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メキシコ滞在中;驚きのトランプ氏勝利

雑事

先週の金曜日に、私を招待してくれた財団から、この人が迎えに行くから、名前と顔を確認して一緒にホテルに行くようにと、写真付きのメールが送られてきた。写真まで送られてくると、逆に危険なのかと不安になる。

 

空港に到着すると、入国審査場にはまったく行列がない。税関もスムースに通り過ぎ、外に出た。すぐ近くに、レンタカーの看板に「Yusuke Nakamura」と書いたボードを持って待っている人がいた。しかし、顔は全く違うし、名前も違う。???と思いながら、質問したホテル名に対する答えは正しかったので、小心者の私は、誘拐されるのではと内心不安を抱きながらも、彼に従った。荷物を持ってあげると言われたが、もちろんノーだ。車は、空港を離れたが、スピードを出さないようにバンプが続く寂しい道を走り続けた。空港から都心に向かう道がこんなはずがない。私が誘拐されるはずがないと思いながらも不安が増してきた。その瞬間、財団の秘書からドライバーを介して電話が入った。名前を聞いて誘拐の不安が吹き飛んだが、疲れがドッと出た。車から眺めるメキシコシティの風景は、街路樹を除けば、東京の下町によく似た感じだ。それほど高い建築物はないし、道路が入り組んでいる。ホテルの部屋から見える眺めは東京だ。

 

ホテルに到着後、道路の向かいにあるセブンイレブンに飲み物やスナックを買いに行った。支払いをする時、カウンターの外に10歳前後の子供がいた。薄汚れた格好で、私に後ろを振り向くようにと何回も指を指した。店の外だが、カウンターにすぐ手が届く場所に座っていた。支払いの間に買ったものを持ち逃げしようとしているのではと思い、カウンターから目を逸らさなかった。結果として何事も起こらなかった。なぜ、そんなことをしたのか、今でも、自分で説明できないが、汚れた顔の真ん中のきれいな目を見て、思わず、お釣りをあげてしまった。

 

子供はきょとんとした顔をして、「グラシアス」と一言告げた。東京でも、シカゴでも、物乞いが来ても、必ず目を逸らし、何もしない。私が買った持ち去ろうと思ったのも、単なる私の思い過ごしかもしれないが、どうして、彼にお釣りをあげようという気持ちになったのか不思議な感じだ。最初に目と目が合った瞬間に何か感じたのだろうが、私のしたことが、いい行為なのか、間違った行為なのか、答えは出ない。間違った行為だと非難されるかもしれないが、何かを考えての行動ではなかった。ただ、その子供のけがれのない目が印象的だった。

 

2日間にわたる講演が終わり、昨夜食事会があった。食事が始まる前にテレビを見ていると、異変が起きつつあった。予想を覆し、トランプ票が増えている。食事に集まったメキシコの方は、落ち着いて食事ができない様子だ。時間が経つにしたがって、表情が曇ってくる。トランプの優勢が次第に明らかになってきた。メキシコと米国の間に壁ができることになれば悪夢だ。カナダの移民局サイトが、アクセスが集中しているというニュースも流れていた。

 

深夜まで見ていたが、トランプ氏が勝利となった。あれだけ、ニュースメディアの批判をしたにもかかわらず、米国民は安定よりも変化を選んだ。驚きと不安の一日が始まる。日本の株価はすでに大きな不安を示している。

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