医療(一般)

日本医療研究開発機構(AMED)に問う(2)

今日、東京医科歯科大学で「がんプレシジョン医療」のシンポジウムがあった。そこで、このブログでのAMEDに対するコメントが話題になっていると聞いた。繰り返すが、審査員の質を確保することなく、競争的資金の健全性・公平性が保てるはずがない。申請書を…

日本医療研究開発機構(AMED)に問う;審査員の質を評価せよ!

今、羽田空港にいる。シカゴに戻るのは1週間後で、これから台湾に行くためだ。台北医科大学の客員教授をしており、1年に一度は台北を訪問している。今週の始めに夏風邪を引いてしまい、半ばあたりは、体調が最悪だったので、少し厳しいものがあるが、今日の…

Make Our Plant Great Again

トランプ大統領のパリ協定離脱宣言、解雇されたFBI元長官の議会での公聴会など、政治の話題が尽きない米国だ。G7や中国の首脳も、米国のパリ協定からの離脱を非難していたが、その中でも洒落た一言でトランプ大統領を皮肉っていたのが、フランスのマクロン新…

ASCO (米国臨床腫瘍学会)2017

今日は6月1日。亡き母の18回目の命日だ。亡くなる前日に母と交わした会話は今でも鮮明に脳裏に焼きついている。母の厳しかった闘病の姿が、抗がん剤を開発したいという強い想いを持ち続けることができる最大の原動力だ。私は母が19歳の時に生まれたので、来…

高齢進行がん患者、姥捨て山論への伏線か?

時差ボケがひどい。今朝は午前3時に目が覚めた。昼過ぎには目を開けていられず、思わず、眠りに落ちたが、自分のいびきで目が覚めた。短い出張の中、動きすぎたためか、体は鉛のように重くなっている。そんな中、家に帰ってネットニュースを読み、頭に血が上…

抗がん剤の適応できない尿路がんに抗PD-L1抗体薬が第1選択

米国FDAがシスプラチンが適用とならない局所進行、あるいは、再発尿路がんに対する抗PD-L1抗体(atezolizumab)を第1選択薬として使用することを承認した。これはIMvigor210と呼ばれる119名の患者に対する第2相試験の結果である。この試験では、コントロール…

医師の燃え尽き症候群を救うには、書記係が?

ユナイテッド航空にまつわる話が続いている。結婚式に行く予定のカップルが、飛行機に最後に乗り込んだところ、自分たちの座席に横たわっている乗客がいたため、前方の席に座った。普通のエコノミー席より少し広い座席だったので、追加料金を払うと申し出た…

風雲急を告げる朝鮮半島

前回のブログで少しだけ紹介したユナイテッド航空の事件は、世界的なニュースとなり、依然として余波が続いている。引きずりおろされた乗客は、鼻骨と前歯2本を折っていたそうで、訴訟に発展しそうだ。ユナイテッド航空のトップが職員向けに送ったメールで、…

「All of Us Research Program」

「The Precision Medicine Initiative Cohort Program」(プレシジョン医療コホート計画) が「All of Us Research Program」 と名を代えて活動を広げようとしており、シカゴでもようやく機運が高まりつつある。2015年にオバマ前大統領が、プレシジョン医療…

小児がんの医薬品開発のための課題

ようやく時差ぼけが取れてきたが、17日にはシカゴを発ち、再度日本を訪問する。今回は北京で21日から開催される国際胃がん学会のオープニングセッションで免疫療法の話をすることが主目的だが、19日の午後には、立命館大学の草津キャンパスで「がんと闘い続…

性的嗜好と咽頭部がんをつなぐパピローマウイルス

一昨日のワシントンポストが、「性的な嗜好が、咽頭部がんなどのリスクを増す」という特集を組んだ。俳優のマイケル・ダグラスが、4年前に、「自分のがんに性的嗜好が関係する」可能性を告げた際には、ほとんどの人が間違った情報を伝えられたのではないかと…

がんプレシジョン医療;がんの治癒を目指して(3)+シカゴ5周年

今日はシカゴに来て5年目の記念日だ。いろいろな想いがあって日本を飛び出し、矢のように時間が流れた。日本にそのままいれば、定年後の生活を考え始めていたのだろうが、米国の実情を知り、日本を遠くから眺め、日本のがん医療の将来に対する不安がますます…

がんプレシジョン医療;がんの治癒を目指して―(2)

