読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

中村研究室の事件簿(2)

雑事 医療(一般) 医療(がん免疫・免疫ゲノム学) シカゴ

1. 鍵束持ち出し事件(新横浜と名古屋の間に停車駅を作って??)

多くの研究室では、研究室の部屋の鍵を束ねて、特定の場所に隠して管理している。私の研究室では、朝最初に来た研究員が(といっても私が最初のことが多いので、実質的には2番目)、全室の鍵を開け、最後に退出する研究員がすべての部屋の鍵をかけ、鍵束を元に戻して帰ることになっていた。ある日、教授室で仕事をしていると、廊下が騒がしい。廊下に出てみると、鍵束が見つからないと探し回っている。みんなが探したが、結局、見つからず、守衛室に依頼して、とりあえず研究室のドアを開けてもらう。突き詰めていくと、研究員の一人が明け方まで実験をしていて、そのまま学会で出張したことがわかった。携帯電話で連絡したところ、かばんの中に鍵束が入っていた。多くの研究員が部屋に入れずに無駄に過ごした時間は馬鹿にならないので、「すぐに持ってくるように」厳命した。ところが、不幸にも研究員は新幹線で関西に向かう途中で、列車は新横浜駅を出たところ。新横浜―名古屋間は、東海道・山陽新幹線では一番長い時間がかかる区間である。名古屋で飛び降り、東京に向かう新幹線でU-ターンして、汗をかきながら、鍵束を持ち帰った。研究員は、思わず臨時停車ボタンを押したくなったそうだ。「のぞみ」新横浜―名古屋にもう一駅停車駅があれば、寿命が少し長くなったかも?

 

2.凍死一歩寸前事件

癌研究所での忘年会後の事件である。二次会で盛り上がった後、二人の研究員が帰ろうと門に差し掛かったところ、玄関前で、自転車を抱きかかえたまま、スヤスヤと眠っていた先輩研究員を見かけた。雪が舞っている寒い夜であり、眠っている研究員の体にはうっすらと雪が積もっている。驚いて駆け寄ったが、まだ、息はしている。あわてて抱き起し、二人は両脇を支えてタクシーに乗せて自宅に連れ帰った。タクシーの中でも、意識が定かでなかったが、奥さんの顔を見たとたんに、シャキッとして自分ですたすたと歩きだす。二人の研究員は唖然として後姿を見送ったそうだ。雪の夜の路上睡眠は厳禁です。

 

3.パジャマで出勤事件

私の研究室は出勤時間厳守である。時間を守れない人間は、その時点で私の評価はマイナスとなる。会社では、時間厳守など当たり前のことだが、朝、時間に縛られないのがいいと言って、研究者になる人がいる。こんな怠惰な気持ちの人が研究者になって欲しくないが、甘えた考えの人は意外に多い。大学院生希望者の面接で、時間厳守を伝えたとたんに、「是非、中村研究室で研究したい」と熱く語っていた若者の顔が、急にしらけた表情になったこともある。東京大学医科学研究所で午前9時前に門から研究棟に走っていた人は、ほぼ中村研究室所属と判断して間違いなかった。そんな環境化で事件は起こった。朝寝坊した研究員が、パジャマの上着を着たまま、下だけをズボンに履き替えて出勤してきたことがある。もう1分間眠りたいという油断での失敗談だが、普段からパジャマのような服を着ていた故、私は気づかなかった。朝寝坊の人、パジャマに似た洋服を着る習慣を付けましょう。

f:id:ynakamurachicago:20141223224604j:plain