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悪意のすり替え

昨日は表題のテーマに関して注目されるべき二つの動きがあった。ひとつは小保方晴子氏の「STAP細胞」に関しての刑事告発、もうしひとつは、朝日新聞社に対する約8700人による集団訴訟である。

 

大手の新聞社は取り上げなかったが、日本テレビが「ES細胞盗んだ…理研元職員が小保方氏告発」と放送した。テレビ朝日やスポーツ紙なども取り上げた。日本テレビによると「STAP細胞論文の問題を巡り、小保方晴子氏が別の万能細胞を盗んだ疑いがあるとして、理化学研究所(理研)の元職員が兵庫県警に告発状を提出したことがわかった。  兵庫県警に告発状を提出したのは理研の元職員・石川智久氏。」とあった。

 

告発者を見てびっくり!私のよく知っている石川氏である。最近、がんで奥さまを亡くされたとのメールを受け取ったばかりである。彼はファーマコゲノミクス研究に関係していたし、昨年、彼が親しいシカゴ大学の教授を訪問された際には、食事を共にした。しかし、理化学研究所内の横浜研究所にいたので、神戸にある小保方氏が勤務していたセンターとは接点がない。いったい、どうしたのだ。

 

ネットニュースなどによると、最大の問題点である「誰がいつどのようにして、実体のないSTAP細胞をESに替えたのか」に関して、小保方氏と判断できる根拠を得て、告発したとのことである。委員会は「すり替わった」と表現したが、細胞が勝手に歩くはずもなく、誰かがすり替えたことは、横綱白鵬ではないが、子供でも分かることである。もし、小保方氏がすり替えたとした場合、ばれないと考えたことは、愚かの一言に尽きる。

 

しかし、悪意の第3者が細胞をすり替えたとした場合、そして、その後の事態を想定していた場合、小保方氏、あるいは、理化学研究所やセンターにかなりの悪意が存在していたことになる。この「いつ、だれが、どのような目的ですり替えたのか」が明らかにならない限り、この問題はすっきりしない。果たして、直接の被害者でもない石川氏の告発がどう扱われるのか?

 

後者の朝日新聞社告発は、もろ手を挙げて賛成だ。読売新聞には「朝日新聞の「慰安婦」報道巡り、8749人提訴」のタイトルで、「朝日新聞社のいわゆる従軍慰安婦問題の報道で「日本の国際的評価が低下し、国民の名誉を傷つけられた」として、渡部昇一・上智大名誉教授やジャーナリストら8749人が26日、同社に1人1万円の慰謝料と謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こした。」とあった。

 

日本国民の名誉を棄損しただけではなく、今日の日韓関係の対立の一大要因を作り出した。私も経験があるが、悪意のすり替えの得意な会社であるので、原告団にがんばれとエールを送りたい。私も原告団に参加したいくらいだ。

 

大きな記事を書くために、結論ありきで、歪んだ目を向ける。これでは報道ではなく、扇動である。批判的な目を持つことは必要だが、その目が、公正で中立でなければ、多くの人を傷つける。ペンの暴力を自覚できない者には、取材して報道する権利などない。

(追伸)2月18日に、東京大学医科学研究所で、「これでいいのか、日本のがん医療」というタイトルで一般向けの講演会を行うことになった。平成26年度文部科学省・新学術領域研究によって支援される市民公開講演会の一環としてである(http://ganshien.umin.jp/seminar/course/20150218.html)。