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国際的になった白衣を着た詐欺師;国の恥だ!

今、羽田空港にいる。ようやくシカゴに戻ることができる。今回は、がんプレシジョン医療を実現化するために、多くの人たちに会って、協力をお願いした。しかし、具体化してきた場合には、シカゴから指示を出すだけでは済まない。この5年間、物理的に離れていることによって、多くの問題に直面した。一たび、軌道がずれると、それを修正するには、とてつもない大きなエネルギーが必要となる。したがって、お願いした人たちにすべて任せることなく、陣頭指揮を執る覚悟で臨んでいる。しかし、連日の外食で、体重が増えてしまった。血糖を調べるのが怖いくらいだ。明日からは、しっかりとダイエットしなければ。

 

そして、表題の話題に移りたい。シカゴに移った後も、友人・知人や患者さんから、がん治療に関して相談を受ける機会は多い。そして、この出張中には、中国の知人から、彼の友人が日本で受けようとしている免疫療法に関しての相談があった。その医療機関の情報はなかったし、患者さんの病状についての詳細はわからないが、添付されていた、その医療機関(クリニック)から提案されていた治療内容と金額は驚愕だった。そして、それを見ながら、怒りがこみ上げてきた。

 

治療のリストには、スーパーNK細胞+DNAワクチン(どのDNAを使うのか、もちろん情報はない)+樹状細胞療法+サイトカイン療法(どのサイトカインを使うのかは?)+p53遺伝子治療で合計1700万円とあった。何だ、このp53遺伝子治療は??日本の医師法下では、医師と患者の合意があれば何でも自由診療で許されるのだろうが、科学的な観点からは、どこから見ても立派な詐欺だ。

 

ビザを取得する手伝いをして、ビジネスとして、このような治療法を海外の患者さんにも提供しているようだ。まさに、白衣を着た詐欺師だ。こんなことを野放しにしていれば、日本の医療全体に対する信頼を傷つけることになるのは確実だ。日本という国は、高品質の製品を生み出すことで、国際的な信用を得てきた国だ。命を預かる分野で、こんなことをしていては、他の分野での信用に悪影響を及ぼす。

 

免疫療法も、このままでは、悪貨がはびこり、良貨を駆逐する状況で、科学的な評価をすることがますます難しくなる。このようなペテン医療が、厚生労働省の会議で議論の対象になることはない。こんなインチキなど存在しないことが前提だから、「見ざる、聞かざる、言わざる」となってしまうのだ。

 

そして、保険収載されていない臓器のがん患者さんでも、自由診療で抗PD-1抗体治療をいくらでも受けることができるのだ。ただし、お金さえあればだ。しかも、それらのデータが科学的に分析されることはない。築地の新聞社など、このような案件にこそ、真正面から取り上げればいいと思うが、広告収入に影響があるためか、頬かむりだ。

 

藁にもすがる思いの患者さんや家族を食い物にする人たちは、許せない。高橋英樹さんの桃太郎侍のように、悪を退治しよう。怒りをエネルギーにするのは、あまり健全とは思えないが、国際的な白衣を着た詐欺師には怒りしかない。

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