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「メダリストの未成年飲酒問題」とメディアの欺瞞

雑事

日本体育大学教授でアーチェリーの元オリンピックメダリストY氏が、未成年の部員にワインを勧めたことがニュースになっていた。有名人ゆえの報道だとは思う。しかし、相手は未成年であることには間違いないだろうが、すでに大学生だ。飲酒を勧めたことは褒められることではないが、新聞にあるように「飲んだ量は口を付けた程度」であれば、ニュースにするようなネタなのかと思わずにいられない。ましてや、この一件の責任をとって、アーチェリー部長を辞めたとあっては、学生たちは優秀な指導者を失うことになってしまう。この報道にどのような社会的意味があるのだろうか?

 

選挙権を18歳に下げようかという議論をしている中で、この程度(と言っては、お叱りを受けるかもしれないが)のことを、新聞やテレビで取り上げるとは、日本は本当に平和ボケしているのかもしれない。報道したメディアは、未成年の大学生は自己判断ができる能力がなく、選挙権を与えるのは不適切と考えているのかどうか、聞いてみたい。これを批判するくらいなら、メディアはどうして、野放し状態の自動販売機での未成年への酒類の提供を取り上げないのか?有名人のミスを面白おかしく取り上げることができても、スポンサーが怖くて、酒類の自動販売機での販売を禁止するキャンペーンはできないのだろうか? 

 

ここシカゴでは、マーケットやコンビニでお酒を買う際には、必ず、写真付きの身分証明証(運転免許証やパスポート)の提示を求められる。私のような年齢の人間でも、提示を求められる場合もある(これには苦笑するしかないが)。先日、研究室を7月で去る5人を連れて、スペインレストランに送別会に行き、ワインを頼んだ際には、私以外の5人は全員、身分証明証の提示を要求された。一人は20歳代前半だが、他の4人は30歳前後であったが例外は認められなかった。確かにアジア系の女性は年齢より若く見えるらしいが、縦から見ても、横から見ても20歳は超えていると思うのだが、非常に厳格である。お酒の自動販売機などもちろんない。 

 

この飲酒問題だけでなく、日本のメディアはとにかく、筋の通っていないことが多すぎる。この大学教授の例が、ニュースで取り上げる価値のある大きな問題だと思うなら、未成年の飲酒を防ぐための姿勢を貫けばいい。広告が減ることを恐れて自動販売機問題に触れられないなら、この件で、Y教授を叩く資格などメディアにあるはずがない。

 

いろいろな場で触れてきたが、脳死移植の是非か問われていた際に、脳死判定があいまいで危険だと騒ぐ一方で、海外で臓器移植を受けるための募金を集めるなど自分たちの報道姿勢に対する支離滅裂さを反省することもない。海外で臓器移植を受けて、子供たちが元気で帰国する際には、美談として報道された。私は脳死移植支持派であったが、移植を受けて元気になることをプラスに評価するなら、どうして脳死移植をもっと支援しなかったのか?お金持ち、あるいは、募金を募ってくれるような仲間のいる親は子供を救うことができ、そうでない親はわが子を見殺しにせざるを得ない現実をどう捉えようとしているのか、こんな私の問いにまともに答えた記者は、まだ、いない。

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