シカゴ美術館と文化的教養

昨日は、シカゴ美術館に行ってきた。10時30分開館に合わせて入館。メンバーになっているので、いち早く館内に入ると、一目散で印象派の絵画が並んでいる部屋に向かう。ルノワール、モネといった私の大好きな画家の絵が贅沢に並んでいる。「モネ」の部屋には14枚の絵が並んでいるが、部屋の中は私一人だけ。わずか数分間だけだが、14枚の絵を独り占めするだけで満足な気分になり、嫌なことを忘れさせてくれる。

 ルネ・マグリットの特別展もやっていたので、どんなものがあるのかのぞきに行った。作品に合わせた照明のセッティングにしているのだろうが、室内は非常に暗い。どこかで見たことのあるような絵がいくつかあったが、美術的素養のない私には、風変りな絵だという印象だけが残り、どこがいいのか、まったく理解できなかった。宗教画はなんとなく暗い感じが好きになれないし、やはり、印象派の絵がしっくりくるので、再び、印象派のコーナーに戻り、マネ、ドガ、ゴーギャン、ゴッホなどを眺めて一息ついた。 

最後に、喜多川歌麿の浮世絵が並んでいるコーナーに向かった。以前訪れた時には、葛飾北斎が並んでいたが、日本でも見たことのない有名浮世絵師の作品にシカゴで出会えるとは思ってもみなかった。文化的価値の高い浮世絵が大量に流出している事実に悲しむべきなのか、教科書と切手でしか見たことのない歌麿作品が五十点近く並んでいることに喜ぶべきなのかわからないが、ゆっくりと堪能することができた。日本の浮世絵が、印象派の画家たちに影響を与えたそうだが、近くで眺めると、その繊細さに感動を覚えた。 

かつて、「・・展」と銘打った有名画家の特別展を見るために、大阪や京都の美術館に何回か見学に行ったことがあるが、日本では、人の流れに沿って動かねばならず、とても自分の好きな絵のそばに佇む雰囲気ではなかった。人ごみに揉まれて移動することにつかれ、絵を楽しむような余裕はなかった。パリのオルセー美術館やルーブル美術館はシカゴ美術館よりも人が多いけれども、やはり絵を楽しむことができる。この歳になって、ようやく、時間的にも空間的にも絵を楽しむことができるようになった。かつて東大のある教授が、日本人はもっと文化的教養を高めることが必要だ。自国文化について外国人と堂々と語り合えることが、お互いの理解と信頼につながると言っていたことが脳裏に浮かんだ。

 (シカゴ美術館入口から眺めるダウンタウン)

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