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メディア報道は公正か?

小保方事件に関するNHKスペシャル(2014年7月放送)について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が、「名誉毀損(きそん)の人権侵害が認められる」などとして、再発防止に努めるようNHKに勧告した」との産経ニュースを目にした。「配慮を欠いた編集上の問題が主な原因」と指摘されたが、これに対して、NHKは「客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮した」と、編集が慎重に行われたことを強調する反論を行ったようだ。また、識者と評する人は、「番組制作の現場に無言の圧力が生まれ、自主規制が働くようになるのではないかと危惧される」とコメントしていた。

 

私は小保方氏の行為を是とする立場にはない。しかし、どこからみても、NHKスペシャルはやりすぎだった。私は、笹井先生の不幸な死のあと、この番組を痛烈に批判したが、当時、学会も含めて魔女狩りのような風潮に悪乗りして、「おぼれた犬に石を投げつける」ような番組になっていたように思う。しかし、編集に配慮がなかった故、今回の勧告につながったにもかかわらず、NHKの姿勢は、放送の世界における司法判断を否定したに等しい。放送人権委員会は放送に取り上げられた人の人権を守るために、放送界が作ったものであるのだから、これでは、行政府の長が司法府の決定を批判して三権分立を否定した、どこかの国の大統領のようなものだ。(ちなみに新聞社にはこのBPOに相当する組織はない。)

 

客観的な事実を積み重ねたというが、その事実を歪んだ形で積み重ねて、偏った印象を視聴者に与えたことが問題とされているのだ。NHKは、指摘された問題の本質を理解していない。「事実を積み重ねること=公正な報道」とは限らない。積み重ねた事実から、作り手が自分の主張したい方向に沿った事実だけを選別すれば、内容は絶対に公正にはならないのだ。NHKサイドのコメントには、メディアの驕りを感ぜざるをえない。そして、識者のコメントは人権侵害を受けた人の立場を全く考慮しないものであり、殺人犯の人権だけを守る、自称、人権派弁護士たちの姿に重なる。

 

また、朝日新聞のテヘラン支局長が、安倍・トランプ会談に対して、「安倍首相、大丈夫かな…またおなか痛くなっちゃうのでは」とツイッターに書き込んだとの報道もあった。

http://www.sankei.com/politics/news/170211/plt1702110042-n1.html

こんな形で揶揄するコメントが、この新聞社の本質を透けて見えさせているような気がする。こんな人たちに公平・公正な報道を期待するのが間違いだ。

 

トランプ大統領の動向を日本のメディアを通してみると、米国人の大半が批判しているような印象を受ける。批判する人の方が多いのは事実だが、彼の姿勢を支援している人もたくさんいるのだ。どのメディアを通して情報を入手するかによって事象の与える印象は全く変わってしまうのは恐ろしいことだ。

 

そして、安倍首相に対して「トランプに媚びている」と非難している報道も見受けられる。日本という国が、日米同盟を軽視して存立できる状況にないことは明白だ。日米のトップが仲良くなることに何の問題があるのだ。「トラスト ミー」と言って日本の信用を大きく毀損した総理大臣に比べれば、安倍内閣は明らかに日本の国際的なプレゼンスを高めている。私がシカゴに来た当初は、日本の総理大臣が米国に来てもニュースでの扱いはわずかだったが、今回の訪米はメディアで大きく取り上げられていた。「ゴルフなどけしからん」という野党党首もいたようだが、そんな国際的なセンスに欠けるようなことを言っているから支持率が伸びないのだ。日本が国際的な位置を維持するには、しっかりした政権が米国(どの政権であっても)と良好な関係を保っていくことが不可欠なのだ。

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