アナウンサーの上から目線「ライフラインの復旧は遅くないのか!」に腹が立った

今日の公共放送のニュースで、記者が馳浩・石川県知事に「ライフラインの復旧は遅くないのか!」と批難口調で言っていた。どこを見て、そんな言葉が出てくるのかと腹が立った。馳知事とは何度かお会いしたことがあるが、何事にも真摯に向き合う非常に誠実な政治家だ。この2週間でかなりやつれた印象があり、少し心配だ。知事に限らず、いろいろな人たちが昼夜いとわず、一生懸命に取り組んでいるのに、この言い草はなんだろう。

 

このアナウンサーはNHKニュースを見ているのだろうか?道路が土砂崩れや陥没で寸断されており、車の通行もままならない状況を見れば、水道管などもズタズタになっていると容易に想像がつくはずだ。まずは、道路の復旧から始めなければ、ショベルカーなどの重機や水道管も運べない。能登半島の北側を中心に数メートルも隆起しているのだから、水道の復旧や電線を元に戻すことは簡単ではない。道路を平たんにするための砂利を運搬している人も、トレーラーの中の2畳ほどのスペースに二人で寝泊まりして作業している映像が流れていた。

 

余震が続き、土砂崩れなどの危険と隣り合わせの状態に加え、寒さや雪で種々の作業が手間取っているのは致し方ないことだ。馳知事の「能登を元通りにする」という言葉を信じてみんなで応援するのがわれわれの務めだ。取材と言う名のもとに、土足で踏み込み、挙句の果てに上から目線で何を偉そうに言っているのだ!と思う。

 

そして、最も心配なのは、被災者の方々の体の健康と心の健康だ。タイとインドネシアの地震・津波の被災者の約20%がPTSDに罹患したとの報告がある。住む家を失い、家族を失い、友人を失って、心の痛手を負う中で、ストレスの多い避難所生活を送っている被災者が健康を維持して、心の平穏を保つことを心から願っている。被災者の方々が、元通りの生活を取り戻すには長い時間がかかると思うが、それまでは温かい心の支援が大切だ。