2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

利益と不利益の狭間で考えること

Nature誌の速報として、「T-cell Lymphoma and Secondary Primary Malignancy Risk After Commercial CAR T-cell Therapy」というタイトルの論文が報告されている。2023年11月23日にFDAが、CAR-T細胞後にCARを導入したT細胞が関連するがんが多いこと…

アメリカの下院委員会で、中国系?バイオ企業を締め出し!

1月26日のGenomewebというウエブサイトに「Congress Introduces Bill to Prevent Medical Providers From Using BGI, MGI, and Affiliates’ Products」というタイトルの記事が掲載されている。 BGIグループは、今は深センに拠点があるが、もとは北京ゲノム研…

AIやデジタルは万能ではない!

1月18日のNature誌のニュース欄に「Fingertip oxygen sensors can fail on dark skin — now a physician is suing」と「Medical AI could be ‘dangerous’ for poorer nations, WHO warns」という記事が掲載されている。 前者はコロナ感染症の流行で一般で…

フェイク論文工場の根絶へ

能登半島の方々は厳しい冬を過ごしておられるのに、この国の政治は何をしているのだろうと思う。派閥の会長を辞めたはずの人が、派閥の解散を声高に主張する。総理大臣を辞職した政治家が、内閣の総辞職を宣言することができないのと同様に違和感がある。こ…

青少年の薬物過剰摂取問題

1月11号のNew England Journal of Medicine誌に「The Overdose Crisis among U.S. Adolescents」という記事が掲載されていた。最近、わが国でもメディアなどで薬剤の過剰摂取(オーバードーズ)が取り上げられているが、米国では青少年のオーバードーズが…

アナウンサーの上から目線「ライフラインの復旧は遅くないのか!」に腹が立った

今日の公共放送のニュースで、記者が馳浩・石川県知事に「ライフラインの復旧は遅くないのか!」と批難口調で言っていた。どこを見て、そんな言葉が出てくるのかと腹が立った。馳知事とは何度かお会いしたことがあるが、何事にも真摯に向き合う非常に誠実な…

細菌叢研究は数百万人の子供の命を救う??

1月11日号のNature誌のコメント欄に「Boosting microbiome science worldwide could save millions of children’s lives」という記事が掲載されている。 われわれの体表や体内には多くの細菌が存在している。環境や食事内容によって腸内細菌叢(細菌の種類や…

なぜ、能登半島地震の被害全貌把握は遅いのか?

地震の被害、津波の被害が日々伝えられているが、なぜ、全貌把握がこれほどまでに遅いのか疑問だ。能登半島西の輪島市中心部から、東の珠洲市までわずか40-50キロメートルだ。元旦の夜に衛星から見れば停電の状況はすぐに把握できたはずだし、2日朝からヘリ…

神戸の医師過労死問題は救急医療崩壊の引き金となるか?

あけましておめでとうございます。 と新年を祝う間もなく、元旦に令和6年能登半島地震が起こった。そして、2日は羽田空港で日航機と海上保安庁機の事故が起こり、飛行機が炎上している衝撃的な画面を目にした。まさに、波乱の幕開けとなった2024年だ。羽田空…