米国友人の嘆き;関西空港は米国の空港より悪い

大阪で開催された「がん撲滅サミット2023」で、久しぶりに米国の友人に出会った。彼は開口一番「関西空港の入国手続きは最悪だ」と私に訴えた。「どうして日本のメディアは、この劣悪なシステムを問題にしないのだ」と一気に私に畳みかけた。私はメディアの人間でもないし、入国システムを管理している人間でもない。普通の一介の研究者に過ぎないので、外国人の日本入国システムをチェックできるはずもない。

 

彼の言い分を簡単にまとめると以下のようになる。飛行機を降りると指紋検査があり、機械の性能が悪いうえに、担当も機械のことがよくわかっておらず、とにかく時間がかかる。テロ対策はわかるが、他人の接触した指紋認証機に指を置くのは感染対策としてはけしからん。そして、入国審査で、また、指紋の登録をさせられる。他人の指紋など、ネットで簡単に購入して貼り付けることができるのに、どうして、顔認証にしないのだ。入国に約1時間要したので不満が溜まっていたようだ。

 

私もグリーンカードを取得するまでは、シカゴ国際空港で2時間程度の待ち時間はザラにあったので、それほど怒らなくてもと思ったが、米国人はヨーロッパやイスラエルなどの友好国では恵まれているのでこのような目に会ったことがないので、腹立たしい気持ちはわからなくはない。2度も指紋検査を受けるとは知らなかったので、これには少し驚いたが、可能性としては一度目に採取した指紋を調べて怪しい人物を割り出すための時間稼ぎではないかと推測する。

 

自分のパソコンの顔認証は瞬時でできるが、数万人単位か、数十万人単位の怪しい人物との照合はそれなりに時間がいるので、こんな面倒なことをしているのだろうか?2回も指紋を採取する理由はよくわからない。いずれにしても、入国審査時の不快さは、その国に対するイメージを非常に悪くするので国として重要だ。私は、かつて、米国に入国する際、旅行業者のタイプ打ちした字が薄いので、書き直せと言われたことがあるが、読めない薄さでもなかったので、明かな嫌がらせ行為だと思った。

 

これ以外にも、シカゴ空港から日本に帰国する際に、ズボンのポケットにハンカチを入れたままにしてX線検査を受けて、別室に連れていかれたこともある。ポケットからハンカチを取り出そうとしたら「動くな!」と脅かされた。サンフランシスコ空港で背中にホッカロンをつけたままでX線検査を受けた時には、もう一度と言われ、背中からホッカロンを外して取り出した際には係官から笑われたが、無事通過となった。爆弾を抱えてテロを起こす人がいるので対策上仕方がないのだろう。

 

9月、10月と訪問した台湾での入国審査はスムースだったので、当然ながら、入国時点で心軽やかだった。テロリストなどの変な人たちが入国するのは嫌だが、チェックが行き過ぎると、普通の旅行者が不快な思いをする。国の玄関で働く人は国の顔であることを理解して対応して欲しいものだ。