医療(一般)

大腸がん診断後でも遅くない;繊維性食品を食べよう

1ヶ月少し前のJAMA Oncology誌に「Fiber Intake and Survival After Colorectal Cancer Diagnosis」というタイトルの論文が発表された。ステージ1-3期の1575名の大腸がん患者を追跡調査し、食物繊維摂取量と大腸がんによる死亡率やすべての要因での死亡率(…

経口ホルモン避妊薬は乳がんリスクを高める?!

今週の「New England Journal of Medicine」誌に、経口ホルモン避妊薬と乳がんのリスクを解析したデータが報告されていた。デンマークの15-49歳の全女性を追跡した結果である。デンマークの2016年度の人口は約570万人であり、この論文の対象とな…

教育と知識ギャップ

今、羽田空港にいる。土曜日に羽田空港で飛行機を降りて、まだ、60時間しかたっていない。9月の後半からの2か月間で4往復は考えていたより、体に負担がかかる。しかし、今回は「がん患者さんや家族のために何かができれば」と思って東京にやってきた。最後の…

がん患者さん・家族・団体への恩返しのために

今年の日本の勤労感謝の日と米国のThanksgiving Dayは同じ日となった。勤労感謝のも日が11月23日に固定されているのに対し、米国のThanksgiving Dayは11月の第4木曜日となっているので、5-6年に一度しか同じ日にちにはならない。この頃から、正月明けまで、…

リキッドバイプシーで免疫治療の効果予測?

10月号の「Clinical Cancer Research」誌に「Hypermutated Circulating Tumor DNA: Correlation with Response to Checkpoint Inhibitor–Based Immunotherapy」(免疫チェックポイント抗体治療法の効果が、血漿中DNAに遺伝子異常が高頻度に検出されることと関…

5年間のホルモン療法後の長期間乳がん再発率;厳しい現実を前にして

先週号の「New England Journal of Medicine」誌に「20-Year Risks of Breast-Cancer Recurrence after Stopping Endocrine Therapy at 5 Years」(5年間でホルモン療法を止めた後の、20年間にわたる乳がん再発リスク)というタイトルの論文が報告されていた…

基礎も臨床も「木を見て森を見ずに」ならないように

今、羽田空港にいる。高松宮妃がんシンポジウムに3日間参加したが、3日間座り続けるのは結構きつかった。しかし、腫瘍微細環境について、かなり色々なことを勉強できた。私は腫瘍環境の中におけるT細胞やB細胞の話に絞って話題を提供したので、他人のことは…

第13回がん患者大集会(11月26日)

今、オヘア空港にいて、東京に向かうところである。9月の終わりから、日本癌学会、日本癌治療学会と続いたが、今回は高松宮妃癌シンポジウムに参加するためだ。シンポジウム終了後すぐにシカゴに戻るが、今月末には、再度「がん患者大集会」(11月26日午後1…

プレジョン医療導入の壁

一昨日に続き、昨夜も近辺で路上強盗があった。しかも、午後8時から10時30分の間に4件もだ。犯行グループは二つのようだが、二件は私の通勤路のすぐそばで起こった。シカゴに来て6年目だが、年間5件程度であったものが、2日間で6件も起こったので、なんとな…

腸内細菌と免疫システム

シカゴもようやく平年並みの気温になり、朝の出勤には真冬のコートが必要となってきた。明日の最低気温予想は0度であり、氷点下になる可能性もある。寒さは苦手だが、6度目の冬を迎えるので、体の備えも、心も準備もできている。しかし、懸念されるのは治安…

オピオイドの社会問題化と米国路線、保安検査の厳格化

疲労困憊で羽田から飛行機に乗り込み、機内で熟睡したためか、全く時差ぼけがない。風邪薬の影響もあるのだろうが、食事後に一気に眠りに落ち、目覚めた時には到着まで2時間を切っていた。約束していた論文の見直しが機内ではできなかったが、時差ぼけがない…

嵐の前の静けさ

前回の日本癌学会の際には、直前のベトナム訪問の食中毒を引きずり、今回の日本癌治療学会時には風邪で咳と熱に苦しみ、散々な日本出張が続いている。今、羽田空港で、これからシカゴに戻るところだが、階段を上がると息切れがする。少し回復はしてきたが、…

がん治療を変革する「ネオアンチゲン」と「リキッドバイプシー」

Google Scholarで「ネオアンチゲン」「リキッドバイオプシー」を検索すると、前者は2013-2015年間で約1670件ヒットしたのに対し、2016年1390件、2017年は今日の時点で1430件であった。「リッキドバイプシー」は2013-2015年で1200件のヒットが、2016年13,800…

ゲノム研究を過小評価した罪は大きい!

今週号のNature誌に、まれな遺伝子多型(非常に少数の人で見られる遺伝暗号の違い)が、遺伝子の発現レベルに影響しているという論文”The impact of rare variation on gene expression across tissues”が報告された。Genotype-Tissue Expression (GTEx)(遺…

シカゴに戻る;民間でがん治療を動かそう

ハノイ・東京(正確には横浜)11日間の出張を終えて、ようやくシカゴに戻ってきた。帰国日も朝から会合、そして、1時間の講演会をこなし、夕方の成田―シカゴ便で午後3時頃にオヘア空港に戻ってきた。 土曜日の夜に、友人であるJun Wang氏(前Beijing Genome …

医療事故を起こす医師は謙虚でないのか?

