がん撲滅に向けた情熱を!

ニューオリンズ出張の疲れが取れない。週末をはさんで学会があると、12日間休息が取れないので、体力的に厳しくなってきた。1年間364日間働き続けたのが、遠い夢のように思えてならない。今考えると、よくあれだけ働き続けることができたものだと思う。ニューオリンズへの飛行時間は2時間前後であったが、2時間前に空港に行き、空港から1時間を含むと、片道は5-6時間となる。特に荷物検査は時間が読めないので、2時間程度のゆとりは必須だ。これだけで、疲れがたまる。

 

荷物検査については、私は事前登録にしているので、普段は長くても15分程度だが、これも絶対的ではなく、数時間かかる時がある。現に、研究室員の一人は、荷物検査に2時間を要し、飛行機に乗り遅れた。翌日も直行便が取れず、ニューオリンズに1日半遅れの到着となった。しかし、これは余裕を考えて行動しない本人の問題で、航空会社に文句は言えない。

 

そして、ニューオリンズでも、元の部下がホテルで災難に見舞われた。ホテルの部屋で寝ている間に、財布のドル札だけを抜き取られたというのだ。クレジットカードも日本円も手付かずだったが、ドル札はすべて消えていたという。私は銀座のホテルで災難にあってから、部屋に入るとすぐに、必ず内鍵をかけるようにしているが、彼は鍵をかけていなかったそうだ。昔、パリのホテルで私のボスが目を覚ますと部屋に見知らぬ男がいたことがあったと聞いたが、やはり、日本の平和ボケの基準で考えてはいけない。

 

しかし、ニューオリンズで感じた、がん免疫療法に対する熱気は冷めやらない。オンコセラピー社がテラ社と、ネオアンチゲン+ワクチン療法で提携することをプレス発表した。昨年の秋から話し合いを続けていたそうだが、ようやくまとまってよかったと思う。もちろん、汎用性の高いオンコアンチゲンは、このまま継続すべきだ。医療費の観点からも、すでに安全性が確認されている観点からも、免疫反応が確認されている観点からも、貴重なアプローチであることは間違いない。日本でのワクチン療法は歴史があり、十分な基盤はある。築地の新聞社の歪んだ記事さえなかったら、今頃、日本が世界の最先端を誇っていたかもしれないと考えると、悔しい。国益を損なっているのは慰安婦問題だけではない。

 

そして、前回も紹介した、ネオアンチゲンを世界で初めて提唱したハンス・シュライバー教授とも2日前に話をした。彼は先駆者である自分の手で、臨床応用し、患者さんが元気になる姿を見たいと願っている。私より10歳くらい年上だが、がんと闘う気持ちは、私に勝るとも劣らない。それに対して、日本の若い人たちの、なんとなく諦めたような、不満顔を見ていると、寂しい気持ちになる。シュライバー教授と私のがん克服に向けた情熱を合わせると、若手日本人研究者の1000人分よりも熱いだろう。

 

私も絶対に諦めない。抗体医薬品、分子標的治療薬、がんワクチン、これらを世に出すまで、周りを叱咤激励しつつ(怠け者からはパワハラと糾弾されるかもしれないが、私の生き様は変えようがない)、自分でも走り続けるしかない。昨日も、私に提出した論文があまりにもいい加減だったので、久々に大声で怒鳴ってしまった。とにかく、責任感というものに欠けるのだ。まるで、居眠りをしながら、外科手術しているようで、ふざけるなと言いたい。

 

人間だから間違いはあるのは仕方がないが、不注意で周りに迷惑をかけても、平気な人間を見ているとストレスが溜まる。患者さんのために、再び鬼になって若者を鍛えなおそう!

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