恥ずかしくて、心温まるエピソード

米国臨床腫瘍学会(ASCO)で5日間連続外食の昨日、とんでもない事態が生じた。引っ越しの準備、学会、毎夜の外食で、集中力が落ちていたのか、いろいろな事を考えすぎていたのかわからないが、事の顛末は、下記のようだ。

 

会食のため、電車(Metra)でダウンタウンに行くため、5時に大学を出て、駅に向かった。プラットホームに上がると電車が来たので、少し早いなと思いつつも乗ってしまった。いつもガラガラなのに、今日は乗客が多いなと感じたが席に着いた。車内で検札に来たので(今でも、駅に人はおらず、自動改札機もなく、車内でチェックする)、車掌に乗車券を渡したところ、

 

怪訝そうな顔で「どこに行くのだ?」と聞かれた。

「ミレニアムパーク(美術館に近いダウンタウンの南側の終点駅)」と返事したところ、今度は憐れむような顔で「方向が違うよ」と言われた。

外の景色を見ると、確かに見慣れない風景だ。

思わず、「どうしたらいいの?」と聞き返す。

「Madison駅まで行って、反対向きに乗り、引き返したらいい」と教えてくれた。

Madison駅が何処かわからないが、「わかった。ところで、Madison駅までどれくらい時間がかかるの?」と問い返した。

「30分くらい」。心の中でオー・マイ・ゴッドと叫ぶ。運悪く、これは急行だったが、後の祭りだ。家から駅のホームに向かう場合と、大学からホームに向かう場合で、ホームの階段が左右反対なのだが、6年目にして初めての大ポカだった。自分がアンビリーバブルだ。

 

見慣れない車外の風景を眺めつつ、待ち合わせ相手のメールを探そうとしたが、引越し準備で数時間前に大規模に整理したため、携帯からは見ることが出来ない。急いで、LINEで、シアトル在住だが、今でも手伝っていただいている秘書のHisayoさんに連絡を入れる。日本人とメキシコ人の相手に連絡を取っていただいて助かった。感謝感激だ。

 

しかし、Madison駅までは急行だったが、折り返しの電車は、各駅停車だった。時間を調べると、6時45分に目的の駅に到着だ。6時の待ち合わせなのに、もう一度、オー・マイ・ゴッドだ。まさに、行きはよいよい、帰りは恐いだ。心が焦っても、電車はマイペースで走る。結局、20分間弱電車に乗る予定が、1時間半も乗ってしまった。到着した時は、もちろん、相手に平謝りだった。

 

でも、少しだけ、いい話がある。車掌さんは切符にパンチを入れず、「折り返し電車の車掌に説明すれば、この切符で大丈夫だよ」と言ってくれた。その通り、折り返し電車の車掌もOKと言ってくれた。1時間30分も乗って500円だった。損をしたのか、得をしたのか、複雑な心境だ。そして、車掌さんは、Madison駅に着く直前に、「乗り間違ったお客さん、次の駅で、反対側の電車に乗ってください」と車内アナウンスしてくれた。そして、後ろに座っていた乗客に「あなたのことよ」と言われた。恥ずかしかったが、なんとなく、心が温かくなった。

 

しかし、無事に日本に帰れるかどうか、自分の心と体が心配だ。

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