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残念!橋下徹政界引退

雑事

橋下徹・大阪市長の推進する「大阪都構想」の住民投票は僅差で反対票が、賛成票を上回った。これを受けて、橋下市長は政界からの引退を宣言した。正直なところ、大阪都にすることによるメリットは私にもよくわからない。しかし、「橋下徹」という政治家を失うことは惜しい。多くの政治家が「言語明瞭だが、意味不明」の発言をする中で、「言語も、意味も明瞭な」メッセージを発信できる稀有な存在であったので残念だ。

 

政治は、「玉虫色の決着」や「あとで、どのようにでも解釈ができるようなコメント」を繰り返した。そして、これらのうやむやなままで済ませてきたツケが、ヘドロのように澱んで、日本という国の活力を奪い去ってきた。このような現状を打破する存在として、橋下氏のような活性化エネルギーが貴重だと感じていた。

 

しかし、ネットニュースで紹介された「私は大阪市で生まれたので、大阪市がなくなって欲しくないんです」という自民党議員の発言には、正直言って呆れかえった。誰だって、故郷は恋しい。その故郷の市町村名を無くしてきたのは、どこの党の政策だったのか、思い起こしてほしい。平成の市町村合併によって、どれだけの市町村民が、自分が生まれた故郷の市町村の名前を失ってきたのか!

 

大阪都にすることの政策的なメリット、デメリットで議論するのなら理解はできるが、「大阪市をなくしたくない」発言には、橋下市長から「勝手なこと、ぬかすな!」と一喝してほしかったと思う。こんな感情論ではなく、大阪をよくするために活動するのが政治家の使命ではないのか?大阪市の名前が残っても、大阪市の街の明かりが消えれば名前を残す意味など、いずれなくなる。

 

しかし、国政選挙や地方自治体選挙の投票率がどんどん下がる中で、3分の2の大阪市民が投票行動に参加したことは注目すべきだと思う。知事選挙などでは相乗り候補が増え、投票行動の意義が失われ、投票所に行かない人たちが増えてきている。その意味では、今回の住民投票は、民主主義にとって必要なものが何かを考える上で極めて重要であったように思う。

 

民主主義は、複数ある選択肢から、民意に最終的な選択を委託することで成り立っている。今回は、大阪都にすることによって、何がどう変わるのかがあまり明確でなかった(少なくとも、ネットニュースで読む限り、私にはよくわからなかった)。大阪市がなくなり、5つの特別区となることは繰り返し報道された。政令市でなくなると、予算が減って、住民サービスが低下するというのが、反対派の意見だった。一方、二重行政をなくすと、予算の無駄を省け、住民サービスが向上するというのが、大阪維新の会の構想であったと思う。

 

どちらの予測が正しいのは判断できないが、漠然と「大阪を活性化する」チャンスが奪われたような気がしてならない。大阪に元気がなくなっているのは、大阪に行くたびに感ずることだし、それを打開するには、現状を大胆に変革するきっかけが必要だったのではないだろうか?しかし、過半数が取れなかった以上、市民は現状維持を望んだということだ。そして、このまま、大阪市には漫然と時が流れていくのだろうか。橋下徹という稀有な政治家を思い出にして。そして、私の卒業した「大阪市立」文の里中学校も、その名前のまま存続する。

朝日新聞社と戦ってきた者として、そして、大阪府立北野高校・天王寺高校というライバル校を卒業した者として、一度はお会いしてみたいものだ。ついでに言うと、大阪市とシカゴ市は姉妹都市だ。私の部屋から見えるジャクソンパークには、大阪ガーデンもある。

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