運動量をウエアラブルな装置でモニター

台中での学会で、運動量(歩数)をスマートウオッチで計測した結果に関する発表があった。数十万人分ものデータで、まず、女性の方が男性よりも歩数が少ないこと、20-30歳代をピークに加齢とともに運動量が落ちること、ニューヨークなどの公共交通機関が発達している地域の方が、公共交通腫手段の少ない所よりも歩数の多いことを確認したとの説明があった。

 

日本・アメリカ・イギリス・サウジアラビアの比較では、日本の歩数が米英よりも多く、サウジアラビアでは最も少なかった。データが取られた地域で比較すると、赤道に近い国での歩数が少なかった。暑くて歩けないので、当然だと思った。そして、日本では個人間での歩数のばらつきが最も小さく、サウジアラビアではばらつきが非常に大きかった。ばらつきの多い国ほど肥満の人が多いようで、運動量の非常に少ない人口集団が多くなるからだろう。

 

運動量が少なく、肥満が多いのは、米国では社会的問題の一つであり、運動量を増やすための米国内でSNSを利用した呼びかけを試してみたとのことだった。前述のデータは何となく常識的なものだったが、SNSのネットワークでお互いに競うと運動量増加につながり、運動不足の解消に有効だったことは興味深かった。検証前から歩数の多かった集団での影響は10-20%増と限定的であったが。1日に2000歩くらいしか歩かなかった集団では2倍程度に増えていた。増えても、まだ、わずかに4000歩程度だが、この集団には効果的かもしれない。

 

そして、最も興味を引かれたのは、SNS集団の男女比だ。男性や女性の一方に偏った集団(男女比の大きい集団)では、歩数増につながる影響は少なく、男女比が1に近い集団では、歩数増により大きく影響したようだ。同性よりも、異性に対して頑張っているところを見せたいという心理が働くようだ。

 

そして、会場から、データ利用に関する同意の有無が確認されたが、演者は同意を得た上で、匿名化して利用していると返答していた。どの会社のデータであるかを明かさなかったが、病気の予防効果があるかどうかは全く分からないようだ。超高齢社会の日本でこそ、このような身近な運動量に関するビッグデータとそれを利用した健康管理が重要だと思う。医療の質を落とさず、医療費の増加を抑制するためには、病気を予防する、病気の重症化を防ぐことに重点を置くべきである。糖尿病なと、かかりつけ医による運動指導、血糖管理が合併症を防ぐためにきわめて重要だ。医療の現場では革命的な変革が急務である。

 

PS: ミーティング会場があまりにも寒くて、治りそうだった風邪が悪化してしまった。金曜日にはBSフジの午後8-10時の生番組に出演予定なので、それまでにはしっかりと回復しておかないと大変だ。生番組に出演することで、私の周辺の人たちはみんな口が滑らないかと心配している。一旦放送された言葉は取り消しがきかない。体調が良くても、挑発に乗って棘のある言葉が出てしまうので、皆さん、ハラハラしながらご覧ください。

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