プレシジョン医療には、当然ながら予防や早期発見も含まれる。肝炎ワクチンやパピローマワクチン(現在では、子宮頚がんだけでなく、頭頸部癌の予防につながると考えられている)など有効な手段だ。そして、個人ごとの遺伝的リスクに応じた、がん予防プログ…

リレ―フォーライフ@東京医科歯科大学

今、羽田空港にいる。昨日は久々にリレーフォーライフに参加していただいた。患者さんや家族の方と触れ合うと刺激になる。米国のように、患者さんたちと医師・研究者が一体となった行動を起こすことが必要だと思う。滞在中、プレシジョン医療という言葉も広…

がんプレシジョン医療;かんの治癒を目指して(1)

今、金沢から東京へ向かう新幹線の車中にいる。自宅が羽田空港に近いので、今朝は飛行機で金沢に向かったが、夕方は東京駅近辺で用件があるため、新幹線にした。北陸新幹線に乗るのは初めてだ。この列車は東京まで3時間かかるので、結構体にはきつい。でも、…

革新的技術と規制+トランプ政権NIH予算カット

昨日は先進医療推進フォーラムに参加した。私を含め、3名ががんに関係する話、1名が心臓の再生医療に関わる話だった。最初の演者が、「がんには3大治療があり、外科、化学療法、放射線療法だ」と発言した時には、愕然と、ずっこけてしまった。私も、私の次の…

ムーンショット計画の行方

バイデン前副大統領が久々に公の前でスピーチをして、「私はがんを克服する大統領になりたかった」とコメントをした。そこれ気になるのが、がんの治癒を目指す「ムーンショット計画」の行方だ。計画に携わっている人によると、トランプ大統領も計画の内容自…

がん細胞の異質性とがん治療薬の選択

まず、初めに、先週の土曜日に、総アクセス件数が200万回を超えたことをお礼申し上げます。実は、この数字を区切りにブログに一区切りつけようと考えてきました。しかし、リアルタイムで起こっていることを正確にわかりやすく伝えていくことが重要だとアドバ…

がんと闘う主役は患者さんと家族

一昨日の木曜日には、シカゴ市内で銃による殺人事件が7件発生した。トランプ大統領が翌日ツイッターで"Seven people shot and killed yesterday in Chicago. What is going on there - totally out of control. Chicago needs help!"とつぶやいたそうだが、…

科学の信頼を揺るがす論文出版ビジネスの巨大化

シカゴは依然として暖かい。昨日も過去の最高気温記録(11度)を8度も上回る19度であった。2月に入って、数時間だけ雪がちらついたが、本格的な雪景色にはならず、今後1週間も雪の予報はないので、2月に積雪なしという珍しい光景だ。 そして、昨日の内科講演会…

重度の肥満+糖尿病に外科手術!?

昨日は、過去最高気温を更新して19度まで気温が上がった。今日は2時現在、20度で、まるで米国の株価のように連日の記録更新だ。あと1週間程度非常に暖かい気候が続き出そうで、この間さらに2-3日は記録を更新する暖かさになりそうだ。この時期には珍しい晴…

肝胆膵がんの治癒率向上のための戦略

全国がん(成人病)センター協議会ががんの臓器部位別10年生存率を公表した。がんは高齢になるほど多く、別の病気で亡くなる場合もあるので、この数字はがんで亡くなった患者さんを元に補正されたものだ。がん全体の10年生存率は58.5%であり、がんを治癒で…

2016年度に米国FDAによって承認された新規薬剤

2106年度に承認を受けた新規薬剤のリストを下記にまとめた。ニボルマブ(抗PD-1抗体)などの適応拡大(2017年2月2日には膀胱がんに対して承認された)は進んでいるが、これらの適応拡大されたものはこのリストには含まれていない。全く新規の薬剤としては、2…

プレシジョン医療・人工知能の可能性とそれに挑む覚悟

今、羽田空港にいる。2日間で10を超える会議・会食に参加して、少々くたびれた。多くの人と話をしたり、昨日のがん研究会とフロンテオヘルスケアとのプレス発表に参加して、「プレシジョン医療」という一言だが、人によってその意味するところは、かなり差…

オバマケア法案廃止?+医薬品貿易赤字2兆円超

今日の「New England Journal of Medicine」誌に「Repealing the ACA without a Replacement — The Risks to American Health Care」(オンラインでは1月6日公開)というタイトルの論文が掲載されていた。ACAとは“Affordable Care Act“、通称、オバマケア法…

若い乳がん患者パートナーの心理状態?

