昨夜「ドクターX」を見た。2004年に紫綬褒章を受章した際に、同時に受章されたのが岩下志麻さんだった。読売新聞にインタビューを受けた記事が並んで掲載された際には、私の部下に「極道と姉御」の対談かとからかわれ…

スマートウオッチで心房細動を見つける

今日のNew England Journal of Medicine誌に「Large-Scale Assessment of a Smartwatch to Identify Atrial Fibrillation」というタイトルの論文が掲載されていた。内閣府の「AIホスピタルプロジェクト」でも、「簡便で非侵襲なウエアラブルな装置を用いた方…

意義の大きいKRAS阻害剤開発!

Nature誌に「The clinical KRAS(G12C) inhibitor AMG510 drives anti-tumor immunity」という論文が掲載された。この薬剤はKRASタンパク質の12番目のアミノ酸がグリシンからシステインに代わっているものにだけ共有結合して、KRASタンパク質のがん促進機能を…

がんの免疫療法にはCD4細胞も重要だ!

台風19号のため、メキシコシティで2日以上足止めを食らった後遺症が残っていて、体のだるさが取れない。ダメージが残っている中を、2週間で、草津(滋賀県)、福岡、松山、大阪と1泊2日の講演出張を4回もこなしたこともあり、体の芯に疲労が蓄積している。1…

人がどんな病気なのかを知るよりも、病気の人がどんな人なのかを知る方が大切だ

今、福岡から戻ってきた。今日から始まった日本癌治療学会での冒頭の医療用AIについてのセッションで話をした。時間は限られていたので、内閣府のAIホスピタルプロジェクトの全体を話する時間はなかった。プロジェクトが正式に立ち上がって1年で、かなりの…

即位礼正殿の儀

「即位礼正殿の儀」の様子を身が引き締まる思いでテレビで拝見した。2千年に渡る日本の伝統の荘厳さが伝わってきた。儀式が始まる頃、東京の上空に美しい180度の虹がかかっていた場面が紹介されていた。陛下が、お言葉の中で、上皇陛下が祈念されていた…

内閣府「人工知能ホスピタル」プロジェクトー7

頭がボーとした状態で飛行機に乗り、Wi-Fiから遮断された機内に15時間もいたので(今時珍しいWi-Fi設定のない飛行機だった)、台風19号に関する被害状況がここまで大きいとは思わなかった。帰国後は惰眠を貪っていたが、夜になってニュースを見るとその…

台風によるフライト大混乱と火事場泥棒的飛行機料金

台風19号で被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。 台風による自然災害であったので、仕方がない側面はあるが、今回の台風による空港会社の対応はひどいものだった。特に、火事場泥棒的な料金設定には、「困った時に人助け精神」の欠片もない。前…

メキシコから戻れず:台風19号

昨日の正午ごろまで、メキシコから東京に戻るフライトは出発予定となっていたが、午後3時過ぎに突然キャンセルの連絡が届いた。台風の動きが早くなったためと思われるが、完全に読み間違いだ。札幌着でもいいので、日本に向かって欲しかった。明日のフライ…

親日国メキシコ

今、メキシコシティーに滞在している。シカゴから日本に戻ってから、最も遠くへの出張である。直行便であるが、飛行時間12時間はやはりかなり厳しいものがある。おまけに、何があったかわからないが、空港に出入りする道路が閉鎖されており、迎えの車に乗…

内閣府「人工知能ホスピタル」プロジェクトー6

診療現場で一番多いクレームは、待ち時間です。予約時間に行ったのに待たされるというものです。来院時にブザーを渡して、時間が来るとブザーを鳴らして呼び出す病院もありますが、持たされたブザーがいつ鳴るか分からないと、うかうかとトイレにも行けませ…

内閣府「人工知能ホスピタル」プロジェクトー5

このプロジェクトで一番大きな課題はセキュリティです。このセキュリティを解決するために、1人の患者さんの情報をクラウドに分散して置く秘密分散方式でのデータベースの構築は、今では、技術的には可能です。分散した情報をもとに秘密計算していく、解析…

内閣府「人工知能ホスピタル」プロジェクトー4

ワールドカップで、日本がアイルランドを19-12で破った。高校ではラグビーの授業が多かったので、ラグビーには親和性が高い。それゆえ、同じ高校から京都大学に進学した人たちはラグビーならぬ、アメリカンフットボールを選んだ人も少なくない。 試合の最後…

内閣府「人工知能ホスピタル」プロジェクトー3

それから、最先端の情報を共有するという非常に重要な課題への対応が必要です。技術革新によって、急速に情報量が増えてきているので、専門家でも、必要な情報にすべて目を通すことができなくなってきています。必要な情報かどうかは、目を通さないとわから…

内閣府「人工知能ホスピタル」プロジェクトー2

医療現場では、多くの領域で人工知能やIoTが必要なですが、私が考えたAIの一部を紹介します。日本で非常に大きな課題となってきているのは、正確な画像診断・病理診断です。私は当初、画像を読んでいる人、病理を読んでいる人の頭の中にあるアルゴリズムを人…

