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Precision Medicine

医療(一般)

札幌がんセミナーが終了し、今、千歳空港にいる。きれいな青空を期待していたが、まったくの期待外れに終わった。しかし、久々に北海道にいる研究室OBにも会えたし(20人も集まってくれて嬉しかった)、新たに学んだこともあり、有意義だった。

 

今回のオーガナイザーは私の教室出身の東京医科歯科大学の稲澤譲治教授だった。私は1999年にこの札幌がんセミナーのオーガナイザーを務めたので、なんとなく感慨深いものがあった。セミナーの最後の講演者はフィンランドのOlli Kallioniemi教授で、16年前のセミナーにも招待した人で懐かしかった。

 

 

しかし、Kallioniemi教授の取り組んでいるプロジェクトは、まさに私がやりたいと思っていることであり、「うーん」と思いながら話を聞いていた。急性骨髄性白血病をモデルに、遺伝子異常をもとに薬を選択する。もし、遺伝子異常と利用可能な薬剤がマッチしない場合には、現在利用されている薬剤、あるいは、治験中の薬剤の中から、患者ささんの白血病細胞を殺す可能性のある物質を探し出すというシステムだ。

 

米国のNCIとアメリカ臨床腫瘍学会も遺伝子異常をもとにした臨床試験計画をアナウンスしたし、日本の遅れは絶望的だ。しかし、Kallioniemi教授は、可能性のある薬剤が見つかってもそれを利用するのが難しいと言っていた。ステロイドのように安価な薬剤は研究費の枠内で対応できるが、高価な薬の場合、製薬企業の協力なくして適応外使用は難しいし、治験中のものは規制当局の許可が得られにくいと嘆いていた。

 

世の中が大きく移り変わろうとしているのに、行政や政治に携わる人たちの知識が全くついていっていない。これまでも指摘してきたが、メディアのレベルも低すぎる。安全性は大事だが、科学的なデータに基づいた新しい体制作りをしないと、救える可能性のある患者さんが救えない。やはり、国立がん研究センターの解体的出直ししか道はないのかと、ついつい思ってしまった。

 

そろそろ飛行機が出発するので急がないと!

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