中国のゼロコロナ対策;「千丈の堤も蟻の一穴から」方針は偉い!

BBCに「Why China is still trying to achieve zero Covid」というタイトルの記事が出ている。内容的には、いつまでも厳しいコロナ対策を続けている中国に対して批判的なものだ。北京オリンピック対策や習近平主席が3期目を目指すためなど、政治的な意味合いで続けているような斜めから見た捉え方だ。

 

しかし、私は「中国のゼロコロナ対策」は科学的には正しいと思っている。日本のコロナ対策は、ノーガードでパンチを受け続けるボクシングをしているようなものだ。パンチを浴びて倒れそうに、死にそうになっても助けられなかったのだ。「千畳の堤も蟻の一穴から」という言葉がある。蟻が空けた穴から水が流れ出し、穴を大きくして、どんな立派な堤防でも決壊してしまうという意味だ。

 

まともにPCR検査もせずに、無症状感染者を野放しにしているのは、堤防に蟻の穴がたくさん空いているのを野放しにしておくようなものだ。わずかな穴がいくつかつながれば、大きな水の流れとなり、堤防の決壊を招く。7-8月の医療崩壊は、蟻の穴を野放しにした必然の結果と言える。

 

PCR検査をしないという非科学的な施策を決定した人たちが、今でも、コロナ対策を論じるのは、あまりにも不合理だ。そして、コロナの抑え込みに失敗した欧米が、中国の徹底したコロナ対策を非難する理由などどこにもないと思う。コロナ感染症で、世界中で500万人もの命が失われているが、世界の人口の約20%を占める14億人強もの人口の中国では5000人弱しか亡くなっていない(本当はもう少し多いかもしれないが)。世界の5人に一人が中国に住んでいるので、単純計算だと100万人が亡くなっていることになるのだが、感染数も死亡数も人口比で考えるとはるかに少ない。人口が中国の10分の1にも満たない日本では18,000人がコロナ感染で亡くなっている。厳しい封じ込め、ロックダウンによって、多くの命を守った国は立派なものだと思う。

 

ゼロコロナに失敗した国々は、いまさら、ゼロコロナを達成するすべがなく、ウイズコロナと言っているだけの話だ。中国は、蟻の穴を見つけては、それをすぐに修復するような手立てを立てることに成功しているのだ。蟻の穴がたくさん空いているのに、見ないように目をつぶってきた、どこかの国よりははるかに科学的な対応だ。

 

ゼロを目指す発想そのものが、人の命を救うためには大切だ。

 

PS: NHKニュースで病床の見える化が進んだと報道されていた。今頃、寝ぼけたことを言うなと思った。この国のメディアは、まだ、20世紀を生きているのか!?立憲民主党が大躍進と予測したメディアだから、仕方がないのか?

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