薬物検査キット・親子鑑定キット・遺伝子占い

処方してもらった薬剤を購入するために、大型ドラッグストアに行った。申し込んでから、受け取るまでに30分も待たされたが、その間、暇つぶしに薬局周辺の棚に並んでいる薬、サプリメントを眺めていたが、ふと、下記のような検査キットが目に入った。

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どんな薬剤を調べるのかと覗き込んだところ、アンフェタミン、メタムフェタミンなどの覚せい剤、エクスタシーなどの危険ドラッグ、コカインなどの麻薬を家庭で(at home)調べるための検査薬とある。なぜ、家庭で調べる必要があるのか、頭の中が???だらけである。と考えながら、その下の棚を見ると、これもまた、意外なものがあった。

f:id:ynakamurachicago:20141108124942j:plain DNA Paternity検査キット、親子鑑定(表示を正確に訳すと、父子鑑定)キットである。ラベルの乳児の写真が生々しすぎる。約30ドルのキットを購入し、追加で約90ドル払うとDNA鑑定してくれるとのことである。こんなキットが販売されるほど、需要が高いのかと唸ってしまう。隣には、大腸の潜血テストまである。医療費が高い米国の事情を考えると、大腸の潜血テストを家庭で行うことは、理解できないでもないが、親子鑑定キットや違法薬物テストまでドラッグストアで販売しているのは驚いた。

 

米国に来て2年7か月が過ぎたが、普段は必要なものをカゴに入れるだけなので気づかなかったが、薬局近辺の棚をゆっくり眺めるとなかなか面白い。日本では購入できないようなもの、たとえば、睡眠導入剤のメラトニンなど簡単に手に入る。大量のサプリメントも並んでいるのは、高額な医療費の裏返しかと思う?またの機会に、気付いたことを紹介するが、DNA鑑定に触れたので、日本のネットニュースを見て気になったことに触れたい。

 

日本でも、複数の会社が「遺伝子診断」というか、「遺伝子占い」に参入してきた。本来は、国が医療費削減の一環として、医学的に意味のある遺伝子診断を推進する方策をまとめるべきだが、国の施策がガラパゴス化して如何ともしがたい。医学的に有用なものを産業化すべきだと思うが、厚生労働省や医療機関の動きが鈍く、結局、経済産業省主導でようやく動き出しているように見える。確かに診断の誤りによって健康被害が出ないようにすべきだが、今の遺伝子占いレベルでは直接的な健康被害は出るようには思えない。ただし、遺伝性疾患に近いような病気にも触れているものがあるので、これは要注意だ。

 

国際的な競争に負ければ、将来的にはゲノム医療分野での経済的な負担が大きく膨らむので、遺伝子占いを一方的な批判することは慎みたいが、遺伝子差別禁止法だけは早急に策定してほしいと思う。しかし、例によって何でも批判するだけのA新聞社の、「遺伝子には未解明な部分も多く、無限のリスクがあることをわかりやすく説明してから同意を得ることが大切だ」と指摘していた、大ボケの部分にはあきれてものが言えない。「無限のリスク」をどのようにわかりやすく説明できるのか?「無限のリスク」に同意することは、「何があっても知りませんよ」に同意することだ。この新聞社には未来はない!