読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「介護は重労働で低賃金」?!教科書記述

読売オンラインに「『介護は重労働で低賃金』教科書記述の修正に賛成?反対?」と読者から意見を聞くコーナーがあった。記事には、「特別養護老人ホームの運営法人でつくる全国老人福祉施設協議会や日本介護福祉士会などが「中学社会 公民 ともに生きる」(教育出版)と高校向けの「最新現代社会」(実教出版)に、不適切な表現があると指摘しています。」とあった。人手不足への危機感から、業界が注文をつけたそうだが、私には、何がどう不適切なのか、よくわからない。

「重労働」には違いないし、一般的に「低賃金」であることも事実である。介護を充実されるためには、働き手が、仕事に誇りを持ち、その労働に見合った対価を得ることができるようにすべきである。業界がすべきことは、事実を覆い隠すことではなく、介護に携わる方たちが、十分な対価を得ることができるように働きかけることではなかろうか?私なら、教科書の記述を逆手にとって、「教科書に『介護』について、このように記載されている。このような評価が定着するようでは、将来の介護の担い手がいなくなる。国としてしっかり対応して欲しい」と要望する手段に利用する。

介護は超高齢化社会の日本にとって極めて重要な分野である。認知症の奥さんの介護に疲れ果てた老人が、奥さんを殺したとのニュースを目にしたが、介護の充実は急務である。低賃金の改善は言うに及ばず、重労働を軽減するためのロボットの開発などは、介護の質を向上し、産業活性化にもつながるはずである。介護に携わる人たちの賃金引上げは不可欠だし、それを税金で負担するのも当然だと思う。

肝に銘じなければいけないことは、事実を捻じ曲げれば、「KAIZEN」は生まれないことである。この「KAIZEN(改善)」という言葉は米国社会にも定着しつつある。シカゴ大学内でも、「KAIZN」が進められている。しかし、改善する前提として、現状を正確に把握することが必然である。「言霊」ではないが、ある言葉を使うと悪いことが起きる、嫌いだからといって、事実から目を背けていては、永遠に改善はできない。

医療現場でも、改善すべき点はたくさんある。「人間は必ずミスをする」ことを前提に「KAIZEN」を図らなければ、何かが起こるたびに個人に責任が転嫁されて、ミスを防ぐための体制やシステムの「改善」が置き去りにされる。当直明けで、一睡もせずに、翌日普通に勤務していて、ミスが起こらないほうが不思議だ。医師による処方の間違い、薬剤師による薬の取り違えなど、現在のIT技術を取り入れれば劇的に減らすことができるはずである。ICチップなどうまく利用すれば、取り違えミスは回避できるし、一緒に服用してはいけない薬剤の処方を防ぐことなど簡単だ。

ドクターXではないが、医師免許や薬剤師免許がなくてもできるような仕事を、医師や薬剤師に押し付けなくて良いような体制の構築を速やかにして欲しいものだ。

 f:id:ynakamurachicago:20150721120959j:plain