がん免疫療法;米ファイザーとドイツのメルクの提携

今朝は予想より冷え込み、出勤時の気温はマイナス9度となった。まだ、夜間の咳は続いているが、今年の目標であるマイナス10度までは歩いて出勤することを目指し、20分間歩いて通勤した。風が弱かったので、完全装備で何とか耐えられた。しかし、鼻の中が痛い。口元をマフラーで防御していたが、不十分だったようだ。午後からは風がかなり強まり、帰宅時は出勤時と同じ温度であったが、体感温度が全く異なる。表示されていた体感温度は華氏マイナス5度、摂氏でマイナス約21度に相当する。もちろん歩いて帰るという無謀な挑戦はしなかった。明日の朝はマイナス12度と予想されていて、これまでの最低気温記録をぬりかえそうだ。

 

このような寒風の中、ウオールストリート・ジャーナルが「製薬大手の米ファイザーとドイツのメルクは、新たな腫瘍治療薬の開発と商品化で提携することに合意した。」と報じた。両社は抗PD-L1抗体と抗PD-1抗体の開発を提携して進めるとあった。この提携は、がん免疫療法が急拡大する可能性を示唆している。二つの抗体は、免疫チェックポイント分子に対する抗体であり、これらの分子は、がん細胞を患者さん自身の免疫細胞が攻撃をするのを守る役割をしている。一部のがんに対して非常に高い効果を示している。しかし、これらの抗体が、がんの再発予防に応用可能かどうかは未知数である。これらの抗体医薬が引き起こす自己免疫疾患様の副作用と現時点での医薬品コストを考えると、再発するかどうか定かでない患者さんに投与するのは疑問が残る。

 

さらに、分子標的治療薬や放射線療法と免疫療法のコンビネーションも検討されており、10年後のがん治療は様変わりしているかもしれない。がんの臨床試験審査委員会に参加していると、がん治療が大きく変化していることを実感することができる。20世紀から21世紀に移り、多くの分子標的治療薬や新たな免疫療法が開発された。私が医師免許を得てから25年間に起こったがん治療分野の変化は、ゆるやかな勾配の直線的な変化であった。それに比して、最近10年間のそれは、急勾配の二次関数的な変化であると言える。

f:id:ynakamurachicago:20141118105302j:plainまさに、上図の日本の医薬品輸入の推移は、がん治療の世界的な動向の変化に相当する。しかし、日本の医薬品輸出は、緩やかな直線状増加ではなく、横ばい、そして、最近は減少している感がある。日本発の大型医薬品の特許切れの状況を考えると、医薬品輸入超過の傾向は改善しそうにない。医薬品の特許は、自動車やスマホ・電化製品に比して圧倒的な強さがある。TTP交渉もこの特許問題が大きな課題となっているようだが、医療という分野での競争力強化に期待したい。

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