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大阪活性化への道

今、ヒューストン空港にいる。MDアンダーソンがんセンターを訪問した帰りだ。ヒューストンはNASA,エネルギー産業が産業基盤だったが、今や、医療都市ヒューストンの印象が強い。その象徴的なものが、MDアンダーソンがんセンターだ。このがんセンターは医学部を持っていないが、がん専門病院として、国際的な地位を確固たるものにしている。米国内だけでなく、世界中のがん患者さんが希望を求めてこのセンターを訪れる。築地の国立がん研究センターにはない、患者さんの希望を提供する活気が、ここにはある。

 

久しぶりにこのセンターを訪れたが、その発展には、目を見張るものがあり、現在、従業員数は2万人を超えている。近くにあるベイラー大学なども有名だが、これら医療を背景として人口が増加し、2-3日前にシカゴを抜いて全米4番目に人口が多い都市になったと報道されていた。医療やそれを取り巻く産業を活性化して、医療都市を目指したことが、成功をおさめたと言える。

 

リーマンショック後に、日本国内では企業からの法人税が激減したが、製薬企業からの税収はほとんど影響されなかった。住宅、車、電気製品などを購入することは先延ばしにできても、病気を治すことは先送りできない。世界の経済状況が混乱しても、医療は最も影響を受けにくい分野だ。感染症が起これば、抗生物質や抗ウイルス剤の投与は不可欠だし、がんが見つかれば、治療を1年も、2年も先まで待つことなど命取りだ。近藤誠氏を信じる人には通じない話だが、科学的に考えれば、絶対に治療を回避・放置してはいけない。抗がん剤の副作用が強く出て苦しむ人がいるのは事実だが、何もしなければ確実に死が待っている。

 

話を戻すと、私の住むシカゴが第4位になったと聞いて思い浮かんだのが、私の故郷の大阪だ。大阪は東京に次ぐ日本第2位の都市だったが、いつの間にか横浜に追い抜かれた。シカゴは大阪の姉妹都市で、科学博物館裏の公園には大阪ガーデンがある。二つの都市は商業の町として発展したが、新しい産業が生まれず、町に活気がなくなっている。

 

関西空港近郊に医療産業を誘致して経済の発展につなげるという計画を聞いたことがあるが、今や跡形もないように思える。神戸市のポートアイランドは、京都大学の出島のようになって、新しい産業基盤が構築されつつある。阪神大震災からの復興の一環だが、着実に計画が進められつつある。

 

それに比して、大阪は二重行政解消のための大阪都構想が議論されているものの、大阪をどのような形で発展させるのか、青写真が見えない。橋下市長が、政治家を本当に辞めるのか、前言を撤回するのか、興味が尽きないが、政治家として生きていくなら、是非、大阪をヒューストンのような医療都市にする構想を練ってほしいものだ。今の日本には彼のような突破力のある人材が必要だと思う。

 

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