嘘をつくな、現実を見よ、そして信頼を取り戻せ!

今日のNatureに「Memo to Boris Johnson’s successor: tell the truth, respect evidence and restore trust」というタイトルの出版社からのコメントが掲載されていた。日本語に意訳すると「ボリス・ジョンソン首相の後継者へ;嘘をつくな、現実を見よ、そして信頼を取り戻せ」となる。Natureはイギリスの出版社であり、同国首相への強烈なメッセージである。

The Johnson government’s three years were characterized by a shocking and persistent disregard for rules, for the truth and for expert evidence — all of which culminated in extreme positions on a number of policy issues.

ジョンソン政権の3年間は「衝撃的かつ継続的に、規則、真実、専門的な証拠を無視し続けた」と特徴づけている。これらが、多くの政治的な課題に対して極端な(いい意味ではなく)姿勢につながったと批判している。ジョンソン首相は2日間で50人もの大臣・官僚が辞任したことによって、首相辞任に追い込まれだ。このような大規模の辞任ドミノは、英国の政治史上で最も大きな混乱だったという。

英国の研究者たちは、EUのHorizon Europe基金から研究費を支給されなくなる危険性に直面している。英国のEUからの離脱は、科学研究費にも暗い影を投げかけているのだ。EU離脱は英国民が決めたことなので、ジョンソン首相個人を非難するのはおかしいと思うのだが?

「嘘をつくな、現実を見よ、信頼を取り戻せ」は日本のあらゆる分野にも当てはまるかもしれない。コロナ感染症の対応については、多くの国民は専門家会議のコメントにあきれ果てている。3回目のコロナワクチン接種が進まないのは、副反応に関してごまかし、現実隠しがあると疑っているからだ。今日も若い人から友人がワクチン接種後に急死したという話を聞いた。政府に信頼がなければ、デマやフェイクの可能性があると思いつつも、リスクを回避してワクチンを受けないのは自然な流れだ。私も、3回目のワクチン接種後、左手の薬指・小指がしびれている。症状は改善してきているが、尺骨神経に何かが起こったのだ。

小さな組織であっても、大きな組織であっても、基本的な関係は個人の信頼関係が元となる。嘘をつく相手に応対すると、真っ正直な人の応対をするより、10倍以上の疲労が残る。現実・真実を見ないで、自己主張を続ける人も然りだ。この手の人は、自分が絶対正しいと信じ、相手の話を聞こうとしない。聞いているふりをしても、最終的には、自分の都合のいい部分だけを(意識している、していないに関わらず)切り取って作り上げる人が多い、信頼できない相手とやり取りをするのはかなりのストレスだ。特に私のようにど真ん中の直球しか投げられないし、受け止められない人間には、カーブ、スライダー、フォークボール、そして隠し玉をするような相手には体にボールが当たり、痣だらけになり、胃が痛くなり、そして、血圧と血糖が急上昇する。

何があっても、嘘をつかず、現実・真実を直視し、誠実に対応することが信頼を獲得するために不可欠だ。と青臭いことを言っても、白い紙を見せても、相手が赤色のサングラスをかけていれば赤に見えるし、青色のサングラスをかけていれば青に見える。実社会はなかなか厳しい!

コロナ感染陽性者数が11万人を、そして、これまでの総計が1000万人を超えた。過去最多は真実だが、数字が現実的にどこまで意味があるのか疑問だ。明らかに1年前とは異なっている。政治は、「生活制限なしで、社会活動は止めない。マスクはして欲しい」とはっきりと言えないものなのだろうか?