シカゴは1日だけ晴天で異常に暖かい日があったが、翌日から、また、どんよりとした気持ちが落ち込むような天気が続いている。プレシジョン医療を推進するために、日々、仕事に追われて疲れているので、せめて天気くらいはすっきりして欲しいと思うが、今週一…

がん医療を患者さん主導で動かす時だ!

昨日は、突然、晴れ上がって気持ちがよかったが、今朝は乳濁色の霧に包まれている。窓の外の景色からは完全に遮断されている。昨日は、最高気温が16度まで上昇した。もちろん、華氏ではなく、摂氏でだ。平均最高気温がマイナス2度、過去最高気温が5度の状況…

日中の若者の意識差

シカゴは、まるで日本の梅雨のような鬱陶しい天気が続いている。しばらく、輝くような太陽を見ていないし、今後一週間は期待できないようだ。寒さに弱い私には、最近の気温はウエルカムだが、まるで、橋幸夫さんのシトシトピッチャン「子連れ狼」の世界だ。 …

医療の変革につながるネットワーク構築

前回のブログを受けて、複数の患者団体の方から連絡をいただいた。3月・6月の帰国にあわせて会合に参加するなど、積極的に前に進めて行きたい。小さなグループからでも地道に活動を開始したい。背負う荷がますます重くなるかもしれないが、ここは踏ん張って…

がんを治癒させるために一緒に行動を!

先週の寒波はどこかに消え去り、雪ではなく、雨が続いている。来週後半の予想気温は、東京と全く差がない。昨晩は雪がほんの少し降ったが、明日には消えるだろう。今週末から、来週にかけて重要な会議が続くので、今週は資料作りで忙しい。人生最後の勝負に…

1回の注射で6ヶ月コレステロールをコントロール!?

今年も一週間が経過した。時間の流れがさらに速く感じられる。シカゴは、最高気温がマイナス二桁の日が続いて、冷凍庫の中にいるようだ。それでも、3日前には、運動不足を避けるために、歩いて通勤したが、正面から風を受け、鼻水タラタラで、翌日はさらに冷…

急がれるがん医療体制の刷新!

シカゴは雪のない新年を迎えた。元旦の夕方に動物園でのライトアップを見学に行ったが、少し寒さを甘く見すぎた。真冬の服装をしていったつもりだったが、体の芯まで冷え切って、頭がくらくらしてきた。その影響か、昨日は体が重くて重くて、血糖も高かった…

2017年への決意

今年の締めくくりも、また、新たな免疫療法だ。今日発刊の「New England Journal of Medicine」に「Regression of Glioblastoma after Chimeric Antigen Receptor T-Cell Therapy(キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法によるグリオブラストーマの縮小効果)」…

国際的になった白衣を着た詐欺師;国の恥だ!

今、羽田空港にいる。ようやくシカゴに戻ることができる。今回は、がんプレシジョン医療を実現化するために、多くの人たちに会って、協力をお願いした。しかし、具体化してきた場合には、シカゴから指示を出すだけでは済まない。この5年間、物理的に離れてい…

がん研究所忘年会

一昨日午後は、がん研究所の研究発表会と忘年会に参加してきた。プレシジョン医療研究センターの特任顧問としての参加だ。1989-1994年の5年間生化学部長として在任していたので懐かしい。私の知っている人たちはかなりの年齢となっているが、顔を見ると当時…

プレシジョン医療始動

日本に帰国して4日間、晴天が続いている。何気なく、日本でテレビを見ていると、つくづく平和な国だと思う。お笑い芸人が交通事故を起こして逃げたり、「相棒」に出演していた俳優の引退騒動など、どうでもいいことにテレビ・新聞・雑誌は多くの時間を費やし…

「プレシジョンメディシン」の誤解・幻想

先週までの暖かな気候が終わりを告げ、今朝は眼下に銀世界が広がっていた。一部の木々に残っていた黄色い葉も、重い雪と風でほとんど散ってしまった。来週の半ばにはマイナス20度近くまで下がるとの予報が出ている。いよいよ本格的な冬の始まりだ。 今日は改…

“21st Century Cares Act”;医療イノベーションの加速か、患者の危険増大か?

