日米開戦「トラトラトラ」80周年

今日は日米開戦80周年にあたる日だ。そして私も、またひとつ歳を重ねた。

 

米中の緊張感が高まり、きな臭さが日々高まってきている。先島諸島でのんびりと余生を暮らしたいと願っている私にとっては、台湾問題は心を不穏にする大きな問題だ。人の命という犠牲を伴うことが必然の現状変更が必要かどうか、はなはだ疑問だが、現実は厳しい。日米開戦の大きな要因のひとつはABCD包囲網だが、その対象が日本から中国に移り、その当時に似た雰囲気となっているのは悲しいことだ。

 

コロナについては、オミクロン株の実情が報告されつつあり、何となく大丈夫という状況となっている。危機管理という観点で、日本が正しかったと私が思うのは、安倍総理の学校閉鎖と岸田総理の水際対策だけだ。分科会などは、80年前には、優柔不断で無責任な骨なしの軟体動物だ。危機管理の要諦は、最悪を想定した対応であり、今回の水際対策は適切だと思う。後から振り返れば、「ここまで厳しくしなくても・・・・・・」となっても、今回の対策は危機管理の基本を行く正しい措置だ。

 

そして、ずっと不思議なのが、日本では、欧米や韓国の感染状況しか報道されないことだ。これはメディアの科学リテラシーの低さを反映している。専門家も考察力に欠けるし、メディアも勉強しない。どうして激減したのかを説明できない人たちも、依然と専門家のままだ。この人たちは、自分が病気になった時、悪化しても、改善しても、その理由を説明できない医師を信じ続けるのだろうか?悪化も予測できず、よくなってもなぜかわからないと回答するような医師なら、患者も家族も爆発する。本当に日本はダメになったと思う。

 

アジアを見渡すと、コロナ陽性感染者数は、ワクチンが行き渡っていないインドネシア、フィリピン、バングラデシュなどで激減後も、非常に低い数値で推移している。ワクチンによる抗体だけでは語れない状況と考えるのが常識だ。抗体は下がっても、細胞免疫は年単位で維持される。検査が行き届いていない国では(日本を含めてだが)無症状感染が広がって、多くの人が液性免疫・細胞免疫を獲得していると考えるのが、最も合理的だ。そして、コロナウイルスは“普通の“風邪ウイルスなのだ。これまでコロナ風邪に罹っていれば、一定のレベルの細胞免疫は多くの人は持っているはずだ。

 

そして、今回のオミクロン株は、アルファ株やデルタ株との違いが多く、これらから派生したものでないようだ。症状を見ても、味覚・臭覚異常もないようだし、COVID-19と別物と考える方が、納得がいく。もうしばらくすると重症化するかどうかはっきりするだろうが、世界の情報を聞く限りにおいては、日本では小さな波が来て重症者も少なく、混乱しないような気がしてならない。

 

抗体だけでなく、最近は細胞免疫を研究する論文も散見されるが、日本でもそのような観点での研究を進めて欲しいものだ。「トラトラトラ」と号令をかける人はいないのか?