読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

北京大学医学部に数十人の日本人留学生

今、北京にいる。昨日の朝、国際胃癌学会のオープニングセッションで講演をした。大気汚染を心配していたが、幸いにも、一昨日以降、青空が広がっている。北京国際空港では、入国審査が終わった後で、荷物のX線検査が待ち受けていた。何を調べているのか、今一つよくわからなかったが、全員、検査を受ける必要がある。また、学会会場の建物の入口で、やはり、セキュリティーチェックがある、物々しさだ。中にある会場の入口でも、公安の人たちが見張っており、学会のネームカードがないと中に入ることができない。日本や米国の学会でもチェックがあるが、「公安」と記した服に身を包んでいる人たちがいるのは違和感がある。

 

この北京コンベンションセンターは、オリンピックの会場だった「鳥の巣」に近接している。空港からのアクセスは悪くはないが、一昨日、ここから北京大学の腫瘤医院に行った際には、渋滞で大変だった。北京に来るたびに渋滞がどんどんひどくなっているような気がする。

 

学会は中国の国力が増してきているのを実感させられた。二十年近く前に、初めて中国を訪問した時には、英語力を含め、日本はまだはるかに先を行っていると思ったが、中国人の英語力は格段に向上しており、若者の語学力は、日本人の英語よりもずっと上を行く。私が座長を務めたセッションは、進行胃がんの化学療法のセッションだったが、スピーカーは中国から3名、米国から2名で日本人スピーカーはいなかった。日本の大学の世界ランキングが中国やシンガポールに追い越されるのも当然だ。日本では、何十年にもわたって国際化が叫ばれているが、根本的な解決策が実施されておらず、かなり不安だ。

 

今回の北京で最も驚いたのは、北京大学医学部に数十人の日本人留学生がいたことだ。ホテルに到着した際に、流暢な日本語で話しかけてくる若者がいたが、上手に日本語を話す中国人だと思った。しかし、今回の主催者である李教授が教鞭を取っている北京大学医学部の学生だと聞いて驚いた。日本人の参加者の中には批判的なことを言う人もいたが、私は日中の橋渡し役として非常に貴重な存在になると思った。是非、頑張って、今後の日本と中国の医療分野の交流、そして、日本と中国のお互いの正しい理解に貢献して欲しい。

 

そして昨夜のレセプションでの、米国から来た大御所外科医のコメントは、今の日本の国際的な位置づけを象徴しているようで、寂しかった。「中国の存在なくして、今後の国際胃癌学会は存続しえない。その意味で、今回北京で開催されたことは重要だ。この大会の大成功を祝福する」。これまで、胃癌の臨床・研究に関しては、圧倒的に日本、そして、韓国が世界をリードしてきた。確かに、中国の胃癌患者は日本の数をかなり凌駕する。それは、わかっていても、目の前で胃癌分野では、今後は中国がリードするなどと宣言されると、日本を愛する私には胸にグサッとくるものがあった。

 

その一方で、中国の若者たちの元気さが、日本人の若者には見られない。中国に留学している日本の若者たちが、中国の若者に感化され、日本で暴れまわることに期待したい。