驚愕のビジネスホテル

今、成田空港にいる。日本滞在70時間弱という強行軍の出張である。日本から講演依頼があると、昔、お世話になった方からのものであると、義理人情に厚い身としては、すでに予定が入っていない限りお引き受けすることにしている。しかし、シカゴの生活も次第に忙しさが増し、お断りしなければならないことも多くなってきた。2泊4日だと可能だが、と思う時など、自分の年齢と体力を考えると、申し訳ないが、お断りせざるを得ない。

 

今回の出張は、到着日は8月6日、出発日は8月9日と、広島・長崎に原子爆弾が落とされてから70周年目の記念日である。二つの町には何度も訪れたが、広島の記念館に行くたびに戦争の悲惨さを改めて感ずる。2度と繰り返してはならない悲劇である。戦後70年間、日本は戦争に巻き込まれずに来た。血を流したくないとみんなが思っているはずだが、「憲法9条があったから、血を流すに済んだ」というが、このロジックは私には理解できない。

 

自分から仕掛けることがなくとも、力に圧倒的な差がある場合に、攻め込まれればお手上げなのだ。破れかぶれの攻撃の可能性も否定できない。私は武器を持っていないし、争いは嫌だ、憲法9条の精神で生きているのだと言っても、そんなことが強盗に通用するはずがないのだ。戦争そのものや、戦争に至った過程への反省は必要だが、余りにも世界の情勢に対して盲目的で、理想主義が過ぎるように思えてならない。

 

日本に帰ってくるたびに、日本は安全だとつくづく思う。少々暗い道を歩いても危険を意識することなどほとんどない。そんな環境で育ったために、安全を確保するために割かれている努力や経費を理解していないのだと思う。シカゴはかつてギャングがのさばっていた。もちろん治安はとんでもなく悪かったそうだ。警察の力(抑止力)で治安を回復してきたのである。それでも、冬になって日が早く暮れると、帰宅時は周りに目を十分に配って歩かなければならない。

 

と思っていたが、昨夜、宿泊したホテルでとんでもない目にあった。盛岡から10時過ぎに東京駅に到着する新幹線で戻ってきた。今朝は早いので自宅に戻らず、東京駅近くのビジネスホテルに予約していた。東京駅から10分ほど歩いた「ホテルxxx銀座xxx」である。寝るだけなので数万円のホテルはもったいないと思ってビジネスホテルにしたが、とんでもないホテルだった。

 

建物は新しく、部屋は清潔だったが、ホテルとしてはあるまじきことが起こった。チェックインして部屋にいったところ、先客がいた。カードキーなので、普通はダブルで部屋を割り当てることなどないはずだが、部屋を開けると人がいた。こちらも驚いたが、向こうはもっと驚いたようだ。当たり前だ。怒りを押し殺して、フロントに苦情を言う。当然ながら、別の部屋を割り当てられる。あまり悪びれた様子でないフロントの対応に頭が来たが、疲れていたので静かに部屋に向かう。すると、何と、何と、また、部屋の中に人がいるではないか。中にいた女性が驚いてこちらを見る。「申し訳ありません。」と言い、足早に立ち去る。

 

温厚な私も、これでは我慢の限度をはるかに超えている。「いったいこのホテルはどうなっているのだ。」とフロント係に叫ぶ。フロント係は、汗をかきながら、再再度カードキーをくれた。黙って手渡すだけなので、「一緒に来て、確認してください」と厳しい口調で言うと、「ハイィ」と緊張した声で案内してくれた。3度目の正直。今度は部屋の中に人はいない。当たり前だが!いったいどのようなプログラムで部屋割りをしているのか、信じられないシステムだ。

 

もし、シャワーでも浴びている時に、見知らぬ人が入ってくると想像するとゾッとする。部屋に入ると、内鍵を速やかにかけて、荷物を解いた。東京のど真ん中に、安心して泊まれないホテルがある。みなさん、要注意です。ホテルでは必ず、内鍵をかけましょう。

しかし、あまりの暑さと、いろいろと心労の重なることがあり、体調は良くない。頭は重いし、首から左腕にかけてしびれと痛みが走る。しっかりと飛行機の中で睡眠を取らないと!

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