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プレシジョン医療始動

日本に帰国して4日間、晴天が続いている。何気なく、日本でテレビを見ていると、つくづく平和な国だと思う。お笑い芸人が交通事故を起こして逃げたり、「相棒」に出演していた俳優の引退騒動など、どうでもいいことにテレビ・新聞・雑誌は多くの時間を費やしている。こんな情報を垂れ流してして、日本の将来はどうなるのか心配になる。しかし、同級生から、「最近のブログは愚痴や文句が多いので読んでいて疲れるわ」と指摘があったので、今日は前向きな話をしたい。日本に帰り、自宅の窓から見える富士山の眺めは、日本人としての気持ちを奮い立たせてくれた。日の丸と富士山、桜は、私の大和魂のエネルギー源だ。

 

暗い寒い冬のシカゴの気候から脱出して、日本に来たのはいくつか理由がある。この4日間に多くの方と話をして、プレシジョン医療確立に向けた動きを加速させようとしている。診断・治療法選択・免疫療法を含めた新規治療法の開発・患者さんを含めた活動・人工知能の医療現場への導入など、すべてを包括したシステム作りが重要だ。土台が腐りかけているにもかかわらず、外観だけ繕っていても、いずれ崩壊する(また、愚痴になってしまった)ので、日本の医学研究・医療は完全な建て直しが必要だ。短期的には厳しい状況が生ずるだろうが、経済活性化につながるし、長期的な医療経済学的観点からははるかに望ましいはずだ。

 

特に、人工知能は、医療分野では世界と競争する決め手の一つになる。その人工知能について、若手研究者と話をした際に「日本では人工知能と機械学習が同義語で利用されているので、単なる機械学習を人工知能と誤解している人が多い」と言っていたが、私も同感だ。人工知能は、何かを学ぶだけでなく、自分で考え対応できる機能が必要だ。感情も持つことができるかもしれないが、感情的になると、私のように失敗するので、冷静に対応できる人工知能がいいだろう。人工知能・機械学習の定義は別にして、コンピューター科学は、データを収集して解析する、有用情報を見つけるだけでなく、人工知能が、医療関係者の教育、患者さんへの正しい情報提供、医療現場での患者さんと医療関係者のつなぎ役など、その役割は大きい。

 

そして、本当に役に立つものであれば、それは、ビジネスとして成立するはずだ。プレシジョン医療は、技術やツールの開発、その検証にとどまらず、臨床現場で患者さんに届けるところまで考えた仕組み作りがカギとなる。今、このプレシジョン医療に必要なパーツを個別に立ち上げつつある。ようやく、それぞれのパーツを動かす準備ができた。

 

最後に、それを統合したシステムを構築しなければならない。しかも、民間で動かす体制が必要だ。もちろん、資金集めは不可欠だ。しかし、あと、ひと汗かけばできそうになってきた。あと5日滞在する間にも、多くの会合がある。時間は限られているが、勝負の時だ。

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