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(;´д`)トホホのクリスマス休暇

雑事 医療(一般)

私は人生で初めての「クリスマス休暇」なるものを取った。カリブ海に面するリゾートで美しい海の眺めを楽しみながら、ゆっくり過ごし、気分は爽快のはずだったが、悔いと疲れが残った。

オールインクルーシブ(All inclusive)というシステムで、ホテル代に食事・ビーチサイドやプールサイドのスナックや飲み物がすべて含まれ、チェックイン後は、食べ放題・飲み放題となっていた。ビュッフェ式のレストラン以外にも、ステーキ、メキシカン、イタリアン、フレンチのレストランが付属施設としてあった。ビュフェ式の以外のレストランは予約要で、毎朝8時に予約受付となっていたが、朝8時に電話をかけてもつながらず、20-30分してつながった時には予約いっぱいという、日本では詐欺と呼ぶようなシステムだった。

また、バーの近くに部屋があったため、午後11時-午前2時のディスコタイム(もちろん私には無縁だ)には低音振動が伝わるし、客が出入りするたびに大音響が漏れてくる最悪の環境だった。3日目に、堪りかねて部屋を代えてもらったが、不眠で最悪の状態だった。音楽は午前2時に止まったが、頭にきて血圧が上がったためか、なかなか寝付けなかったのだ。

また、4日目の朝には、3階で配管が詰まり、部屋の前の廊下は汚水でびしょ濡れ、悪臭が漂う、逃げ出したくなるような状況だった。部屋の外では、廊下の天井と壁を壊し、突貫工事をしていた影響か、洗面所やトイレの水は流れない。パラダイスと名の付くホテルだったが、これではプリズン(監獄)以下だ。しかも、名物の白浜は、5か月前から異常発生した、茶色い海藻で景色も台無しだ。 

しかし、プールに入ると、まるでカリブ海で泳いでいるような錯覚を覚える絶景が控えていた。また、大みそかの夜はビュフェでも豪勢な食事が出たし、素晴らしい初日の出を眺めることができた。人生悪いことがあれば、いいこともあると気を取り直し、昨夜、シカゴにたどり着いた。慣れないことをすると碌なことがない。 

と冗談のような休暇だったが、それにも増して、私の心が痛んだのは、患者さんからのメールだった。子供の時に急性骨髄性白血病に罹り、治癒したものの2次がん、3次がんに罹患し、治療法が尽き果てた進行がん患者さんの姉妹(お姉さんか、妹さんかはわからない)からの問い合わせが送られて来た。休暇中にはメールなど見ない方がいいとわかっていても、そして、読んでも休暇を終えてから返事をすればいいとわかっていても、そうできないのが私の性だ。

そして、メールを返送したところ、今度は患者さん本人からメールが送られてきた。そこには、化学療法で髪が完全に無くなった患者さんと10歳前後の二人の子供さんの写真が添付されていた。メールなど見なければよかったと後悔しても、後の祭りだ。心にずっしりとくる写真だった。この写真と患者さんからの悲痛な文章の前では、「私にも休暇を楽しむ権利がある」など、強弁できるはずもない。心は完全にノックアウトされた。と言っても、すぐにシカゴに帰ることもできない。このような日々を送っている患者さんのことを考えると、夕食のレストランの予約が取れないことなど些細な事と片付けるべきなのだ(と理解しつつも、宿泊代を考えると未練が残る自分が恥ずかしい)。 

月曜日にこの患者さんと電話で話をすることになっているが、今の私にできることは励ますことくらいだ。これは、神様からの叱咤激励なのだ。これまでの私の生き様と、クリスマス休暇などミスマッチに決まっている。患者さんの笑顔を取り戻す日が来るまで、自分を律して頑張るしかないのだ。 

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