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防ぎようのない新幹線内の焼身自殺

新幹線内で男性が自殺をして、巻き添えになった女性が一人亡くなった。いかなる理由があるにせよ、このような犯罪行為を容認することはできない。しかし、どう考えても予測不能だ。しかし、日本のメディアは私の期待を裏切ることなく、対策は万全だったのかなど、無責任な議論に走っている。安保議論の反対派は、この焼身自殺を新幹線テロにつなげ、安保法案を反対するために利用している。変な国だ。

 

新幹線の爆破テロを防ぐために荷物検査などを導入すれば可能かもしれないが、利便性は著しく損なわれる。新幹線の安全性を損なうことは、日本にとって大きなダメージになることには違いない。しかし、新幹線だけを不安視することを疑問に思う。大都市の朝のラッシュアワーの人口密度の高さは新幹線の比ではない。当然ながら、東京や大阪のJRや私鉄も標的になる可能性もあり、新幹線の荷物検査などにどれだけ意味があるのだろうか。

 

また、国民や利用者が、高い対価を払って、利便性を著しく損なうような荷物検査などを望むとは思えない。ましてや、今回の事件は、個人レベルの突発的な問題であり、防ぎようがないと思うのは私だけなのか?JR東海の不備を問う声が、むなしく響くだけだ。

 

テレビのコメンテーターは、煙が充満したのは、緊急停止と共に電源が切れ、換気が止まるのが問題だと言っていた。しかし、この措置は火災など緊急事態で漏電が起こると消防士などが高圧電流に晒されるために自動的に電源が切れるようになっているとのことだ。もし、漏電で感電事故が起こると、その時には、なぜ、電源を切らないのかと責めるに違いない。

 

シカゴにいると安全を守るには警察などによる抑止力、防犯対策が不可欠だと実感しているが、誰かが対価を払う必要がある。警察ならば税金が原資になるし、私的な企業であれば製品価格、交通機関であればチケット価格に上乗せされるのは常識である。日本の医療費の議論でもそうだが、「お金は払いたくないが、質の高い医療を受けたい」と言っても単なる我儘に過ぎない。

 

国の安全保障に関しても、無防備でいて安全が保証されることなどありえないと思う。2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、テロ対策などを強化する必要があるようだが、これには国としてできる限りの方策を行う必要がある。監視カメラなどの設置など不可欠だと思うが、これに対してはプライバシーの侵害などと批判している人もいる。どうしろというのか、いつも疑問に思う。監視カメラなど安全対策として極めて抑止的に働くことは確実であるが、日本では、利益・不利益を相対的に議論することが難しい。

 

しかし、今回のような個人レベルでの突発事件には手の打ちようがないのが現実ではないのか?組織的な犯罪ならば、何らかの兆候を察知できるかもしれないが、おかしな人の突発的犯行を予測することなど、できるとは思えない。事件の背景を知ることが、同じような犯罪の回避につながるという声も、私は信じていない。人間の環境や行動パターンの多様性を知れば知るほど、極端な例は予測しようがないと思えてならない。

 

今回のような犯罪を防ぐことができれば、いいに決まっているが、対費用効果や利便性も考えないで無責任な議論をすることはどうかと思う。

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