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朝早く起きること。一生懸命に努力すること。

雑事 医療(一般)

今日の昼食時に、St. Jude Childrens  Research HospitalのプレジデントであるJames R. Downing博士の講演があった。St. Jude小児病院は全米屈指のというより、世界をリードする小児病院と言っても過言ではない。小児腫瘍のゲノム解析を世界の先頭を切って開始し、この分野では世界の追随を許さない。膨大な基礎研究の情報をもとに、重要な知見を報告するだけでなく、それを臨床応用するところまで来ている。最後に「朝早く起きること。一生懸命に努力すること。」が大切と締めくくったが、その通りだ。努力もしないで、結果だけを求める甘ったれた若者たちに聞かせたい言葉だ。

 

講演内容については、特に、目新しいものはなかったが、話を聞いて感じたことは、やはり、リーダーシップだ。取り組むべき重要な研究課題を、世界に先駆けて感じ取り、それを実行する行動力だ。もちろん、実行には予算は必要だが、「約65億円の予算を州知事に要求したところ、すぐに支援してくれた」というから、驚きだし、うらやましい限りだ。日本の政治家にもこのような人物が出てきてほしいものだ。

 

日本では、現在、補正予算が議論されているようだが、無駄な機器類を買っても、埃の山を築くだけだと思う。お金を垂れ流して、成果が上がらないにもかかわらず、同じ愚を繰り返すのは、しっかりとした評価制度がないからだ。補正予算がつくたびに、利用することもできない機器類を買って、税金をどぶに捨て、1年後には機器類に埃が溜まる愚をまた繰り返すのだろうか。

 

この愚を繰り返す原因は、研究者側だけにあるのではない。日本では、大きなプロジェクトに落第点がつくことは、ほとんどない。そんなことをすれば、担当した研究者だけでなく、それを推進した役人も失点となるので、担当者が代わっても後任が前任者に傷をつけるようなことは絶対にしない。そうすれば、それがブーメランのように自分に跳ね返ってくるのを恐れるからだ。

 

結果ではなく、プロセスを評価できる目を養わなければ、正しい評価はできないし、新しいことへの挑戦など絶対にできない。がんの免疫療法など、失敗に次ぐ、失敗の積み重ねが現在の成功につながっている。米国という国は、それをちゃんと評価して支援してきたのだ。結果としての成功や、高額な医療費に焦点が当たっているが、成功までの過程をしっかりと評価しなければ、日本で画期的な革新的な治療が生まれることは決してない。薬が高いと文句を言う前に、日本から新しいものが出ない原因を考えるべきなのだ。

 

私自身も痛い目にあったが、権威と称される料簡の狭い人達が、その権威を振り回すと碌なことはない。日本人にも、権利を主張して、義務を無視する輩が増えてきたが、権威を振り回す人には責任が伴うことを是非理解してほしいものだ。

 

予算を使うことを目的化して、補正予算を組むのではなく、日本の将来に必要かどうかなど考えで立案してほしいと願うばかりだ。そもそも、補正予算で機器類を買っても、それを使うことのできるランニングコストや人件費を継続して支援しない体制が大問題だ。大型バスを買っても、運転手も、ガソリン代も、メンテナンスコストもなければ、バスは場所を占拠するだけの大型ごみになるだけだ。しかし、現実にはそれが繰り返されている。

 

目的をしっかりと見定めて、日本の将来の役に立つような補正予算であってほしい。セミナーを聞いていて、どうして日本ではこのような長期的でしっかりしたビジョンが持てないものかと気が重くなってきた。

 

でも、今週から戦闘開始モードで、頑張ろう。

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