ドクターX

日米を往復するANA便で見た「ドクターX」のあまりの馬鹿馬鹿しさが面白く、最新シリーズをビデオで見ている。この中で出てくる「日本医療産業機構」は来年4月から発足する「日本医療健康研究機構」に重なって見えるし、「高度医療センター」も築地にあるセンターを思い起こさせる。

 

ドラマとして誇張があるものの、「東」と「西」の足の引っ張り合いなど、現実の世界とそれほど遠いものとは言えない。「日本医療産業機構」推進役の北大路欣也演じる総長の政治的な丁々発止のやり取りを眺めていると、感心することしきりである。こんな腹の探りあいなど、とても私にはできそうにない。やはり、自分の能力を超えた役職など、早々と辞任してよかったと納得せざるを得ない。

 

しかし、「私は失敗しませんから」という言葉は、外科医として言ってみたい禁断の一言である。こんな言葉、私が外科医をやっていた数十年前でも言いたくても言えないし、今のようにミスが許されないような大変な時代では、天地がひっくり返っても、口が裂けても、絶対に言えない一言である。でも、患者サイドは、性格が常人離れしていても、大門未知子のような絶対に失敗しない外科医に手術をして欲しいと願っているに違いない。口がよくて、愛想もいいが、下手な外科医の手術など受けたくない。

 

病院内での東西の大学間対立を面白おかしくコメディー調に茶化しているのは、当たらずとも遠からずの感がある。しかし、北大路欣也のように、将来のビジョンを熱く語れるインテリジェントなリーダーが表れてほしいとも思う。ドラマでは、なんとなく「西」の医師の方が陰湿に描かれているように感じるが、「西」出身者のひがみだろうか?

 

とはいえ、国全体が危機的状況の中で国を忘れて「東」と「西」が争っている状況を体験した者として、いつまでもやくざ顔負けの抗争をしている医学界が、自らの愚かさに目を覚まし、国のためにという気持ちでまとまることを期待したい。一層のこと、大学院大学においては学部を廃止して、大学院だけにすれば、学閥対立が和らぐのではないかと思うが。

 

また、「日本医療産業機構」という名前は、「日本医療健康研究機構」よりもいいように思う。研究ではなく、産業を出口とした戦略が今の日本には必要ではないのだろうか?出口を意識すると基礎研究への支援が疎かにされると不安を口にする人が多いが、それは、その人たちが自分の研究ことしか考えていないからだと思う。産業という出口につなげるために、基礎研究という入口が必須であるというのは、この10-20年を振り返れば明白である。医療産業の興隆なければ、日本の経済は立ち行かない。

 

とブログで好き勝手なことを書いているが、それに冷や水を浴びせる情報を、東京の友人が伝えてくれた。なんと私のブログの免疫療法のページに、私が忌み嫌っている「白衣を着た詐欺師」の広告が貼り付けられているとのことであった。私がシカゴから自分のページを見るとそのようにはなっていないのだが、友人から送られた添付資料には、それが張り付いていた。

 

大金を巻き上げるエビデンスのない免疫療法にはくれぐれもご注意を。

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