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最悪の米国のサービス文化

ようやくシカゴに戻ってきた。ホテルを出たのが、午後7時30分(シカゴ時間の午後11時30分)、自宅到着が翌日の午後2時30分なので、15時間の長旅である。東京に行くのとほとんど同じ時間がかかる。乗り換えのない分だけ、日本へ行く方が便利だ。

 

しかも、ハワイのホテルで、ひと悶着あった。昨日、会議に参加している時に、ハワイの電話番号で連絡が入った。リムジンの確認電話かと思い、会場を出て折り返しの電話を入れた。すると、電話の向こうでおばさんが、まくし立てた。「4時45分にリムジンを手配していたのに、どうして来ないのだ。」「少し待ってもらったが、来ないので帰ってもらった。お前のチェックアウトは明日になっているではないか。」突然、激しい口調で詰問する。

 

私が冷静に、「私の飛行機は午後10時40分で、あと2時間後にチェックアウトする。ホテルでのピックアップは7時40分のはずだ。」と返答しても、「7時40分の予定はないし、リムジンは帰って行った。7時40分には車は手配できない」とまくし立てる。同じことを繰り返し言うので、「私の手元には7時40分の予約表がある」と言ったが、「そんな時間には予約は入っていない」と激しい口調で非難し続ける。どちらが客かわからない。

 

私も、つい、いつもの冷静な姿勢を失い、思わず、「10時40分のフライトなのに、5時前に予約するはずがないだろう。会社に問い合わせろ。」と怒鳴り返す。いくら言っても埒があかないので、予約をしてもらったアメリカ癌学会の担当の人に連絡を入れてもらったところ、ようやく相手も理解したようで、7時30分にロビーに来て欲しいという話に落ち着いた。もちろん、私が電話した相手は、私を非難したことを謝罪することもない。

 

これが典型的なアメリカのビジネスだ。分業化が進んでいるので、予約をする人、予約に基づいて客に取り次ぐ人が別なので、連絡ミスがあっても確認もせず、時間通り来ない客の責任となるのだ。飛行機がキャンセルになって、別の便を手配する担当者は決して「I am sorry」などと言わない。「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」などという気持ちは全くなく、淡々と振替便を手配するのが自分の仕事だと割り切っている。マニュアルに決められた自分の仕事を果たせばいいのだ。これがアメリカ式のビジネスなのだ。日本のがん診療医にも、マニュアル通りが増えてきたが。

                                                      

そして、デンバーからシカゴへのユナイテッド航空便でも不快なことが起こった。私は一番前の席に座っていて、昼食にスモークサーモンサラダを注文した。しばらくして、隣の席の客にチキンを持ってきた乗務員が、私にもチキンを持ってくると伝える。ハワイ時間では早朝で、とてもグリルチキンなど、お腹に入る状態ではない。やんわりと、サーモンを頼んだはずだがというと、「ユナイテッドのカードメンバーが優先で、サーモンがなくなった」と言う。しかも、リムジンと同じで、「I am sorry」とも言わない。日本の会社のように、申し訳ありませんがという態度ならともかく、「あなたは、ユナイテッドのメンバーで登録していないので後回しだ」と言われると、ムッとする。確かにANAのマイルで登録したのだが、何がスターアライアンスゴールドだ。こんな差別をするなら、最初から、「他のアライアンスメンバーは優先度が低くなる」と明記しておけと言いたくなる。ふざけた話だ。

 

日本の企業では各部署が連携して、一つのサービスを提供しているという意識が高い。みんなが「おもてなし精神」をもって対応している。だから、日本を訪れた観光客は、また来たいと思うのだ。米国は転職が多いので、組織に愛着を持たない。すぐに代わりができるように、作業の責任分担を徹底しているのだろう。日本のサービス文化は、米国のそれよりも優れているとしみじみ感じた移動だった。

 

おまけに、少しは心が痛んだのか、乗務員が代わりにナッツを持ってきたので、それを自棄食いした。飛行機を降りるときには胃がむかむかしてきた。散々な帰路だった。今日明日は、ゆっくりと休養を取ろう。

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