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「安い」薬ではなく、「有効な」薬の優先を

どうも体調が優れないので、思い切って糖尿病の薬を変更してみた。すると1週間ほどで、空腹時血糖は正常範囲内に落ち着いてきた。シカゴに来る前に処方されたジペプチジルペプチダーゼ阻害剤という種類の薬剤を服用していたが、短期間は調子はよかったが、運動をしても、健康診断の数値は悪くなる一方だったので、抗腫瘍効果と長生き効果が期待されるメトフォルミンに代えてみたのだ。

今日は、頭もすっきりとした感じだし、仕事がはかどった。一気に仕事が片付いたので、余った時間に、気になった薬剤変更に伴う薬剤費の違いを薬価ベースで比較してみた。これまでに服用していた薬剤は、(私が服用していた量をもとに計算すると)年間で約54,500円となる。それに比して、メトフォルミンは約7500円で、7分の1の価格となる。私のような患者が1万人いれば、薬剤を代えることによって5億円弱の薬剤費の節約が可能だ。100万人いれば、500億円だ。体調がよければ、生産性も上がるし、糖尿病に付随した合併症も減り、全体としての経済効果は非常に大きい。また、メトフォルミンは長生きにつながる可能性も示唆されている。私のような頑固人間が長生きして喜ぶ人はあまりいないだろが。

もちろん、糖尿病を起こす仕組みに応じた薬剤の選択が必要だし、メトフォルミンは頻度は不明だが、乳酸アシドーシス・肝機能障害・横紋筋融解症などの重篤な副作用を引き起こすことが報告されているので、注意が必要だ。繰り返して述べているが、副作用が起こらない薬剤など無いので、その原因を解明するためのゲノム医療研究の推進が不可欠だ。いずれにせよ、ジェネリック医薬品の利用促進に関しては、いろいろと詳細に検討していく必要がある。量販店のように、安ければいいという考えでは無理がある。

日米欧の大手製薬企業は、高価な新薬を開発し、販売することが生き延びるために必要だ。しかし、国は医療費の増加を抑えるために、安い薬剤の利用促進を進めなければならない。ただし、これも繰り返しになるが、医療費抑制を叫ぶ人たちに、安価な薬剤を、安全で効率的に利用し、医療の質を保っていくと言う考えが、どの程度認識されているのか、疑問に思えてならない。ただ単に安い薬剤の利用を薦めるのは、前近代的な発想だ。安い薬剤を利用して、効果が無ければ、病気が悪化したり、罹病期間が長引き、医療費を押し上げる一因になりかねない。副作用が出れば、もっと非効率的だ。

将来の医療や医療費を議論する際に、「医療の質」を第一義的に考えるべきなのは当然なのだが、日本国内では、これが無い。この重要案件が、政治の話題として取り上げられることも無い。スキャンダルは激しく追求しても、支持率には影響しないことが報道されている。国民が望んでいるのは、この国をどうするのかという将来に対するビジョンなのだ。いったい、何十年間、不毛なスキャンダル騒ぎで国会の議論を費やしているのだ。

朝鮮半島ではミサイル発射の準備が進んでいると言うし、高齢化に伴う医療問題も待ったなしだ。

(追伸)落ち着いたと思ったら、またぞろSTAP細胞事件で、「小保方氏」の反撃だ。売れれば何でもありの出版業界だが、ネットニュースから漏れ伝わる内容を拾い読みする限り、「逆恨み」の類ではないのだろうか?

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