読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

国立がん研究センター講演会―0

医療(一般)

明後日から、10回程度のシリーズで、国立がん研究センターで行った講演会内容をもとに私のがん研究の歴史をお話ししたいと思う。一昨日の講演会は若手の会主催ということで、若手研究者、特に国立がん研究センターの研究者・若手医師に伝えたいことを中心に話をした。「私が何をしたかではなく、私が何を考えて研究に取り組んできたのか」その思いを伝えたいと、冒頭に断って話を進めた。講演会の内容はすでにこのブログで紹介したことと重複するものも多いが、それはお許しいただきたい。これは私の研究者としての記録・人生の記憶だ。

 

実は、講演の途中で、シカゴに治験を求めて訪問された患者さんの話をする際、患者さん母子がタクシーに乗り込む姿を思い出し、思わず胸が詰まって、言葉が出なくなってしまった。私の成果に希望を求めてシカゴまで来られたにもかかわらず、絶望して日本に帰っていかれた患者さんを思い出すたびに、胸が痛むし、自己嫌悪に落ちる。織田信長のような生き方だけでは、患者さんを救えないと、改めて思い知らされた瞬間だ。しかし、公衆の面前で涙を浮かべてしまったのは、いただけない。そんな自分が2晩過ぎた今でも恥ずかしい。

 

しかし、それも含めて、録音してもらった講演の様子を書き起こして、私が何を思い、歯を食いしばって研究に没頭してきたのかを、若い研究者に残しておきたいと思う。いよいよ、明日朝にシカゴに戻ることができる。機内で、そして、シカゴで講演会の模様をまとめ、さらに加筆・修正して、私の人生そのものを伝えたい。

f:id:ynakamurachicago:20151016101456j:plain