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世界に発信できる『日の丸』がん治療を(4)-人工知能

医療(一般)

シカゴに来て、5度目の米国独立記念日を迎えた。この1週間は、比較的涼しく、最高気温が25度を下回る日が多かった。今日は、朝から曇天で、外を歩くと心地よい。大学ヘ向かう道筋は、祝日でひっそりと静まり返っており、人影はまばらであった。今日のような清清しい気候の中、通勤路に咲く色とりどりの花、そして、文化的色彩の強い建物を眺めながら歩くと、ずっとシカゴで暮らしていたいと思ってしまう。

 

米国に住んで4年4ヶ月になるが、日米の差をもっとも痛感するのが、「国」という存在に対する忠誠心というか、愛情、誇りだ。私など。「日の丸」を目にすると背筋がシャキッとするし、「君が代」を聞くと天皇陛下と桜の花・富士山が脳裏に浮かぶ。日本では、今でも、軍国主義の象徴と拒否感を示す人たちが少なくないが。「国の将来のために」というと、すぐに右翼的思想だと批難されそうだが、やはり、日本人としての長く続く歴史・文化を築いてきたのだから、日本人としての誇りを失わないように生きたい。そして、現状の日本を見て、日本という国の将来を憂うのは、日本人として当然だ。

 

「自衛隊の予算を、人を殺すための予算」と批難した政党の役員が辞職したが、これも当然だ。東北大震災などの災害救助だけでなく、日本という国を守ろうと頑張っている隊員に対してあまりにも不見識だ。政治の分野だけでなく、すべての分野において、日本という国が直面している危機に対して、鈍感すぎるのではないかと思う。

 

医療の分野でも、人工知能の持つ重要性をあまりにも過小評価しているように感じてならない。スーパーマーケット、空港のチェックインの自動化も進み、将来はロボットなどが対応することは確実だ。医療の分野は、他の分野に比べて、情報量が増加量が半端でなく、かつ、高度化している。われわれの脳の記憶容量が、現在の情報過多時代に対応可能とは考えにくい。おそらく、自分の記憶に基づいて判断し、医療行為を実施するのではなく、人工知能の補助の元に医療が実践されていく日が来るのはそんなに遠くないだろうと思う。

 

人間が人間の限界を知り、自分の限界を補う方法を真剣に考えていかなければならないと思う。医師免許のあり方、医師の生涯教育のあり方も考え直さないと、世代間格差が生じてくるかもしれない。私も、同世代に比べれば、PCなどを使いこなせる方だと思うが、若い世代には完全に取り残されている。自分が時代に取り残されつつあることを認めるのは悔しいが、現状を認識しなければ、もっと差が開くばかりだ。このギャップを埋めるような、誰でも簡単に利用可能な人工知能の開発が必要だ。

 

そして、医療の現場では、もっと切実だ。人工知能によるインフォームドコンセント、人工知能による遺伝子情報に基づいた薬剤の選択、人工知能による患者さんへの病状説明、人工知能による遠隔地医療など、これからの課題は大きいし、これなくして医療の発展はないと思う。

 

来週、香港を訪問するが、そこで、元BGI(北京ゲノム研究所)社長のJun Wang氏と面談することになっている。彼は、昨年、彼の元同僚たちと一緒にiCarbonXという人工知能の会社を立ち上げた (http://www.icarbonx.com/en/managementTeam.html)。私とは親子ほど年齢が異なるが、何か日中で協力できることがあれば、やってみたいと思う。医療分野での人工知能は、米中が競う時代になるだろうが、何とか日本国内で一矢報いたい。医学・医療分野は「日の丸」の元に結集すると言いながら、テーブルの下で足の蹴り合いを続けている。国の将来のためには、気持ちを一つにすることが必要なのだが、政治と同じで、低次元の批難合戦をいつまで続けているのだろうか??

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