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英語が上手くならない日本人留学生

雑事

私の研究室には10か国から約20人が集まっているが、今の研究室の最大の課題のひとつは、英語が上達しない日本人である。英語教育の違いは大きく、欧州から来ている研究員だけでなく、中国、韓国、マレーシアなどから来ている留学生と比べても、英語能力の差は歴然としている。

 

学校での英語教育に加え、留学後の上達の妨げとなっているのが、IT技術などの急速な進歩である。私が1980年代後半に留学していた頃は、家族と話をする以外は、すべて英語で生活せざるを得なかった。テレビも現地の番組を見るしかなかったし、新聞もソルトレークで発刊されていたもので、もちろん英語だ。インターネットなど全くない時代であるので、LINEやSkypeなど無料で日本と交流できる手段があるはずもない。国際電話はできたが、目が飛び出るほど高かったので、安月給のポスドクでは限りがある。

 

また、研究棟に全く日本人がいなかったし、部下のテクニシャンへの指示・説明は当然のこと、給料査定も相手が納得するまで話し合わねばならず、自分が生きていくために英語が上手くなることが必須であった。

 

その点、今は、いろいろな疑問があっても、簡単にインターネットの日本語ページで情報が入手できる。日本のニュースも、リアルタイムで、日本語で入手でき、日本のテレビ番組も月に10-20ドルでネットを通して簡単に見ることができる環境となっている。私も日本語のブログで情報発信しているので、偉そうなことは言えないが。

 

米国に留学したという実績だけが欲しいならいいが、日本に帰国した後も海外と競争を続けるためには、英語能力は必要だし、ましてや、今後、米国でさらに上のポジションを目指すならば、とても心もとないレベルである。他の国から来ている人たちと比して、ハングリーさが欠けるためか、生き延びるための必死さに欠けているように思えてならない。

 

この課題は、私の周辺の日本人だけではなく、おそらく、日本人留学生の共通課題であると思う。特に、留学した時点での語学力の差は、留学生間の競争にも決定的に不利な状況を生み出しているのではなかろうか。日本の存在感が希薄になってくるのも、これでは仕方がないと思いつつ、これでいいのかと考え込んでしまう。

 

英語より、まず、日本語を身につけることが重要だという人たちがたくさんいるが、英語を日本語と同じレベルに引き上げない限り、日本の国際的な地位向上はないだろう。英語力の向上が叫ばれて久しいが、2020年に東京オリンピックを控えている今、英語力を高めるための方策を考えることが急務である。

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