信じがたいほどの、科学力なきオミクロン騒動

明けましておめでとうございますとも言えないほどのオミクロン株騒動である。

 

10月1日の緊急事態宣言解除を前に「今後は重症者数に重きを置く」と聞いた記憶があるのだが、年末年始には、相も変わらず感染者数の増加一辺倒だ。オミクロン株が最初に確認された南アフリカではすでにピークアウトしたようだし、前回のピークを越えた感染者数であったにもかかわらず、死者数は前回のピークよりもはるかに低い。臭覚異常も、味覚異常もなければ、肺炎のリスクも低い。科学的に考えれば、明らかにCOVID-19とは別のものに見える。

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ネタを探す苦労をしなくていいワイドショーや感染症ムラにとっては、いろいろな意味で好都合だろうが、あまりにも科学的な考察がなさすぎる。米軍基地が多い沖縄に加え、岩国でもオミクロン感染が広がるのも、感染力の強さを考えれば当然だ。米軍は日本の法廷拘束力が及ばないし、基地で働いている人も多いので、歯止めが効かなくなっても仕方がないのだ。

 

前回のピークの感染陽性者は2万5000人程度だったので、南アフリカのデータから、日々10-20万人程度の感染陽性者が出れば、重症者数は第5波と同じレベルになるかもしれないが、2-3万人なら重症者数は医療逼迫するほどには増えないだろう(と私は今回は比較的楽観的だ)。そもそも、日本国内の毎年のインフルエンザ感染者数は、1000万人前後であった(2020/2021年度は非常に少なかった)ので、冬の流行期間を前後を含めて100日に集中すると仮定すると、毎日10万人のインフルエンザ感染者が出ていることになる。ピーク時はもっと多いはずだ。それによる死亡率は約1万人と推定されているので、致死率は約0.1%である。

 

日本でこれまでに新型コロナ感染症と確認された数は170万人強で、死者数は18,000人あるので、死亡率は約1%少しだが、これまでは無症状感染者のスクリーニングが十分でなかったので、実際は1%を切ると考えられる。インフルエンザも症状が出てから検査を受けるので、無症状感染者を計算に入れないと、新型コロナの致死率はインフルエンザの約10倍となる。南アフリカでの死亡者数データで比較するとオミクロン株は5分の1程度なので、致死率は約0.2%程度となる。もちろん、これまでのブログで述べてきたように、各国間での免疫力の違いは予測不能だ。

 

欧米、南アフリカなどのデータでは、デルタ株を含めてこれまでの新型コロナ株と比べるとかなり低い致死率だが無視できないレベルであり、感染力が高く広がりが速い。しかし、緊急事態宣言を出すと経済が成り立たず、自殺者が増えるかもしれない。経済のダメージも、抗がん剤の副作用のように繰り返すとあるレベルを超え、急速に悪化するかもしれない。そして、自粛が続き、フレイル状態が悪化すると、高齢化率の上昇との相乗効果で、要介護人口がこれまでにないスピードで増え、日本の経済が成り立たなくなる危険性もある。しかし、経口治療薬を投与すれば、死亡率はもっと低くなり、インフルエンザ並みか、もっと下回るかもしれない。

 

過去2年間は、自粛で感染の抑え込みを図ってきたが、ワクチンの普及と経口治療薬の開発、以前より低い死亡率と、これまでの感染制御と経済とのバランスと環境は大きく異なり、舵取りはもっと難しい。

 

PS: 私の感ピューターでは、今月末から2月上旬にはピークアウトするように思う。

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