内閣府「人工知能ホスピタル」プロジェクトー1

内閣府のAIホスピタルプログラムで、今どのようなことを行っているのかを、これから説明したいと思います。このプログラムは、「Society 5.0を実現する」ことから始まっています。12プログラムのうち、健康医療に関しては、このプログラムしか採択されていま…

がん撲滅サミット+定価より高い中古本

第5回がん撲滅サミットが11月17日の午後1時から開催される。この開催に向けて奔走されているのが中見利男さんという作家である。今年は慶応大学の外科教授であった北島政樹先生を大会長として開催される予定であったが、北島先生の突然の逝去によって、北島…

ゲノム編集食物と遺伝子操作食物;何が違うの?

ゲノム編集食物(農産物や魚類)に関する報道があった。血圧を下げるトマト、肉厚の鯛などが取り上げられていた。「ゲノム編集」と目新しい言葉を使っているが基本的には「遺伝子操作」の一種に過ぎない。不思議なことに、遺伝子操作食物では激しい反対論が…

「がん消滅」

「がん消滅」という、小松左京氏の「日本沈没」ような、SFチックなタイトルの講談社α新書が、今日20日から書店に並ぶ(かもしれない?)。恥ずかしながら、私が著者である。読者の手に取ってもらう処から始まるので、出版社が目を引くようなタイトルにしたも…

危機管理は最悪を想定すべきでは?

台風15号の影響が大きく、千葉県の一部では依然として停電・断水が続いている。当初の東電の甘い復旧予測が、結果として、復旧の遅れにつながっているようだ。鉄道の計画運休も安全対策として重要だが、甘い再開予測が、月曜日の朝の大混乱につながってしま…

リキッドバイオプシーで薬剤抵抗性も腫瘍の多様性もわかる

今月号のNature Medicine誌に「Liquid versus tissue biopsy for detecting acquired resistance and tumor heterogeneity in gastrointestinal cancers」というタイトルの論文が公表されている。結果は、以前から紹介している「リキッドバイオプシーの応用…

20歳で旅立った青年、そして医療基本法

蒲田駅に行きつけのマッサージ店があるので、時々出かける。西口にあるドン・キホーテを目にするたびに、20歳の若さで大腸がんで旅立っていった青年の顔が脳裏をよぎる。 1年ほど前に、その青年が、郷里の友人から送ってもらったブドウを私にも食べて欲しい…

リキッドバイオプシーへの期待と最大の課題;血液細胞のクローナル増殖

リキッドバイオプシーを利用したがん診断が実用化されるのは時間の問題である。がん組織が得られない場合でも、安全に薬剤の選択ができるので、患者さんにとっては有用な方法である。また、治療効果の判定・術後のがん細胞の残存や再発の超早期診断へ利用可…

同性をパートナーに選ぶ遺伝子?

いつまでも暑さが続いている。シカゴにはなかった、この纏わりつくような蒸し暑さでかなりへばっている。特に8月後半からの20日間で出張が6回もあったので、背中も、腰も悲鳴を上げている。体重も過去40年で最小になった。そのためか、血糖は正常に戻ってき…

移動中のストレス

海外の学会からの招待が多いが、欧米には往復の時間を含めると4日間が必要だ。しかし、最近は忙しいうえに、定期的な会議があるため、この時間の確保が意外に厳しい。友人からの依頼であった場合、最悪の場合には1泊3日でも、とは思うが、この歳になると健康…

Will China lead the world in AI by 2030?

「Will China lead the world in AI by 2030?」というタイトルのコメントが先週号のNature誌に掲載されていた。AI(Artificial Intelligence)、人工知能は社会変革をもたらす技術であり、ヘルスケア、交通・輸送、コミュニケーションに大きな変化を引き起こ…

自殺から考える。この国は人を大切にしているのか?

今、札幌千歳空港にいる。水曜日から木曜日までは蒸し暑い高知だったので、老体には少し厳しい。特に、昨日の札幌の最高気温は19度と、この温度差に適応するのは容易でない。今日の夕方には東京で講演があり、これが今週4回目の講演となる。まさに、どさ周り…

滑膜肉腫に対する抗体療法

フランスで第1相試験を終え、日本で開始しようと考えていた、滑膜肉腫に対するイットリウム(放射性同位元素でベータ線を放出する)を結合した抗体治療がようやく始まる。8月15日にオンコセラピーサイエンス社がプレスリリースしたものだ。 研究を開始したの…

頭に来てもアホとは戦うな(2);アオリ運転犯人―高校の後輩とは?(;´д`)トホホ

アオリ運転がメディアを賑わせている。2-3回、画面を見たが、どうしようもない人間だと思うしかない。事情はよく分からないが、何処から見ても異常行動だ。私も40年前に、自宅に戻る途中で、蛇行運転していたトラックにクラクションを鳴らしたところ、幅寄せ…