オバマ政権からトランプ政権へと、政権交代の狭間にあるにもかかわらず、医療に関連する重要法案の採否が検討されつつある。法案の名は「21st Century Cares Act」(21世紀ケア法案)で、名称からは内容がわかりにくい。米国臨床腫瘍学会や大学関係者から、…

公共の利益と個人の不利益、科学と情緒のバランス

米国臨床腫瘍学会は子宮頸がん予防ワクチンの啓蒙活動として、ビデオを作製し、Youtubeで公開している(https://www.youtube.com/watch?v=O_OQK030tUw)。HPV(ヒトパピローマウイルス)が子宮頸がんと関連することが明確であり、ウイルス感染の予防が、子宮…

おにぎりで窒息にAED(除細動器)???

今日は、休日でない金曜日だが、研究室には私以外に誰もいない。他の研究室にも人影が少ないというより、ほとんど人がおらず、まさに、ブラックフライデーだ。11月の第4木曜日はサンクスギビングデーで祭日だ。祭日は公式には1日だけだが、前日の水曜日の…

新たなる高額がん治療薬

今年のシカゴの気候はおかしい。昨日は最高気温が23度まで上昇し、これまでの記録を5度も更新した。2年前の同日の最低気温はマイナス12度だったので(これは過去最低気温)、1日の過去最低気温記録と過去最高気温記録の差が35度になる。東京や大阪…

心の中でうれし泣き

昨夜は遅くまでワールドシリーズを観戦していたので、今日は少し眠い。しかし、昨日は、いい日だった。シカゴ・カブスが108年ぶりに優勝した。地元のチームが優勝するのは気分がいいものだ。しかし、喜び合う選手の中に、日本人選手がいないのは、ちょっぴり…

ヒポクラテスの誓い

シカゴの秋は異常な気候が続いている。今日も、過去最高気温を更新し、26度まで上昇した。これまでの4年間なら、11月ともなれば、ズボン下を履かないと縮みあがるところだが、帰宅時にはコートを着ていなくとも、汗をかくような感じだった。しかし、気温が急…

血液中のDNAでがんがどこまでわかるのか?

今日、シカゴ・オヘア空港で航空機の火災があった。ニュースで見るとかなり激しい火災で、離陸後に発生していたらと考えると寒気がする。水・木曜日に一泊2日でサンフランシスコに出張し、昨夜戻ってきたが、火災機と同じ会社のフライトだった。事故後、オヘ…

骨粗しょう症に抗体医薬!?その時、医療費は?

シカゴの気温はようやく平年並みに冷え込んできたが、日曜日は20度を超える暖かさになる予想だ。紅葉‣黄葉も過去4年よりも遅く、多くの木が緑の葉を茂らせている。 今日の話題は、骨粗しょう症にも「抗体医薬」登場という、またしても、医療費の高騰につなが…

医師と患者の関係

今年のシカゴは一旦冷え込んだものの、その後は平年より高い気温が続いている。一昨日は28度と過去の記録を3度も更新する夏のような気候だった。木の葉も、この暖かい気温に戸惑っているようで、一部は色づき、散り始めているのに、一部は緑色のままだ。木に…

膀胱がんに対する遺伝子治療????白衣を着た詐欺師に騙されるな!

今朝、ネットニュースを見ていたら、有名なアナウンサーが膀胱がんに罹患して、膀胱全摘手術を勧められたが、手術を拒否して遺伝子治療を受けているとあった。膀胱がんに遺伝子治療????これまでに米国で承認された例などないので驚いた。そこで「膀胱が…

日本癌学会「高額医療費問題」パネルディスカッション

今、成田空港にいる。10日間にわたる日本出張を終え、ようやく、シカゴに戻ることができる。この10日間、目が回るように忙しかった。岡山での日本胸部学会、日本癌学会に参加し、その間を縫って、人工知能企業やリキッドバイオプシー・シークエンスに関連す…

人工知能・ゲノムががん医療現場を変える

月曜日の読売新聞の夕刊に、私がフロンティアという企業と一緒に、人工知能を利用して最適の治療薬を選択するシステムを作ると報道された。「選択」は医師と患者さんが話し合った上でされるべきなので、正しい表現は「考えうる選択肢を提示する」である。分…

朝早く起きること。一生懸命に努力すること。

今日の昼食時に、St. Jude Children’s Research HospitalのプレジデントであるJames R. Downing博士の講演があった。St. Jude小児病院は全米屈指のというより、世界をリードする小児病院と言っても過言ではない。小児腫瘍のゲノム解析を世界の先頭を切って開…