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患者さんからの期待

1か月ほど前に、フランス人の医師から、「学会でシカゴに行くので、もし、時間が取れるなら会いに行きたい。OTS964(TOPK阻害剤)について話を聞きたい。」とメールがあった。「日曜日のプライベートな時間で申し訳ないが・・・・」と添えてあったので、今日、訪問を受けることになった。学会のついでとはいえ、フランスに住んでいる方から、丁寧に書かれたメールをいただき、会いたいと言われて、断れるはずがない。

 

フランス人の方は、予想通り、自分の病気の事、いかに、この薬に期待をかけているのかを切々と話をされた。パリから少し離れた病院で勤務され、そして、治療を受けておられるそうだ。口調は穏やかだが、自分の置かれている状況の厳しさが伝わってくる。患者さんや家族からの期待は痛いほどわかっている。そんな期待の大きさに、押しつぶされそうになるが、こんな時には母の写真を眺めて、自分を鼓舞するしか方法がない。いつもは穏やかな母の表情を歪めるほどの痛みで苦しめた、がんという病気に100倍返ししてやると気合を入れ直すのだ。

 

大統領予備選挙で奮闘しているトランプ氏は、「攻撃を受けると100倍にして、相手を口撃し」、ライバルを蹴落としているのが、人気を博している理由の一つだと解析しているメディアがあった。しかし、共和党の討論会は、品がなかった。まるで、日本の野党の、対案なき批判、個人的な攻撃を繰り返している様が重なる。今、民主党のクリントン氏とサンダー氏の討論会を聞きながらこのブログを書いているが、具体的に数字を挙げながら譲らない姿勢で、なかなか聞いていて面白い。

 

日本でも、もっと国のビジョン、具体的な政策議論をして欲しいものだ。がん対策もお粗末だし、感染症ワクチン対策もお粗末だ。子宮頸がんワクチン、風疹ワクチン、麻疹(はしか)ワクチンなど、感情的なメディアの煽動で、日本だけが国際的な基準から、置き去りにされている感がある。これも、前回触れた、Public Healthという概念の不十分さが課題だ。

 

今日は、フランスからの客人と話をしたためか、患者さんからの期待という重圧を跳ね返すという気持ちが少し高揚している。クリントン氏とサンダー氏の激しい議論を聞きながら、国のためにネバー・ギブアップと思う。がんを徹底的に叩きのめし、がん患者を助け、国に貢献しよう。

PS: サンダース氏がシカゴ大学時代のエピソードを話していたので、確認したところ、その通りだった。クリントン氏もシカゴ郊外に住んでいたと言っていた。

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