ネットニュースを見ていると「下手過ぎる医師の恐怖、病室の惨劇はこうして起きた」というタイトルの記事があった。群馬大学付属病院で起きた医療事故に関して、首藤淳哉さんという著者がコメントをしていた(JB Press)。最後のほうに、「医療事故によって…

膵がんのリキッドバイオプシーは難しい?

テキサスを襲った台風の傷が癒える間もなく、強烈な台風がフロリダ半島に迫っている。この台風は、カリブ海の国々に大きな傷跡を残し、米国に迫っている。日本からは遠く離れているが、是非、復旧の支援をして欲しいと願っている。そして、フロリダでは、ト…

子宮頸がんワクチン報道;科学的素養に欠けるメディアの愚

前回に続き、日本のメディアに欠ける科学的素養について、子宮頸がんワクチンをテーマに述べたい。8月26日付けの毎日新聞が「 子宮頸がんワクチン ウイルス感染に9倍の差 再開求める」との日本産科婦人科学会の声明を報道した。一方、NHKは「子宮頸がんワク…

臍帯血輸血で逮捕;日本のメディアは最低だ?

民間クリニックが他人の臍帯血を国に無届けで投与していた問題で逮捕された。面白いことに、メディアによって取り上げる角度が微妙に異なる。「再生医療安全性確保法」違反には間違いないが、無届けで行われたことが問題なのが、白血球の型(HLA)が合わない…

相対する事実(Alternative facts)時代における医学教育への課題

8月21日号の「New England Journal of Medicine」誌に「Medical Education in the Era of Alternative Facts」という論文が掲載されていた。気に入らないニュースを「フェイクニュース」と批判し、捻じ曲げた妄想を「Alternative Fact」として主張する時代が…

リキッドバイオプシーはがん医療変革につながる!

先週号の「Science Translational Medicine」誌に「Direct detection of early-stage cancers using circulating tumor DNA」(早期段階のがんでも、血中を流れているがん細胞由来のDNAを利用して検出できる)というタイトルの論文が掲載された。 このブログ…

某新聞社の無神経記事

私は絶対に某新聞系の記事は読まないが、ネットニュース記事のタイトル「女子マネジャー死亡、『呼吸』誤解? AED使ってれば」に目を取られて、思わず、読んでしまった。そして、腹が立った。 新潟県のある高校の野球部の女子マネジャーがランニング直後…

効果があるのか?ないのか?

先週号のNew England Journal of Medicine誌に「Olaparib for Metastatic Breast Cancer in Patients with a Germline BRCA Mutation」という論文が掲載されていた。PRAPはDNA修復などに重要な分子であり、このPARP阻害剤、オラバリブ(Olaparib)は一部のタ…

いつから医者は大丈夫と言えなくなったのか?

「コードブルー」という番組を見た。ネットに泣かせる話と書いてあったが、子供の心臓移植を待っている医師家族の姿は、確かに胸にジーンときた。しかし、私はこの番組の中に隠された意図を感じた。単なる救急ヘリの物語ではなく、今の医療の抱えている課題…

医療機関はサイバーアッタクに備えを!

昨日は、14度まで温度が下がった。普段と同じようにスーツの上下を着て行ったのだが、北風が吹いていることもあり、アパートを出た途端、「寒ゥ~」という感じだった。もっと暖かくしてとも思ったが、面倒なので、そのまま大学に向かったが、手がかじかんで…

「ゲノム編集で遺伝病を治療する」の愚

Nature誌に「Correction of a pathogenic gene mutation in human embryos」という論文がオンラインで公表された。受精卵に存在する遺伝性疾患の遺伝子異常部分を、ゲノム編集という手法を利用して正常遺伝子に置き換えることに成功したという話だ。私は、科…

早期前立腺がんに手術は必要か?

先週号のNew England Journal of Medicine誌に「Follow-up of Prostatectomy versus Observation for Early Prostate Cancer」というタイトルの論文が報告されていた。著者たちは、以前にも「早期前立腺がんは手術をしてもしなくても生存率に差はない」と報…

日本医療研究開発機構(AMED)に問う(2)

今日、東京医科歯科大学で「がんプレシジョン医療」のシンポジウムがあった。そこで、このブログでのAMEDに対するコメントが話題になっていると聞いた。繰り返すが、審査員の質を確保することなく、競争的資金の健全性・公平性が保てるはずがない。申請書を…

日本医療研究開発機構(AMED)に問う;審査員の質を評価せよ!

今、羽田空港にいる。シカゴに戻るのは1週間後で、これから台湾に行くためだ。台北医科大学の客員教授をしており、1年に一度は台北を訪問している。今週の始めに夏風邪を引いてしまい、半ばあたりは、体調が最悪だったので、少し厳しいものがあるが、今日の…

Make Our Plant Great Again

トランプ大統領のパリ協定離脱宣言、解雇されたFBI元長官の議会での公聴会など、政治の話題が尽きない米国だ。G7や中国の首脳も、米国のパリ協定からの離脱を非難していたが、その中でも洒落た一言でトランプ大統領を皮肉っていたのが、フランスのマクロン新…