読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

新規がん罹患数100万人超え;これでいいのか日本のがん医療は

医療(一般)

国立がん研究センターが、我が国の2016年度の新規がん罹患者数が、100万人を超えるとの予測を発表した。死亡者数予測は37万人を超えるとのことだ。以前にも述べたが、日本では、がんが死亡原因の第1位となったのは1971年である。それを受けて、対がん10か年計画が策定された。その10か年計画もその存在があるのか、ないのかわからない状況となり、その結果として、国内から薬剤は生まれず、予防も今一つで、がん罹患数・死亡者数は増加の一途を辿っている。

 

ある記事では、「今回の予測値を実測値と付き合わせれば、がん対策でどれだけ罹患者、死者を減らせたかが評価できる」とあった。理解不能な文章だ。実測値と予測値が違っていれば、単に予測値が正確でないだけで、予測値より少ないからといって、がん対策の有効性が評価できるはずがない。私にも経験があるが、記事を短くする過程で、日本語として意味が通らなくなってしまう。

 

日本のがん医療での課題はこれまで何度も触れたが、がん予防対策に関しても、やはり甘い。その象徴が禁煙対策の遅れだ。今回の滞在中も、レストランに複数回行ったが、分煙といっても、禁煙サイドにもたばこの臭いは十分に漂ってくる。子宮頸がんワクチンも日本だけがガラパゴス化している。10-20年後に日本の子宮頸がん頻度が諸外国に比してダントツで高くとも、今の担当の役人は頬かむりで知らんぷりだろう。常に感情的に煽動しかしないメディアなど、最も無責任な種族といっていいだろう。

 

この国ほど、自分の職責中に目の前が静かであればいいと考えているような役人が跋扈している国はない。かつて、文部科学省から医療イノベーション推進室に出向していた役人が、「みんなに広く薄く配分して、文句・批判を最小限にすることが、我々の仕事です」と言っていたが、国家の将来に対して全く責任を覚えないこの発言が、今の日本を象徴している。自分にかかってくる責任を最小限にすることを目的化している連中が出世していけば、国のために必死で頑張ろうとする人間など出てくるはずがない。

 

私は100%本気モードで、プレシジョン医療を推進すべく、複数の手を考えており、10月には第1弾を公表したい。前回の怒りのブログ後、多くの方から、激励・期待・不安・批判が寄せられた。今回初めてであるが、皆様の声を聴いてみたい。私のコメントや、AMEDを含めた現状の課題について、皆様の考えを、是非、ynakamura@bsd.uchicago.eduにお送りください。