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強行採決と民主主義

雑事

総選挙を振り返る番組の中で、強行採決をした自由民主党を非難するコメントがあった。いつも思うのだが、民主主義の大原則は多数決のはずだ。したがって、多数を持つ党(与党)の提案した法案は、この大原則に則って可決されて当然である。少数意見を尊重することは重要だが、多数でない野党が物理的な抵抗をして、与党が強行採決に踏み切る悪弊はまったく建設的ではない。議論を尽くしたかどうかの問題は別として、野党が自分の思い通りにならないことに対して与党を批判するのは、民主主義の原則に反しているのではないのか。多数決に従い、議決後にはそれに従うのが民主主義である。

 

議会の場で、堂々と議論を挑み、与党の案に問題が大きければそれを指摘すればいい。議会の外でも、自己の立場・考えを訴える機会はいくらでもある。特に、国会の場では三流雑誌のようなスキャンダルの追及に終始し、時間を無駄に使うのではなく、天下国家の問題を語ってほしい。もし、与党の言動に問題があり、野党の主張が正しければ、次の選挙でしっぺ返しを食らうはずである。それは、2年前の総選挙を振り返れば明らかである。国民はしっかりと見ているのである。多数の国民は、自由民主党に失望して、民主党に日本の政治を託した。しかし、そのあまりにも支離滅裂な言動に絶望し、2年前に再び、自由民主党に託したのである。

 

今回の総選挙の投票率の低さは、民主党政権によってもたらされた日本の政治に対する失望と、安倍内閣のままでいいとの消極的賛成を映し出しているのではないかと思う。民主党代表選挙の争点とされているのが、民主党の立て直しを優先するのか、野党再編を優先かという、やくざの縄張り争いに近い話というのは嘆かわしい。まず、この国をどうしたいのかという原理原則から出発しない限り、国民が民主党に再び多数を付与する日は来ないだろう。何故、多くの国民の気持ちが、急速に民主党から離れたのか、その理由を今でも理解できていないのではないかと思う。

 

民主主義国家である以上、政治の場では多数を持つことがすべてである。安倍総理が述べた通り、政権を選択する選挙に負けたことは、自分たちの主義主張が国民から支持されていない証である。政治的弱者ではなく、敗者となったのである。与党が多数を持ち、それが維持されたことは、多数の国民から支持されているからである。

 

少数派が、国を自分たちの主義主張に沿って変えたいと望むのであれば、選挙を通して多数派となる努力をするしかないのである。それにもかかわらず、この2年間の野党のドタバタぶりを見て、この人たちに国を託そうという気持ちになれるはずがない。こんなにくっついたり、離れたりしていては、しっかりした政治信条を持って政治家をしているとは、とても言いがたい。

 

強行採決をしたからけしからんと批判する前に、多数を持たない自分たちに何がかけているのか、足元を見つめなおすべきではないかと思う。憲法改正にしても、改正するための条項がある以上、その条項に則った手続きで改正することは、民主主義そのものではないのか。改正内容が危険でおかしなものであれば、国民によって否決されるはずである。今後、野党再編は不可避と思うが、是非、政治信条を共にする人たちが集まって、自分たちの考えを国民に示し、正々堂々たる議論をすることを期待したい。

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