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風雲急を告げる朝鮮半島

前回のブログで少しだけ紹介したユナイテッド航空の事件は、世界的なニュースとなり、依然として余波が続いている。引きずりおろされた乗客は、鼻骨と前歯2本を折っていたそうで、訴訟に発展しそうだ。ユナイテッド航空のトップが職員向けに送ったメールで、「ユナイテッドの職員は悪くない」と言ったことが、火に油を注ぐことになった。暴行に直接関与しなくとも、原因を作った会社のトップが、これを言ったらお終いだ。あるサイトに、「幸せな気持ちは周辺の人にしか拡散しないが、怒りの感情は多くの人によって共有されるため、爆発的な広がりを見せる」と書かれていたが、その通りだと思う。

それに加え、北朝鮮問題が米国では大きな話題となっている。両国のトップの意地と意地のぶつかり合いのような様相を呈しており、まさにチキンゲームで、一触即発の感がある。お互いが引き金に手をかけてにらみ合いをしているような状況で、少しでも動けば引き金が引かれかねない。日本のニュースでは、緊張感はあまりに乏しく、本当にこれでいいのかと心配になってしまう。何かが起これば、日本の米軍基地は攻撃対象とされる可能性が高く、ミサイルが少しでも目標からずれれば、都市部に大きな被害がでるにもかかわらず、能天気なことだ。

もちろん、このまま、にらみ合いだけで、いずれ事態が収まってくれることを願うのみだ。しかし、意地の張り合いの背景には、国のトップとしての面子がかかっているので、客観的に考えれば大きなリスクを伴うことであっても、感情的に引くに引けない難しさがある。このような引くに引けない状況は、国レベルでなくても、われわれの私生活でも日常的に起こることであり、特に、第三者が全く介在しない当事者だけの場では、冷静な判断を失うことが多いように思う。もちろん、これは私自身の経験であって、多くの人は対立を回避する術を身につけておられるかもしれないが。

さて、ここで、再びリキッドバイオプシーの話だ。少し前の話になるが、PLoS MeDという雑誌の12月号に、卵巣がんの抗がん剤に対する治療効果をリキッドバイオプシーで調べた研究成果が報告されていた。この論文に関して、技術的に少し疑問が残るのだが(細かいことになるのでここでは省くが)、p53遺伝子の異常を手懸りに、血漿中に含まれている異常遺伝子と正常遺伝子の頻度を調べたところ、その頻度と腫瘍の大きさが相関していた(腫瘍サイズが大きくなると、変異遺伝子の割合が正常遺伝子に比して高くなる)という結果が紹介されていた。米国癌学会でも、ジョンスホプキンス大学のVogelstein教授がリキッドバイオプシーの重要性を強調していた。時代が大きく変わりつつあるのだ。

この点でも、日本の研究の動きは遅い。米国から4-5年遅れていても、日本で1番であればいいといった日本独特の文化から脱却しなければ、日本に未来はないと思う。それを最も感じているのが患者さんたちだろう。インターネットやSNSを通して瞬時に世界に情報は拡散するので、必死で情報を求めている患者さんや家族が、医療関係者よりも早く、最新情報にアクセスすることが少なくないのだ。これまでの知識ギャップは医療関係者>患者さんや家族であったが、患者さんや家族>医療関係者という逆転現象も起こるようになってきた。正しい知識の速やかな共有が重要になっている。当然ながら、2年おきに職場を変わる役所の人たちが、最新情報を維持するのはほぼ不可能だ。システムそのものを根底から変えて行く必要があるが、北朝鮮問題と同じで、今、起きていることに気づかない日常がそこにある。問題は根深い。

PS: 下記は2017年3月25日に開かれたリレーフォーライフでの講演会の動画です。https://www.youtube.com/watch?v=ozs4MdfCPNA

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