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だらしなくなった日本人!?

日本に滞在して1週間経った。新幹線や飛行機での移動もあったし、東京駅周辺も歩いたが。クールビズが定着し、ほとんどの人がノーネクタイなので、なんとなく日本人がだらしなくなったように感じてならない。学会の懇親会でも、海外からの参加者はきっちりとネクタイをしているが、日本人は大半がノーネクタイだ。

 

エネルギー対策として始まったクールビズだが、シカゴ大学病院の医師たちがネクタイをしているのを見慣れた今となっては、やはり、日本社会に締りがなくなったように思える。温暖化対策も重要だが、精神論的に何かがおかしくなっているような気がする。

 

話は変わるが、今、札幌がんセミナー参加のため、札幌にいる。そこで会った中国から参加した研究者に「5月に中国を訪問化した際に、発表者全員がPrecision Medicineという言葉を使っていたがどうしてか?」と尋ねたところ、習近平主席がPrecision Medicineの推進を進めていると言われた。

 

ウエブで検索すると中国政府が2030年までに1兆円を投資して、Precision Medicineの整備をするとあった。日本は置き去りだ。前を走っているランナーより、遅く走っていては、前のランナーに追い付き、追い越せるはずがない。この単純な理屈が通じないのが日本という国である。これで、医療を経済活性化の柱にすると言っているのがむなしく響く。

 

「とりあえず小額を通しして様子を見る」は霞が関でよく用いられる言葉であるが、思い切った投資をしない限り、世界と競争できるはずがない。読売新聞のネットニュースに「医療費抑制へ病気予防に重点を…中村・シカゴ大教授」との見出して記事が出ていたが(http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=120369)、記事の内容では私の講演の主旨が伝わらない。

 

重要な点は、各省庁の提案をまとめて束ねたものを「国家戦略」と呼ぶのではなく、「国家戦略」に基づいて、各省庁が責任を持って運用する制度改革が必要なことだ。また、一般の方に対する科学・医学教育、メディアの報道の在り方も指摘した。

 

米中のトップが「Precision Medicine」推進を謳っている中で、日本の将来を再生医療だけに託していいのか。日本人の二人に一人以上ががんに罹患する時代になって、がん対策がこのレベルでいいのか疑問だ。「Precision Medicine」の恩恵が最も期待されるのががん医療分野であるのは常識だ。がん予防、がんサバイバー対策、高齢者のがん治療など日本のがん医療体制は大きく遅れている。

 

何とかならないのか、日本のがん医療は!

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