リレ―フォーライフ@東京医科歯科大学

今、羽田空港にいる。昨日は久々にリレーフォーライフに参加していただいた。患者さんや家族の方と触れ合うと刺激になる。米国のように、患者さんたちと医師・研究者が一体となった行動を起こすことが必要だと思う。滞在中、プレシジョン医療という言葉も広く使われるようになったものだと感じたが、基本的なコンセプトをわかっている人が少ないため、内容が非常に矮小化されているようだ。

 

欧米崇拝のNHKスペシャルは、多くの患者さんに幻想を引き起こしたためか、、患者さんたちにはあまり評判が良くなかったようだ。あまりにも日本の現状認識に欠けていたと思う。しかし、少なくとも何かが起こりつつあるという問題提起にはなったのではないか?また、正しい知識をどのように共有していくのかという課題を明らかにした。しかし、この問題の解決は非常に難しい。医療関係者と一般の方の知識ギャップだけでなく、医療関係者間の知識ギャップも大きい。教育の問題、メディアの不見識、隙あらばと狙っている詐欺師たち、このような課題を個別に解決するのではなく、抜本的な対策が必要だ。

 

今回の8日間の日本滞在中に、日米韓中の4つの企業と会合を持った。ゲノム医療を実地医療として広く利用できる方策を検討するためだ。特に、中国・韓国の企業は、メディカルケアとしてのゲノム医療ではなく、ヘルスケア(病気のリスク判定やスクリーニング)まで視野を広げて、個人個人の健康管理を提供する企業としての発展を目指している。ある企業は、国外も含め、患者さんに最適の医療機関を紹介することも含めたビジネスを考えている。

 

がんプレシジョン医療は、薬の効果に関連する遺伝子を調べて患者さんを選別するといった狭い定義のものではない。米国の大統領が、推進すべき国策としてそのような狭義なものを一般教書演説に含めるはずなどないのだ。がんを治癒することを目指した「ムーンショット計画」は、壮大な計画であることは疑いもない。少し頭を働かせれば、遺伝子で薬を選ぶといった単純なものではないことがわかりそうだが、日本のメディアにはそのあたりの相場勘が欠けている。

 

プレシジョン医療計画・ムーンショット計画ともに、医療を一変させることを目指したもので、医療の質を向上させつつ、医療費の増加傾向を抑制する効果があると私は信じている。次回は、再び、プレシジョン医療に関する内容に戻りたい。

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